2015年度 新卒採用に関するアンケート調査(日本経済団体連合会企業会員対象) 

2016年02月16日
経団連は、2015年度 新卒採用に関するアンケート調査結果を発表。

【調査結果】

1.2016 年4月入社対象の採用選考活動について
(1) 企業の採用意欲が高い水準で推移
2016 年4月入社対象の採用選考活動を実施した企業の割合(実施予定も含む)は96.7%となっており、高水準が続いている。

(2) 9割以上が「売り手市場(学生側が有利)であった」と回答
就職採用市場に関する評価では、「前年と比べて売り手市場であった」との回答が91.1%を占め、2015 年入社と比べて 24.4 ポイントの大幅増となった。

(3) 約7割がインターンシップを実施し、受け入れ人数も増加傾向
67.7%の企業がインターンシップを「実施した」と回答し、そのうち前年と比べて受け入れ人数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答した企業は 52.8%と過半数を占めた。
実施時期については、67.9%の企業が前年と同じ時期に行っており、具体的には、学部3年・修士1年次の8~9月(69.2%)が最も多く、次いで1~2月(51.3%)に実施した企業が多かった。

(4) 8割以上が学内セミナーに参加し、回数も増加傾向
学内セミナーへの参加企業の割合は 81.9%となり、そのうち 64.8%が前年と比べて参加回数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答した。

(5) 6割以上が説明会の実施回数を増加
説明会の実施回数について、前年と比べて「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答した企業の割合は 63.0%となった。実施にあたっては、学事日程への配慮から「本社のある地域以外での開催」(71.5%)や「土日、祝日や平日の夕方に開催」(52.2%)などの対応がとられた。

(6) 説明会への参加学生数は「減った」が「増えた」を上回る
説明会への参加学生数については、前年と比べて「大幅に増えた」または「やや増えた」と回答した企業の割合が 32.2%であった一方、「大幅に減った」または「やや減った」は 37.3%となるなど、参加学生の確保に苦慮した企業が多くみられた。

(7) 5割以上が「内定辞退者数が増えた」と回答
内定(内々定含む)辞退者数をみると、前年と比べて「大幅に増えた」または「やや増えた」と回答した企業の割合が 55.2%と過半数に達した。追加募集についても、「既に行った/今後行う予定」と回答した企業が 47.4%と5割近くに上った。

(8) 8割以上が、留学経験者を他の学生と同じスケジュールで対応
留学経験者(短期留学を含む)の採用選考機会の設定について、選考活動の開始時期が8月以降に変わったことで、「他の学生と同じスケジュールで対応した」と回答した企業の割合は 84.3%と高くなった。

2.採用選考スケジュールの変更に伴う影響や評価について
(1) 95%以上が「学生への悪い影響があった」と回答
学生の学業と就職活動について、「悪い影響があった」または「どちらかと言うと悪い影響があった」と回答した企業の割合が 96.2%に上った。「就職活動の長期化の是正」や「学部生・院生の学習時間の確保」など設問項目のすべてについて、「悪い影響があった」とする回答が「良い影響があった」とする回答を大きく上回り、スケジュール変更の目的とは異なる結果になった。

(2) 約9割が「自社の採用選考活動に悪い影響があった」と回答
自社の採用選考活動についても同様に、「悪い影響があった」または「どちらかと言うと悪い影響があった」と回答した企業の割合は 87.9%に上った。「人事担当者の業務量」や「採用選考活動の長期化の是正」など設問項目すべてについても「悪い影響があった」とする回答が「良い影響があった」とする回答を大きく上回り、大半の企業にとって負担が増える結果となった。

(3) 約9割が「企業全体として、指針のスケジュールは遵守されていない」と回答
経団連非会員企業を含めた企業全体の遵守状況についての認識は、「あまり守られていない」または「ほとんど守られていない」と回答した企業の割合が 87.5%となった。「指針」のスケジュールにとらわれずに新卒採用活動を行う企業への受けとめとして、「指針のスケジュールが実態に合っていないので、守らないのはやむをえない」(63.2%)や「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平である」(42.4%)などの回答が多かった。

(4) 8割が「指針で規定したスケジュールを見直すべきである」と回答
「指針」で規定したスケジュールについて、80.0%の企業が「2017 年入社」または「2018 年入社以降」から「見直すべきである」と回答した。見直しが必要な項目として、「選考活動の開始時期」は98.7%、「広報活動の開始時期」についても78.2%の企業が検討を行うべきと回答した。

3.2015 年4月入社対象の採用選考活動について
(1) 選考時に重視する要素は 12 年連続で「コミュニケーション能力」が第1位
企業が選考にあたって重視した点を 25 項目から5つ回答する設問では、「コミュニケーション能力」が 12 年連続で第1位となった。「主体性」、「チャレンジ精神」、「協調性」、「誠実性」を含めた、上位5項目に順位の変動はなかった。

(2) 選考にあたって「学業成績を重視した」企業の割合が減少
学業成績について、「かなり重視した」または「やや重視した」と回答した企業の割合は 44.6%となり、2014 年入社の場合と比べて 7.1 ポイント減少した一方、「どちらとも言えない」が 7.8 ポイント増加(27.9%)となった。


【調査概要】
調査目的:企業の大卒等新卒者の採用選考活動を総括することを目的に、1997 年度より実施
調査対象:(一社)日本経済団体連合会企業会員のうち 1,331 社を対象
実施時期:2015 年9月 24 日~10 月 16 日
回答状況:790 社(回答率 59.4%)
*製造業 44.6%、非製造業 53.4%、不明 2.0%
*従業員数 1,000 人以上 72.4%、500 人以上~1,000 人未満 12.7% 500 人未満 13.5%、不明 1.4%

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本経済団体連合会]
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