第16回CEO承継調査(世界の上場企業における時価総額の上位2,500社対象) 

2016年04月20日
PwCネットワークのStrategy&は、世界の上場企業における時価総額の上位2,500社を対象に、CEOの承継についての第16回となる年次調査をまとめました。

調査対象のうち2015年にCEOが交代したのは16.6%で、過去16年間の調査で割合が最も高くなりました。また、過去数年間で計画的に新CEOの採用を行う大企業が増加しています。

今回および過去16年間の調査から次のような傾向が明らかとなりました。

・CEO交代率が調査以来、最高値に CEOの交代率が16.6%となり、調査開始以来の最高値

・通常交代時の外部招聘CEOの割合・パフォーマンスが向上 2012-2015年において、通常交代によって就任したCEOに占める外部出身者の割合は22%となり、2004-2007年の14%から増加しました。また、過去2年連続で外部招聘CEOの在任期間の中央値が5.8年(2014)、6.0年(2015)と、内部昇格CEO任期の中央値(それぞれ5.3年、5.0年)を上回るとともに、過去3年連続で外部招聘CEOが任期中に達成した株主利益の中央値も内部昇格CEOの値を上回る結果となりました

・引き続き、自社に精通したCEOが主流 CEOの83%が本社所在国と同じ国籍でした(2014年調査は85%)。また、72%が本社所在地域以外での業務経験がなく(同67%)、77%が社内からの内部昇格者でした(同77%)

・女性CEOの起用は低迷 近年の最高値であった2014年の5.2%と比較し、2015年の女性CEO比率は2.8% と2011年以降最低値となりました。また、女性CEOは男性CEOよりも社外からの登用である場合が多くなっています

・日本企業の特徴 日本ではいくつかの顕著な傾向が見られました。日本は2015年新任CEOの97%が内部昇格者で(世界平均は77%)、日本企業での日本人以外のCEO就任は3%に留まり(世界平均17%) 、これらの値はすべて世界で最も低い値です。日本国外での勤務経験のある新任CEOは18%(世界平均28%)。また新任CEOの平均年齢は60歳と最も高く、世界平均の53歳に比べて7歳高くなっています。2015年において新任女性CEOは0%で、世界平均の2.8%や他地域と比べると低い値。また、新任CEOのMBA保有率も3%と世界平均の30%に比べると低く、こちらも他地域よりも低い値となっています



調査方法
2015年1月1日時点の時価総額ベースで、世界の上場企業上位2,500社(ブルームバーグに基づく)を抽出。主に各企業からの情報(交代の理由を除く)を基に、2015年にCEOの交代があった企業を特定し、退任するCEOおよび新CEO、ならびに暫定CEOについて、その肩書、任期、性別、会長職、国籍、職務経験などに関する詳細情報を入手した。個々のCEO交代の理由については弊社が個別に検証を行った。2015年に買収あるいは合併した企業と総株主リターンに関するデータはブルームバーグから入手した。総株主リターンは、地域別に市場調整と年率換算を行い、配当があった場合には配当の再投資分を含む。先進国と新興国の区別は国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書2015」の2014年ランキングによる。

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