関西本社製造業 投資意識アンケート調査 

2016年09月06日
日本政策投資銀行(DBJ)は、「関西本社製造業 投資意識アンケート調査」と題した調査レポートを発行しました。

 当レポートは、関西地域に本社を置く製造業に対し、企業行動に関する意識調査を実施し、国内外における設備投資動向や、研究開発費、M&A、人的投資等も含めた「広義の投資」の動向を取りまとめたものです(回答期限日:平成28年6月24日)。

 「広義の投資」の観点では、「人的投資」、「研究開発費」、「国内での有形固定資産投資」、「M&A」の順で優先度が高くなっているほか、ビッグデータやIoTの活用についても機運の高まりがうかがえる結果となっています。

<要旨>

1. 日本政策投資銀行関西支店が2016年8月4日に発表した「2015・2016年度 関西地域設備投資計画調査」において、関西地域における2016年度の設備投資計画は、製造業で前年度比+15.3%、非製造業で同+23.0%、全産業で同+20.1%となった。本レポートでは、関西に本社を置く製造業(以下「関西製造業」)の国内外における設備投資動向や、研究開発費、M&Aや人的投資等も含めた「広義の投資」の動向を見ていきたい。

2. 関西製造業の国内設備投資における投資動機の変化を見ると、2015年度実績は、「能力増強」の割合が大きく増加したことに加えて、複数の大型研究開発拠点の新設が寄与し、「研究開発」も割合を高めた。
2016年度計画では、引き続き「能力増強」が高い割合を維持するほか、 「研究開発」の割合は減少するが、「新製品・製品高度化」の割合が増加する見通しである。

3. 今年度調査における関西製造業の中期的な海外拠点への設備投資の見通しは、「増加」と回答した企業が60.9%と引き続き高い水準であるものの、前年度(75.6%)と比較すると減少した。国内拠点への設備投資の見通しも、「増加」と回答した企業は30.4%で、前年度(38.9%)と比較すると減少した。一方で、国内・海外拠点ともに「現状維持」とする回答が30.4%となり、前年度(20.0%)と比較すると増加している。
足元の国内設備投資計画は堅調であるが、中期的な見通しには、国内、海外ともに前年度に比べてやや様子見の動きも感じられる。

4. 「広義の投資」の観点では、「人的投資」、「研究開発費」の優先度が高い。人的投資においては人材確保への懸念が高まる中、企業の対応は「新卒や中途社員の採用強化」が中心となっている。研究開発に関して、企業は「開発成果の製品化、事業化の遅れ」や「研究開発テーマの選定、アイデア不足」に課題を感じている。

5. 関西製造業が、現在の中核事業以外の新たな事業展開として、中期的に取り組む具体的な事業分野としては、化学における「再生・細胞医療」「癌治療」をはじめ、多くの業種でライフサイエンス関連の回答が見られたほか、「リチウムイオン電池部材」や「ロボット」「水素事業」等といった回答が挙げられた。これらの新たな事業分野が次世代を担う産業に育つことに期待したい。


[調査概要]
調査時期:2016年6月24日を回答期限として実施(回答時期は主として6月)
調査対象:資本金10億円以上の民間法人企業のうち関西地域(※1)に本社を置く製造業
調査方法:郵送によるアンケート方式
回答状況:
[関西]99社(対象企業数304社、回答率32.6%)
[全国]519社(対象企業数1,421社、回答率36.5%)
(※1) 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の2府4県を対象とする

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本政策投資銀行]
 マイページ TOP