Best Global Brands 2016(グローバル・ブランドランキングTOP100) 

2016年10月05日
世界最大のブランディング会社インターブランドは,グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2016」を発表。

・Apple,Googleが第1位・2位を堅守

・Toyotaがアジアブランド初のTOP5入り

・Facebookがランクイン以降4年連続ブランド価値上昇率1位

・TeslaとDiorが初ランクイン


本ランキングは,グローバルな事業展開を行うブランドを対象に,そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので,2000年から今年で17回目の発表となります。AppleとGoogleが4年連続で第1位と2位を占め、Appleは昨年比5%増の1,781億ドル,Googleは昨年比11%増の1,332億ドルとなりました。3位Coca-Cola,4位Microsoftに続いて,Toyotaが5位にランクインし,アジアブランド初のTOP5入りとなりました。

The Anatomy of Growth
ビジネスとブランド双方の科学的な分析による成長戦略の示唆

インターブランドは,企業と顧客の双方の視点でその繋がりをさまざまな角度から精緻に評価・分 析・モニターし,その結果に基づいてビジネスとブランドの成長を,科学的に,多面的に,精緻に 捉えています。成長している企業のパターンは何か。インターブランドは,表層的な分析に留まら ず,現在各企業で行われているブランディングが,ビジネスの成長にどう結実しているのかを明確 化する研究を重ねています。このアプローチに基づいた正しいアクションを実行するブランドが, 企業と顧客の共創を通じて,さらに大きく成長しているのです。

今年のランキングでは,Hewlett Packard Enterprise, Dior, Teslaが初のランクインを果たしました。セグメント別では,テクノロジーと自動車関連部門で合計29ブランドを占め,リテール部門はブランド価値前年比19%増で最も成長の著しいセグメントとなりました。TOP100ブランドのブランド価値の合計は,前年比4.8%増の1兆7,963億ドルとなっています。

アジアのブランドでは,Toyotaが過去最高位である第5位にランクインしたのを筆頭に,日本から6ブランド(Toyota,Honda,Canon,Nissan,Sony,Panasonic),韓国から3ブランド(Samsung,Hyundai,Kia),中国から2ブランド(Huawei,Lenovo)がランクインしました。

Interbrand Best Global Brands 2016 (1位〜50位)

2016ランク/2015ランク/ブランド
1 1 Apple
2 2 Google
3 3 Coca-Cola
4 4 Microsoft
5 6 Toyota
6 5 IBM
7 7 Samsung
8 10 Amazon
9 12 Mercedes-Benz
10 8 GE
11 11 BMW
12 9 McDonald's
13 13 Disney
14 14 Intel
15 23 Facebook
16 15 Cisco
17 16 Oracle
18 17 Nike
19 20 LouisVuitton
20 21 H&M
21 19 Honda
22 26 SAP
23 24 Pepsi
24 22 Gillette
25 25 American Express
26 27 IKEA
27 30 Zara
28 28 Pampers
29 29 UPS
30 31 Budweiser
31 33 J.P.Morgan
32 32 eBay
33 38 Ford
34 41 Hermès
35 39 Hyundai
36 36 Nescafe
37 42 Accenture
38 44 Audi
39 34 Kellogg's
40 35 Volkswagen
41 47 Philips
42 40 Canon
43 49 Nissan
44 N/A Hewlett Packard Enterprise
45 43 L'Oréal
46 48 AXA
47 37 HSBC
48 N/A HP
49 45 Citi
50 56 Porsche

<日本ブランドに関する分析>

Toyota:5位(前年比+1位),536億ドル(同+9%)
長期的な視点からの事業戦略とデジタルを活用したブランド訴求が,市場・顧客からの「信頼確実度」上昇に貢献しており、カンパニー制導入等により施策意思決定の柔軟化・迅速化が実現されつつあると分析されます。「存在影響度」が高い点も特徴的であり,例えばトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーの確立・訴求,86やFJクルーザーなどドライブの愉しみを提供する製品開発,クルマ文化を発信する消費者とのデジタルコミュニケーション,AIの研究開発を行う新会社の設立,新興国の小型車需要へ応えるダイハツの完全子会社化等で,市場で際立ったブランドと認識されています。

Honda:21位(前年比-2位),221億ドル(同-4%)
製品展開においてNSXやS660,Type R等を軸に,HondaのDNAの再定義を図ることで「概念明瞭度」が向上しており,HondaJetの展開は更に「差別特有度」の維持にも寄与すると分析されます。八郷新社長が打ち出す「現場の活力を大切にする」というHondaの原点の強調も概念明瞭度向上に貢献しています。一方,品質問題への対応は,「変化対応度」と「信頼確実度」の低下要因と評価されています。加えて,将来収益の見通し悪化が全体のブランド価値低下に影響を与えました。

Canon:42位(前年比-2位),111億ドル(同-2%)
「信頼確実度」の高さが評価されており,産業機器事業が着実に成長し,オフィス,イメージングシステムに続く第三の柱として成長しつつあります。構造的には,主力のイメージングシステム事業を,信頼性が求められる産業機器事業が補完してく形となっており,ブランドが事業領域拡大を支援し,ネットワークカメラや商業印刷,ナノインプリント,医療といった成長領域へのシフト,ビジネスモデルの拡張が,新しい成長力を確保しつつあります。「概念明瞭度」と「差別特有度」は,競合比較において改善の余地が残ると分析されます。

Nissan:43位(前年比+6位),111億ドル(同+22%)
「変化対応度」の高さが特筆され,継続的なブランドへの取り組みが確実に成果に繋がっていると評価されます。自動運転をブランドの大きな柱として,戦略的事業提携,戦略商品の発売,顧客接点体験の改善と,ブランド価値を高める一貫性のある活動を展開が評価されています。クルマの電動化と知能化を推進する「日産インテリジェントモビリティ」,コネクテッドテッドカーに関するMicrosoftとの戦略的提携,フラッグシップモデル「NISSAN GT-R NISMO」,単一車線自動運転を実現する「プロパイロット」搭載のSERENAモデルの発売等,変化する市場への対応が行われています。

Sony:58位(前年比±0位),83億ドル(同+8%)
事業構造改革による選択と集中がブランドの復権に貢献。4K(8K)関連やVR,ハイレゾ等の,B2Cで訴求力の高い技術分野への集中が「信頼確実度」,「要求充足度」,「存在影響度」の改善に繋がり,ブランド価値が増加に転じています。先端技術を搭載した新製品「プレイステーションVR」の発売等,海外市場でのゲーム&ネットワークサービス部門が躍進しており,「体験一貫度」が継続して強い点が特徴です。

Panasonic:68位(前年比-3位),64億ドル(同-1%)
2012年以降におけるB2CからB2Bへの事業改革を進める一方で,PanasonicリフォームやPanasonicエイジフリー等,住空間や介護サービスの国内事業によるB2Cブランド訴求の推進がブランド強度全体の維持に寄与していると分析されます。2014年の "Wonders! By Panasonic"ローンチ以降,生活からビジネス・社会までを包括的に変化させていく企業の意志表明により,緩やかに消費者の印象が変化してきており,比較的高価格帯の製品訴求を増幅していると考えられます。一方、将来収益見通しの若干の悪化がブランド価値に影響を与えました。

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