<外食・中食 調査レポート> 外食・焼肉レストラン市場 

2014年11月28日
外食・中食市場情報サービス『CREST』を提供するエヌピーディー・ジャパンは、外食・焼肉レストラン市場について調査・分析しました。

■2013年の外食利用率は伸びている
まずはじめに、直近2013年の外食中食利用率は66%で、2009年比+1.4ポイント微増している。その内訳をみると、中食利用率は-0.8ポイント微減の中、外食利用率が+1.3ポイント増加し寄与している。
では、好調の焼肉・回転寿司・カフェ各業態における食機会数の伸び率はどうか。

【図表1】外食市場 業態別 食機会数の伸び率(2013年、食機会ベース、2009年比%)

業態計をみると09年比で+2.1%増加しており、その中で焼肉FRは-8%減、韓国・焼肉店は-11.4%減であった。一方近年好調であるセルフ型カフェは+10.1%増、回転寿司は+9.8%増と食機会数は成長傾向だ。

このことから、全体的に消費者は外食に出かける傾向が以前に比べて高まっており、その中でも回転寿司やカフェの食機会数の伸びが目立っていることがわかる。

■高客単価で、特別な機会に好まれる焼肉系業態
では外食で焼肉系業態の売上高が堅調であるのは、何に起因するのだろうか。図表2は外食市場における業態別の客単価分布の比較である。

【図表2】外食市場 業態別 客単価分布(2013年、食機会ベース、%)

業態別に比較すると、焼肉系業態の客単価分布は、業態全体およびその他業態と比べても客単価が圧倒的に高い傾向である。焼肉系業態では食機会数は減少する一方で、「高い平均客単価」が売上堅調のカギと考えられよう。

さらに焼肉店での外食の食機会について調べるため、その外食が誕生日など「特別な食機会だったか」という分析項目をみると、焼肉店は業態全体(12.6%)と比べて特別な食機会の比率が+6.2ポイントも高いことが特徴だ。
消費者が外食するきっかけの一つである「特別な食機会」でのニーズを掴んでいることも、通常の外食以上に客単価が高い要因の一つともいえる(特典データ)。

■焼肉店で評価される美味しさとは?
焼肉系業態は食機会数の伸び率こそ鈍化しているものの、他業態と比べて特別な食機会の比率が大きく、高い平均客単価が好調の要因の一つとなっていることがわかった。
では、焼肉系業態はなぜ消費者に選ばれるのだろうか。

図表3はNPDの「おすすめメニューデータベース」を使い、焼肉レストランのメニューをおすすめした人がその理由において、「美味しい」というコメントがどういう要素と結びついているか、関連性をマッピングしたものである。

【図表3】焼肉店の評価要素における「美味しい」との関連キーワードマッピング(2013年8月~2014年9月期、単位=件)

焼肉レストランでおいしさに繋がる要素として「柔らかい」ことが大きなポイントとなっている。例えば「分厚いタンなのにとろけるように柔らかくて今まで食べたタンよりおいしい(40代女性・首都圏)」など、肉の品質と合わせて評される傾向だ。また、「たれ」もおいしさに大きな影響を与える要素となっており、「塩、たれ、宮崎醤油など、薬も種類豊富で色々試せる(40代男性・京阪神)」など、肉との相性や種類の豊富さも評されるポイントだった。
さらに肉だけでなく、食べ放題やランチなどメニュー展開の豊富さも多く評価されているようで、この点は他業態とは少し異なる消費者の評価要素の一つともいえよう。

焼肉系業態が堅調に伸びるポイントは、普段の食卓では食べられない肉質やたれを求める消費者のニーズが、特別な食機会などハレの日需要にうまく合致していることに起因しているようである。
景気回復のもたつきが続くなか、外食はちょっとした贅沢消費の傾向がみられる。その中で、いかに消費者に選んでもらえるかは外食各店にとって重要なポイントといえよう。

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[エヌピーディー・ジャパン]
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