「インダストリー4.0」がドイツの製造業に与える影響を試算したレポート 

2015年04月10日
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、 BCG)は、「インダストリー4.0」がドイツの製造業に与える影響を試算したレポートを発表しました。

「インダストリー4.0」 ――第 4 次産業革命が製造業の未来を変える可能性 インダストリー4.0とは、ドイツにおいて産官学一体となって進められ、世界中で注目を集めているプロジェクトで す。IoT(インターネット・オブ・シングス、モノのインターネット化)をはじめとする、 デジタルテクノロジーのさらなる 活用により「第 4次産業革命」ともいうべき、産業の飛躍的な高度化をめざすもので、人が使う端末と、機器、部 品などがネットワークでつながり、相互かつ自動的に情報伝達しあうことで最適化をはかる「考える工場」の本格 導入などにより、最大で生産スピードが 30%、効率性が 25%高まる可能性があると BCGでは推計しています。

今回のレポートでは、インダストリー4.0が製造業に与える影響を、①コストの削減 、②市場の拡大、③雇用の拡 大、④投資の拡大という 4つの切り口で分析しました。

①コストの削減: インダストリー4.0 のコスト削減効果はドイツ全体で年間 900 億~1,500 億ユーロ(約 12 兆~ 20 兆円) 今後 5~10年で、インダストリー4.0は多くの企業に導入され、そのコスト削減効果は、ドイツ全体で年間 900億 ~1,500億ユーロ (約 12兆~20兆円)に上ると推計されます。生産コストから原材料費を除いた加工費の 15~ 25%、生産コスト全体の 5~8%が削減されると考えられます。この削減率は産業によって大きく異なり、産業財で は対加工費で 20~30%、自動車産業では対加工費で 10~20%のコスト削減が見込めます。

②市場拡大: インダストリー4.0 により、200 億ユーロ(約 2.6 兆円)から、最大 400 億ユーロ(約 5.2 兆円)の市 場拡大が予測される インダストリー4.0はまた、売上拡大の要因にもなり得ます。製造業の企業は、機器の更新や新たなアプリケーシ ョンが必要になること、さらに、商品のカスタマイゼーションが容易になり、バラエティに富んだ商品が生まれること が予想され、消費者の需要を押し上げる効果も期待できるためです。この効果は年間で、ドイツの GDPの 1%程 度、200億ユーロ(約 2.6兆円)から、最大で 400億ユーロ(約 5.2兆円)に上ると推計されます。

③④雇用・投資の拡大: インダストリー4.0 は、今後 10 年間で 39 万人の雇用、2,500 億ユーロ(約 32.5 兆円) の投資を生むと予想 ドイツでは、インダストリー4.0により、10年後には雇用が 39万人、2015年現在の雇用者数から約 6%拡大する と見ています。なかでも、メカニカル・エンジニアリングの分野では、同期間に 10%の雇用拡大が見込まれます。 必要とされるスキルは大きく変化し、オートメーション化により低コスト労働者の仕事は減少すると予想されます。
また、インダストリー4.0の導入に向けて、製造業企業の投資は今後 10年間で、2,500億ユーロ(約 32.5兆円)、 売上のおよそ 1~1.5%にあたる投資を行うと推計できます。

注) 調査・分析はすべてユーロを基準とし、日本円表記は 1ユーロ=130円で換算。

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[ボストン コンサルティング グループ]
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