上場企業の時給ランキング 

2015年06月24日
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズは、「上場企業の時給ランキング」を発表。

今回の調査レポートでは、上場企業の有価証券報告書とVorkersに投稿されたデータから、企業による公開情報だけでは知ることが難しい、残業時間も含めた労働時間から上場企業各社の「時給」を集計しました。

「時給」は、有価証券報告書による平均年収を、各社の標準労働時間及びVorkersに投稿されている平均残業時間(月間)から算出した年間勤務時間で割った金額となります。今回の集計では、上場企業1,196社を対象とし、純粋持株会社は除いております。

※時給算出方法: 平均年収 / {(月間標準労働時間+月間平均残業時間)×12ヶ月}

【サマリー】

・トップ5には全て総合商社(三井物産、住友商事、伊藤忠商事、三菱商事、丸紅)がランクイン

・トップ10のうち7社が時給5,000円超え

・三菱地所、三井不動産の2大不動産会社がトップ10入り。月間平均残業時間20時間台

・トップ30に製薬会社5社(アステラス製薬、第一三共、生化学工業、エーザイ、中外製薬)がランクイン

・上場企業1,196社の平均時給は、約2,600円


■トップ5全てに総合商社がランクイン
5大総合商社が時給ランキングにおいてトップ5を独占し、5社ともに時給が5,000円台後半という結果となりました。今回の集計において、上場企業の平均時給が約2,600円となったことを考えると、その倍以上の金額であることがわかります。Vorkersの「年収・給与制度」における各社のクチコミからも、高収入かつ安定的な昇給制度であることが伺えます。

・「間違いなく、日系企業の中ではトップ水準。(三井物産、男性)」
・「入社11年目まではほぼエスカレーター式、業績連動のため賞与分が多い。(住友商事、男性)」
・「成果主義の比率は低く、ほぼ年功序列で給与が上がっていく。(伊藤忠商事、男性)」

残業に関しては、業務量も多く「基本的に24時間、仕事のことを考える風潮があり、その結果高い報酬という意識がある。プライベートを充実させたい社員には冷ややかな気がする。(三菱商事、女性)」といった声も見られる一方、「少し前までは夜中まで働くことも多かったが、朝型勤務制度が導入されてからは原則的に20時までに退社できる。(伊藤忠商事、男性)」「とにかくがむしゃらに長時間働くべきだという風潮は近年急速に改善されつつある。(丸紅、男性)」と、ワークライフバランスに対する企業側努力も高い時給に結びついているように思われます。

■三菱地所、三井不動産。2大不動産がトップ10入り
商社5社に続き、三菱地所(6位)、三井不動産(7位)の財閥系2大不動産会社がトップ10入り。こちらも5,000円台の高時給ですが、トップ10の中ではこの2社のみが平均残業時間が20時間台と少なめになっています。Vorkersに寄せられたワークライフバランスについてのクチコミを見ても、就業時間がしっかりと管理されている企業文化であることが伺えます。

・「社内規定が明確且つ遵守される風土にあるため非常に調整しやすい。(三菱地所、男性)」
・「ひとりひとりの仕事量はかなり多いが、遊ぶときは遊ぶという感じでプライベートの時間はきちんととっている。最近はノー残業デイもあり残業はなるべくしないようにというようになってきている。(三井不動産、女性)」

■高給与企業も残業時間を入れて時給換算すると・・・?
キーエンス(8位)、GCAサヴィアン(12位)、日本M&Aセンター(30位)はいずれも平均給与のみを見ればかなりの高給与企業ですが、各社の平均残業時間に着目すると、キーエンス87時間、GCAサヴィアン113.9時間、日本M&Aセンター138.6時間と、長時間労働であることがランキングを下げる要因となっていることがわかります。

クチコミを見てみても、「平日に自由な時間をとるのは難しい。(キーエンス、男性)」「24時間365日仕事のことを考えるぐらいでないと厳しい。(日本M&Aセンター、男性)」「案件に入ると毎晩遅くまで仕事するためプライベートはないものと考えたほうがいい。(GCAサヴィアン、男性)」というように、高給与ではありつつも、多くの残業を避けられない環境にあるようです。


【データの集計について】
■データの収集方法
「Vorkers」の在籍企業評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
在籍企業評価レポートの回答条件は下記の通りです。
・社員として1年以上在籍した企業の情報であること
・500文字以上の自由回答と、8つの評価項目に回答いただくこと
以下の2つのデータについても収集しています(任意回答)
・月間残業時間(実数)
・有休取得率(実数)

■対象データ
Vorkersへのレポート回答が5件以上ある上場企業1,196社を対象とし、有価証券報告書に記載されている平均給与データ(2013年度または2014年度)と、各社の月間標準労働時間(標準労働時間×20日として集計)及びVorkersに投稿されている「平均残業時間(月間)」から「時給」を算出しました。標準労働時間は各企業採用情報等より算出し、職種・勤務地により異なる場合は代表的な職種または本社の労働時間を採用しています。時給は小数点以下四捨五入、平均給与は千円単位で掲載しています。純粋持株会社はランキングから除いています。(レポート回答集計期間:2007年7月~2015年6月)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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