電通におけるダイバーシティ(多様性)課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」(DDL)は、この4月に全国69,989名を対象に、LGBT(※1)を含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下、LGBT層)に関する広範な調査を実施。

その結果、LGBT層に該当する人は7.6%、LGBT層の商品・サービス市場規模は5.94兆円となりました。 
加えて、今回の「LGBT調査2015」では、LGBT層を支援・支持する一般層にまで広がる消費傾向が浮かび上がりました。DDLではこの傾向を "レインボー消費"(※2)と名付け、今後、新たな消費の形として深掘りしていきます。

渋谷区で「同性パートナーシップ条例」が成立するなど、多様性が進行しつつある日本において、LGBT層への認知・理解は深まりつつあります。また企業が雇用の側面から対応に取り組む動きも見られ始めており、今後LGBT層に対する向き合いはより深化していくものと推察されます。

電通総研とDDLは、2012年にLGBT調査を実施しましたが、ほぼ3年が経過し社会情勢にも変化があったことや、企業・自治体からの問い合わせやマーケティングに関する相談が増加してきたことを受け、再度調査を実施いたしました。

【調査結果】

■LGBT層の比率は7.6%
・LGBT層に該当する人は7.6%(2012年調査では5.2% ※3)と算出されました。
本調査では、セクシュアリティを「身体の性別」、「心の性別」(自分は男だ、女だという性自認)、「好きになる相手・恋愛対象の相手の性別」の3つの組み合わせで分類し、DDL独自の「セクシュアリティマップ(※4)」を元に、ストレート(異性愛者で、身体と心の性別が一致している人)セクシュアリティである(ストレート男性)と、(ストレート女性)と答えた方以外をLGBT層と規定しています。

■LGBT層の市場規模は5.94兆円
・一般家庭において消費金額が大きく、また消費者の嗜好によって商品選択の変更が比較的容易な22の商品・サービスカテゴリーを選択し、総務省の家計調査と家計消費状況調査のデータを踏まえ、LGBT層の当該カテゴリーにおける消費状況を加味して算定したところ、LGBT層の市場規模は5.94兆円となりました。
 
注1)市場規模算定に当たっては、家計調査・家計消費状況調査(いずれも総務省)のデータ、および世帯数に関しては「国勢調査」(総務省)を参考にした。
注2)市場規模は単独世帯と2人以上世帯のそれぞれについて算出し合計した。

■LGBT層を起点とする消費スタイルを"レインボー消費"と位置付け
・今回の調査では、LGBT層当人の消費(家電・AV機器、家具・インテリア、化粧品、カルチャー活動などで一般層より消費が活発)のみならず、その周辺の一般層でLGBT層を支援・支持することによって生まれる消費(LGBT層をサポートする企業の商品・サービスの利用意向53%)にも着目するなど、さまざまな人間関係が社会に受容されることで生まれる消費の可能性を導き出しました。DDLではこれらの消費のスタイルを "レインボー消費"と名付け、今後さらに調査研究を続けていきます。

※1 LGBTとは、【L】レズビアン(女性同性愛者)/【G】ゲイ(男性同性愛者)/【B】バイセクシュアル(両性愛者)/【T】トランスジェンダー(性同一性障がいなど)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつ。

※2 レインボーはLGBTを含むセクシュアル・マイノリティ活動のシンボルとして多くの団体で使用されています。

※3 前回調査からの増加理由としては、調査手法の変更、社会環境の変化や関連情報の増大によって該当者の自己認識に影響があったことなどが想定されます。

※4 セクシュアリティマップは、簡易的にセクシュアリティを説明するために制作したもので、すべてのセクシュアリティをカバーするものではありません。例えば、「心の性別」が男女どちらかに規定されない人々も存在します。今回は調査上「その他」として集計しています。

【調査概要】
<事前スクリーニング調査の概要>
調査対象:20~59歳の個人69,989人
調査対象エリア:全国
調査時期:2015年4月7日~8日
調査手法:インターネット調査

<「電通LGBT調査2015」の概要>
調査対象:20~59歳の個人900人(LGBT層該当者500人/ストレート該当者400人)
調査対象エリア:全国
調査時期:2015年4月9日~13日
調査手法:インターネット調査

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[電通]
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