MasterCard Worldwideは、MasterCard Worldwide Index 「女性の社会進出度」調査結果を発表。この調査は、男性と比較した場合の、女性の社会経済レベルを測定するもので、近年の女性のエンパワーメントに対する認識の高まりとともに、女性における大幅な社会進出の状況が明らかとなりました。

女性の社会進出度調査(MasterCard Worldwide Index of Women’s Advancement)は、アジア/太平洋、中東、アフリカにおいて、社会経済学の観点から、男性と比較した場合の女性の水準を測定するため、MasterCardが継続的に実施してきた調査の一環です。指標は、「事業所有」、「企業および政府機関における管理職への就任」、「労働力参加」、「正規雇用機会」、および「高等教育の機会」1の5項目から構成し、各項目において、142の対象市場における男性100名あたりの女性の比率を測定しています。

[ 1  今年の調査では5つの要素の重みが見直されており、これまではすべて均等だったのに対し、労働力参加が最も重視される形となっています。高等教育以外では、残り3つの要素は労働力参加に関連したものだからです。]

[ 2  調査対象の市場(アジア/太平洋地域):オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム]

指数は、それぞれの市場において、女性がどのくらい男性と同等の立場にいるかを示しています。スコアが100以下の場合は男性優位の男女不平等を表し、100以上の場合は女性優位を表します。スコア100が男女平等を意味します。

アジア/太平洋地域の14市場の中で、総合指数はオーストラリアとニュージーランドが最も高く、それぞれ83.3と83.1でした。これに僅差で続くのがフィリピン(77.8)、シンガポール(77.4)、ベトナム(75.0)で、特に低かったのはインド(48.4)、韓国(63.5)、日本(64.8)でした。

これら14市場のうち12市場においては、少なくとも3年間で総合指数に上昇が見られました。インドは現在、48.4の指数でアジア/太平洋地域の中では最下位ですが、その指数は2010年から上昇傾向にあります。一方、現在73.7の中国は、2007年以降、一貫して微減しています。

高等教育機関への入学率はアジア/太平洋地域の大半の市場で女性が男性を上回る

11の市場では、高等教育機関への入学率において、女性は男性の割合と同等ないし上回っていました。これには、ニュージーランド(137.7)、マレーシア(135.9)、オーストラリア(134.5)、タイ(133.2)、フィリピン(125.8)、中国(118.4)、ベトナム(107.2)、台湾(107.0)、香港(104.2)、インドネシア(103.3)、シンガポール(98.1)が該当します。
日本(89.6)、韓国(73.1)、インド(69.5)は例外で、女性の入学率が男性を下回りました。

労働力参加と正規雇用機会について機会均等化が進む

ほとんどの市場で女性の労働力参加率は健全な指数を示し、8市場では男性100人に対して有職女性は70人を超えました。
この項目ではインドが低く、男性100人に対する有職女性の数はわずか35人で、マレーシア(57.1)、インドネシア(61.0)、フィリピン(62.8)も低い結果でした。
調査対象となった14市場のうち11市場では、男女の正規雇用について均等な機会があることがわかりました。例外として、インドでは女性の正規雇用機会がアジア/太平洋地域で最も低く(52.9)、ベトナム(71.6)、中国(82.8)がこれに続きました。

小規模事業経営において女性の進出は進んでいない

アジア/太平洋地域の女性起業家は依然、社会経済的なエンパワーメントを必要としています。調査対象となった14市場のうち13市場では、起業家の数が男性100人に対し女性は50人を下回りました。
この項目ではオーストラリア(56.6)が最も高く、一方日本(29.4)、香港(29.0)、台湾(30.4)は、男性100人に対する起業家女性の割合が特に低くなりました。 企業および政府機関の管理職における男女の格差
企業および政府機関における女性管理職の就任については、向上の余地が多く残されています。最新調査の指数では、企業および政府機関の男性管理職100人に対する女性管理職の割合が50人以上となったのは、わずか6市場に留まりました。

アジア/太平洋地域の14市場の中で、企業および政府機関の管理職で男女均等を達成したのはフィリピン(192.3)のみでした。ニュージーランド(77.1)、オーストラリア(73.1)、インド(65.8)、シンガポール(65.5)も、企業および政府機関の管理職において女性が男性に対して一定の高い割合を示しました。この項目では、日本(15.0)、韓国(17.3)、中国(24.0)が特に低い指数を示しました。

女性の社会経済的進出に関するMasterCardの調査からは、雇用機会や高等教育の機会を得ている女性は増加している一方で、政府機関や企業での昇進などについては依然として改善の余地が残されていることがわかりました。

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[MasterCard]
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