急な子どもの病気について、共働きの父親・母親を対象としたアンケート調査 

2015年06月30日
日本病児保育協会は、病児保育を利用する機会の多い、小学校就学前の子どもを持つ共働きの父親・母親を対象に、アンケート調査を実施。
今、共働きの父親・母親をとりまく職場環境の実態、突然子どもが病気になった時に家庭内ではどのように対応しているのか、病児保育に対する認知や利用状況・利用意向などを明らかにすることができました。

【調査結果のポイント】

・アンケートに回答した共働きの母親のうち約8割が「産前産後休暇」や「育児休業」を経験している。
「現在育児休業中である」と回答した父親は、わずか1.3%。

・看護休暇など、子育てと仕事の両立を支援するための制度を実際に勤務先で利用しているかどうか質問した。
父親・母親ともに「いずれの(子育てと仕事の両立を支援するための)制度も利用していない」の回答が最も多く、父親では69%、母親でも52%と半数を上回っている。
母親では「いずれの制度も利用していない」に次いで「短時間勤務」利用の28%が多い。
一方、男性の「短時間勤務」利用は9%にとどまっている。
「看護休暇」、「フレックスタイム」などの利用に比べ「短時間勤務」の利用は、性別差が大きい。

・子どもが病気にかかった時、家庭内での対応として最も多いのは、「母親が仕事を休む(63%)」。
「祖父母に預ける(25%)」「父親が仕事を休む(8%)」に比べ、母親の負担が大きくなっている。

・病気の子どもに対して父親の関与が相対的に高い場面は、「土曜日にかかりつけ医など医療機関の受診に子どもを連れていく」こと(24%)。
子どもが病気にかかるタイミングは平日・休日など全く関係ないにも関わらず、父親が病気になった子どもに関わるのは土曜日など休日が中心となっていることがうかがえる。「急な体調不良時に子どもを保育所や幼稚園に迎えにいく」、「平日にかかりつけ医など医療機関の受診に子どもを連れていく」といった、平日の急な予定変更に父親が対応しているケースは少ない(約1割)。

・心理的にみても、母親の負担感は大きい。
「仕事を休むと職場に迷惑をかけると感じる」と回答した父親は43%であるのに対して、母親は68%と、乖離がみられる。
母親の68%というスコアは、2002年に実施されたワーキングマザーに関する調査(調査実施:マクロミル)における「子どもの病気で遅刻や欠勤をすることがあり、周囲に迷惑をかけてしまう」(72%)とほとんど変わらない水準である。
10年以上経過した現在も、母親にとって『子どもの病気』は依然として子育てと仕事の両立する上で大きな悩みであることがわかる。

・さらに、既婚者のみ子どもが病気になった場合の父親と母親の負担感を合計100%になるよう数値で記入してもらったところ、半数を超える母親が自分の負担が90%以上である(父親の負担は10%以下)と回答した。
母親の負担が100%(父親の負担は0%)という回答も2割みられた。
同じデータを父親からみると、父親の負担は20%台(母親の負担が80%台)という回答が最も多く、父親の負担が0%(母親の負担が100%)という回答はわずか5%にすぎない。ここでも父親と母親の意識には大きな乖離がみられる。

・全体では病児保育サービスの認知は半数を上回った(55%)ものの、お子さんが病児保育サービスを利用した経験のある世帯は約1割(12%)にとどまっている。今後、病児保育サービスを利用したいと考えている利用意向は37%。
サービスの認知や今後の利用意向は、いずれも父親より母親のほうが高く、母親の病児保育サービス利用意向は48%と半数近くに達している。実際に子どもの病気に対峙することの多い母親に、いま病児保育が切実に求められている。


【調査概要】
・調査対象:小学校就学前の子どもを持つ共働き(※)の父親・母親(※1週間の所定労働時間が30時間以上であること)
・調査地域:全国
・回収件数:600件
※回収600件のうち、50件はひとり親の回答を含んでいる。
※一部の質問は既婚者(550件)を対象に、回答者自身、配偶者それぞれについて質問している。該当する質問については、回答者と配偶者のデータを合計した集計結果(男性580件、女性570件)を掲載している。また既婚者について、同一世帯内の複数回答は不可とした(1世帯につき、父親、母親どちらか一方の回答となっている)。
・調査時期:2015年5月22日~2015年6月8日
・実査委託先:楽天リサーチ

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本病児保育協会]
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