都内中小企業の「防災対策」の実態調査 

2014年03月07日
ミドリ安全.comは、東日本大震災から3年目を迎える本年、従業員300名以下の都内中小企業の総務部に勤務する方300名を対象に、2014年3月3日から2014年3月5日までの期間、企業の防災対策に関するアンケート調査を実施、300名の有効回答を集計いたしました。

【調査結果概要】

◆東京都が努力義務として制定する「帰宅困難者対策条例」 55%が知らないと回答
 努力義務である「3日分の水・主食、従業員数分の毛布」を全て備蓄できている企業はわずか8%
 未実施の理由1位は「備品の備蓄場所確保」47.2%、2位は「コスト」44.8%

◆災害時の社内の連絡手段「携帯電話」が最多の79.3%、2位は「固定電話」54.0%
 SNSでは「LINE」が最多の8.0%(家族連絡:17.3%)、2位は「Facebook」2.7%(家族連絡:4.7%)

◆67.7%が災害時の安否確認手段を社内で周知・確認できていないと回答

◆「東京都防災マップ」の認知率36.7%、実際にアクセスしたことがある人は7.7%にとどまる

◆会社からの徒歩帰宅ルート、3人に1人が把握できておらず

【調査結果】

Q1.あなたの会社の防災対策は十分に行えていると思いますか?(n=300/単一回答形式)
●十分に行えていると思う 37人(12.3%)
●どちらでもない 107人(35.7%)
●十分に行えていないと思う 156人(52.0%)

 Q2.東京都が制定している「帰宅困難者対策条例」をご存知ですか?(n=300/単一回答形式)
●知っている 135人(45.0%)
●知らない 165人(55.0%)

Q3.あなたが勤務する会社は以下の備品の備蓄をしていますか?(n=300/項目ごとに単一回答形式)

1.従業員1人あたり9リットルの水(3日分)
2.従業員1人あたり3日分の主食(1日3食:計9食分)
3.従業員の人数分の毛布
※従業員とは「正規社員」「非正規社員」問わず事務所内で勤務する全従業員を指します

あなたが勤務する会社は以下の備品の備蓄をしていますか?

1.水
全て備蓄できている 51人(17.0%)
一部備蓄できている 88人(29.3%)
備蓄できていない  136人(45.4%)
分からない    25人(8.3%)

2.主食
全て備蓄できている 38人(12.7%)
一部備蓄できている 71人(23.7%)
備蓄できていない  166人(55.3%)
分からない   25人(8.3%)

3.毛布
全て備蓄できている 35人(11.7%)
一部備蓄できている 53人(17.7%)
備蓄できていない 182人(60.6%)
分からない  30人(10.0%)

(Q3で一部でも「全て備蓄できている」以外の回答をした方に対して)
Q4.東京都では「帰宅困難者対策条例」にて、企業に対して、
●従業員一人あたり3日分の水と主食
●従業員人数分の毛布
を備蓄しておくことを、努力義務としてアナウンスしています。
これら「3日分の水」「3日分の主食」及び「従業員分の毛布」のいずれかを会社が備蓄できていない理由をお答えください。(n=248/複数回答形式)

1.備蓄品の保管場所が確保できないため 117人(47.2%)
2.コストがかかるため 111人(44.8%)
3.手間・面倒なため 67人(27.0%)
4.経営者の判断 54人(21.8%)
5.備蓄の努力義務自体を知らなかったため 52人(21.0%)
6.その他 11人(4.4%)

※その他、自由回答
「経営者は知っていると思うが実行しない」「検討中」「職場と住宅が徒歩数分であるので、必要としない」「内勤社が一人」「理由は知らない」「認識が足りないと思う」「少々真剣に捉えていない気がします」「現在準備中のため」「条例ができる前から備蓄している、これから3日以上備蓄したい」「意識が欠落しています」「親会社の判断」「準備中」

Q5. 水・食糧・毛布以外で社内に備蓄しているグッズを教えてください。(n=300/複数回答形式)

水・食糧・毛布以外で社内に備蓄しているグッズを教えてください。
懐中電灯 169人(56.3%)
ライター  79人(26.3%)
缶切り   54人(18.0%)
ろうそく  47人(15.7%)
ナイフ  62人(20.7%)
衣服   24人(8.0%)
手袋   91人(30.3%)
ラジオ  103人(34.3%)
ヘルメット 118人(39.3%)
防災ずきん 21人(7.0%)
安全靴など防災用の靴 21人(7.0%)
電池  118人(39.3%)
簡易トイレ  43人(14.3%)
衛生用品(トイレットペーパー等) 94人(31.3%)
缶切り 54人(18.0%)
敷物(ビニールシート等) 55人(18.3%)
救急医療薬品類 93人(31.0%)
非常用発電機 22人(7.3%)
燃料 20人(6.7%)
その他 4人(1.3%)
特にない 69人(23.0%)

※その他自由回答
「カセットコンロ、ガスボンベ」「寝袋」「知らない」「わからない」

Q6.あなたが勤務する会社は、災害が発生した際、社員同士での安否情報の確認手段を確認・周知していますか?(n=300/単一回答形式)

1.確認・周知している  97人(32.3%)
2.確認・周知していない 203人(67.7%)
あなたが勤務する会社は、災害が発生した際、社員同士での安否情報の確認手段を確認・周知していますか?

Q7.災害の際に利用する予定の連絡手段をお答えください。(n=300/複数回答形式)

<社内連絡>
固定電話           162人(54.0%)
携帯電話           238人(79.3%)
災害用伝言ダイヤル(171)  39人(13.0%)
災害用伝言サービス      25人(8.3%)
LINE            24人(8.0%)
Facebook          8人(2.7%)
Twitter           8人(2.7%)
mixi             1人(0.3%)
Googleパーソンファインダー  3人(1.0%)
社内の安否確認システム   21人(7.0%)
その他              11人(3.7%)

<家族との連絡>
固定電話           145人(48.3%)
携帯電話           257人(85.7%)
災害用伝言ダイヤル(171)  59人(19.7%)
災害用伝言サービス      42人(14.0%)
LINE             52人(17.3%)
Facebook          14人(4.7%)
Twitter            11人(3.7%)
mixi              3人(1.0%)
Googleパーソンファインダー  2人(0.7%)
社内の安否確認システム    3人(1.0%)
その他             12人(4.0%)

Q8.災害時に帰宅支援ステーションや一時滞在施設などを地図で確認できる「東京都防災マップ」をご存知ですか。(n=300/単一回答形式)

1.知っておりアクセスしたことがある      23人(7.7%)
2.知っていたがアクセスしたことはなかった 87人(29.0%)
3.知らなかった 190人(63.3%)

Q9.あなたが勤務する会社から自宅までの徒歩帰宅ルートを把握していますか。(n=300/単一回答形式)

1.把握できている    202人(67.3%)
2.把握できていない  98人(32.7%)

Q10.靴を履いていてもクギやガラスを踏むことで怪我をしてしまうケース、いわゆる「踏抜き」をご存知ですか?(n=300/単一回答形式)

1.知っている   131人(43.7%)
2.知らなかった 169人(56.3%)

(Q10知っていると回答した方へ)
Q11.「踏抜き」から、死にいたるケースもある「破傷風」に繋がる危険性があることをご存知ですか。(n=131/単一回答形式)

1.知っている  114人(87.0%)
2.知らなかった 17人(13.0%)

Q12.既にお手持ちの靴にインソールを入れるだけで、怪我(踏抜き)を防げる商品があれば欲しいですか。(n=300/単一回答形式)

1.欲しい       178人(59.4%)
2.どちらでもない  103人(34.3%)
3.欲しくない     19人(6.3%)

今回の調査では「帰宅困難者対策条例」の浸透度の低さや、社内備蓄の実施、緊急時の安否確認手段の周知・確認といった、企業に努力義務とされている取り組みが、実際にはなかなか実行できていないという都内中小企業の実態が浮き彫りとなりました。

また「会社の防災対策は充分にできている」と回答した37名の方の回答を個別に集計した結果、その中でも、帰宅困難者対策条例で努力義務とされる会社備蓄が何かしら足りていないと回答した方が14名(37.8%)、災害発生時の安否確認手段の社内周知ができていないと回答した方も10名(27.0%)存在することが分かり、対策が充分にできていると思っていても、東京都が努力義務と設定するレベルまでは達していない状況が判明いたしました。


【調査概要】
有効回答数 東京都内の中小企業( 従業員300名以下)の総務部に勤務している男女300名
調査年齢 20歳~59歳
調査期間 2014年3月3日~2014年3月5日
調査方法 インターネットリサーチ

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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