栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査 

2015年05月28日
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、一般の消費者500名を対象に「栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査」を実施。本調査では、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いに関する理解や、それぞれの飲用率や飲用シーン、イメージについて調べました。

【調査結果】

◆ 何が違うの…? 「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」の違いを説明できた人は、僅か2%


今回フォーカスした、栄養ドリンクとエナジードリンクですが、両者には明確な違いがあります。「医薬品」、「医薬部外品」に分類され、「医薬品医療機器等法」により規定される“栄養ドリンク”に対して、エナジードリンクは「清涼飲料水」です。そのため、栄養ドリンクは、エナジードリンクには配合できない、タウリンやフルスルチアミン塩酸塩といった、特定の成分の配合が認められています。
それでは、こうした違いを一般の消費者はどの程度理解できているのでしょうか。今回のアンケート調査では、「栄養ドリンクとエナジードリンクの違いがよく分からない」という人は81%と、8割以上を占めます。
さらに、「栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを説明して下さい」としたところ、きちんと両者の違いをきちんと説明できた人は、僅かに2%。「栄養ドリンクの方がエナジードリンクより効果が高い。(宮城県・男性38歳)」といった漠然としたイメージだけでそれぞれの理解をしている人も少なくありません。さらに、66%の人は、「栄養ドリンクとエナジードリンクは同じようなものだと思う」と回答しており、それぞれの理解が十分でないことが浮き彫りになりました。

◆ 飲用者の数では「栄養ドリンク」に軍配! 飲用経験率、飲用率を徹底比較

こうした低い理解度の中で、栄養ドリンクとエナジードリンクはそれぞれどの程度、消費者に受け入れられているでしょう。それぞれの「飲用経験率」、および、「現在の飲用率」を調べました。
まず、それぞれの「飲用経験率」は、栄養ドリンクが83%で、エナジードリンクが45%。急速に認知度を高め、市場を拡げてきたエナジードリンクですが、飲用経験率は半数を下回り、栄養ドリンクと比べるとその飲用経験率は高いとは言えません。同様に、「現在の飲用率」についても、それぞれ比較してみます。現在、栄養ドリンク、エナジードリンクを飲んでいるという人は、それぞれ46%、22%。長い間飲まれ続けている栄養ドリンクが、飲用経験率だけでなく現在の飲用率においても、エナジードリンクを大きく上回る結果となりました。
それでは、栄養ドリンクやエナジードリンクは、どういった人に飲まれているのでしょうか。前述の飲用経験率や現在の飲用率を、性別、年代別に比較してみました。
まず、栄養ドリンクの飲用経験率は、男女でそれぞれ87%、79%。両者の差は10ポイント以内にとどまります。世代別の飲用経験率についても、最も低い20代でも78%で、それ以外の世代では80%台と大きな差はありません。栄養ドリンクが、男女ともに広い世代の人に受け入れられていることが分かります。また、それは現在の飲用率についても同様です。50代では若干の飲用率の低下が見られたものの、性別、世代別で比較して、大きな差は見られませんでした。
同様に、エナジードリンクについても、飲用の実態を分析してみます。まず、性別で比較すると、飲用経験率も現在の飲用率も、男性の方が女性を上回りました。しかし、その差は飲用経験率14ポイント、現在の飲用率では7ポイントと、両者の差は比較的小さいことが分かります。一方で、世代別に比較してみると、20代とそれ以外の世代では、飲用状況が大きく異なることが分かります。飲用経験率については、20代が62%だったのに対して、30代~50代では39%。さらに、現在の飲用率についても、20代の38%に対して、それ以外の世代では17%と半分以下にとどまります。エナジードリンクが20代を中心とする若い世代に受け入れられていることが、改めて確認できました。

◆ つらい時に欲しい「栄養ドリンク」と気分を上げる「エナジードリンク」、両者のイメージの違いも明らかに!

次に、栄養ドリンクやエナジードリンクがどのようなシーンで飲まれているのかを調べてみました。栄養ドリンクとエナジードリンクの違いや、それぞれの代表的な商品を紹介した上で、「栄養ドリンクやエナジードリンクを飲みたいと思うシーン」を複数回答形式で聞きました。その結果、最も多かったのが、83%が回答した「疲れている時」。以下、「栄養成分を補給したい時」(78%)、「頑張らなければならない時」(78%)、「体調が悪い時」(70%)と続きます。
また、栄養ドリンクとエナジードリンクのそれぞれの飲みたいシーンを比較してみます。「栄養ドリンクを飲みたいと思うシーン」の上位3項目は、1位「疲れている時」(74%)、2位「栄養成分を補給したい時」(71%)、3位「体調が悪い時」(67%)。これに対して、「エナジードリンクを飲みたいと思うシーン」については、1位「リフレッシュしたい時」(52%)、2位「気分転換したい時」(51%)、3位「テンションをあげたい時」(47%)。両者の違いが顕著に現れた結果と言えるでしょう。身体がつらい時に求められる栄養ドリンクに対して、エナジードリンクは気持ちを奮い立たせるために求められていると言えるでしょう。
こうした飲みたいシーンの違いは、栄養ドリンクとエナジードリンクのイメージの違いによるところが大きいようです。複数回答形式でそれぞれのイメージをたずねたところ、栄養ドリンクのイメージとしては、「効く・効果がある」(74%)、「栄養がある」(71%)、「価格が高い」(67%)といった回答が多くあげられました。一方、エナジードリンクに対して多かったのは、「爽快感・清涼感がある」(53%)、「美味しい」(42%)、「目が覚める」(42%)といった回答です。
前段では、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いが分からないなど、理解の低さも垣間見られましたが、医薬部外品の栄養ドリンクと、清涼飲料水であるエナジードリンクに対して、消費者のイメージはそれぞれの特徴をよく反映しています。一般の消費者も、感覚的には、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いをしっかりと捉えているようです。


【調査概要】
調査名:栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査
調査対象:20代~50代の男女500名 (※性別・年代別に均等割り付け)
 ※ 20代男性:62名 30代男性:63名 40代男性:63名 50代男性:62名
 ※ 20代女性:63名 30代女性:62名 40代女性:62名 50代女性:63名
調査期間:2015年4月28日(火)~2015年5月7日(木)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

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