2016年度アフリカ進出日系企業調査
2016年12月19日
ジェトロは、2016年9月29日から11月11日まで、南アフリカ共和国、エジプト、ケニア、ナイジェリア、モロッコなどアフリカ24カ国に進出している日系企業を対象にアンケート調査を実施しました。本調査は、同年8月27、28日にケニアで第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)が開催された直後に実施したもので、日系企業のアフリカ市場への高い期待を反映する結果となりました。
【調査結果のポイント】
【調査結果詳細】
今後の事業展開:経済成長鈍化にもかかわらず、将来を見越して5割超の企業が事業拡大を検討
・アフリカ経済の減速にもかかわらず、事業拡大に5割超の企業が意欲を示した。前年(55.6%)から若干減少したものの、依然過半(52.4%)を占める状況で、拡大意欲は持続している。事業拡大の理由では「売上増加」(69.7%)、次いで「市場の成長性・潜在力の高さ」(59.2%)となり、不況下でも将来を見越して投資を拡大させていることが分かった。国別ではガーナ(75.0%)、ケニア(68.6%)、モロッコ(65.0%)などで「拡大する」と回答した割合が高い(資料-4頁)。
・なお、IMF統計によるとサブサハラ・アフリカの経済成長率は2015年3.4%、2016年1.4%(見込み)、2017年2.9%(見通し)と資源ブームを背景とした一時期の高成長に比べて減速気味だが、そうした状況下においても日系企業は事業拡大に意欲を示している。
営業利益見込み: 不況下においても、黒字を見込む企業は56.4%と過半
・2016年の営業利益は回答企業の56.4%が黒字を見込む。前年の52.3%より4.1ポイント上昇した。黒字化率が高い業種では、輸送用機器部品の製造・販売のほか、通信、建設、運輸などがみられた。国別ではこれらの企業が多く所在する南アフリカ共和国で69.9%と平均を大きく上回る黒字化率となり、ガーナも70%と高い結果となった(資料-5頁)。
・2016年の営業利益見込みが「改善する」と回答した割合は34.5%で、前年から11.5ポイント増加した。2017年の見通しはさらに2.9ポイント増の37.4%の企業が「改善する」と回答した(資料-6頁)。
投資上のメリット: 市場規模と成長性が最大の魅力
進出国の投資環境面でのメリットとしては、「市場規模・成長性」が65.3%と高い評価。なかでも、人口規模の大きいナイジェリア(90.0%)、エジプト(86.1%)で評価が高かったほか、東部アフリカのビジネス拠点でもあるケニア(75.8%)で市場への高い期待がみられた(資料-8頁)。
投資上のリスク: 依然として厳しい投資環境、規制・法令の整備運用が最大の課題
投資環境面のリスクでは、「規制・法令の整備運用」が82.4%と高く、「財務・金融・為替面」(74.6%)、「不安定な政治・社会情勢」(73.9%)と続いた。具体的には行政手続きの煩雑さ、不安定な為替、治安の悪化を指摘する声が聞かれた(資料-9頁)。
FTA利用: 利用企業は15.4%と少ないものの、過去から着実に増加
FTA・関税同盟のうちいずれかを利用している企業は15.4%(292社中、45社)だった。2007年度調査の5.6%(107社中、6社)と比べて格段に増えた。アフリカ域内FTAのほか、欧州とアフリカ域内諸国とのFTAを利用する企業の割合が上位を占めた(資料-10頁)。
今後の注目国: ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国が前年に引き続き上位に
今後の注目国では前年に引き続き、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国がトップ3を占めた。注目点に関する企業コメントでは、インフラ分野での商機拡大(ケニア)、市場規模と成長性(ナイジェリア)、アフリカビジネス拠点機能の充実(南アフリカ共和国)などを評価する声が聞かれた(資料-11頁)。
【調査概要】
調査方法・実施時期:アンケート調査・2016年9月29日~11月11日
アンケート回答企業:アフリカ24カ国の現地進出日系企業299社(373社に回答を依頼し、299社より有効回答。有効回答率80.2%)
質問項目:(1)企業業績、(2)今後の事業展開の方向性、(3)投資環境のメリット・デメリット等
詳しいリサーチ内容はネタ元へ
【調査結果のポイント】
・アフリカ経済の減速にもかかわらず、5割超(52.4%)の企業が事業拡大に意欲。前年より若干減少したものの、企業の拡大意欲は持続している。
・2016年に営業黒字を見込む企業は前年より微増し56.4%と過半を占め、赤字見込は約3%減少して19.3%。アフリカ経済が減速するなかでも、好調なビジネスを維持している日系企業が増加傾向。
・2016年の営業利益見込みが前年より「改善する」と回答した割合は前年から11.5ポイント増加して34.5%。2017年の見通しは4割弱の企業が「改善する」と回答し、景況感は年々上昇する傾向。
・依然として厳しい投資環境は変わらず。行政手続きの煩雑さ、政情不安、為替の変動などがリスク。
・今後の注目国ではTICAD開催国であるケニア、人口大国のナイジェリア、アフリカ経済大国の南アフリカ共和国が前年に引き続き上位3カ国に。
【調査結果詳細】
今後の事業展開:経済成長鈍化にもかかわらず、将来を見越して5割超の企業が事業拡大を検討
・アフリカ経済の減速にもかかわらず、事業拡大に5割超の企業が意欲を示した。前年(55.6%)から若干減少したものの、依然過半(52.4%)を占める状況で、拡大意欲は持続している。事業拡大の理由では「売上増加」(69.7%)、次いで「市場の成長性・潜在力の高さ」(59.2%)となり、不況下でも将来を見越して投資を拡大させていることが分かった。国別ではガーナ(75.0%)、ケニア(68.6%)、モロッコ(65.0%)などで「拡大する」と回答した割合が高い(資料-4頁)。
・なお、IMF統計によるとサブサハラ・アフリカの経済成長率は2015年3.4%、2016年1.4%(見込み)、2017年2.9%(見通し)と資源ブームを背景とした一時期の高成長に比べて減速気味だが、そうした状況下においても日系企業は事業拡大に意欲を示している。
営業利益見込み: 不況下においても、黒字を見込む企業は56.4%と過半
・2016年の営業利益は回答企業の56.4%が黒字を見込む。前年の52.3%より4.1ポイント上昇した。黒字化率が高い業種では、輸送用機器部品の製造・販売のほか、通信、建設、運輸などがみられた。国別ではこれらの企業が多く所在する南アフリカ共和国で69.9%と平均を大きく上回る黒字化率となり、ガーナも70%と高い結果となった(資料-5頁)。
・2016年の営業利益見込みが「改善する」と回答した割合は34.5%で、前年から11.5ポイント増加した。2017年の見通しはさらに2.9ポイント増の37.4%の企業が「改善する」と回答した(資料-6頁)。
投資上のメリット: 市場規模と成長性が最大の魅力
進出国の投資環境面でのメリットとしては、「市場規模・成長性」が65.3%と高い評価。なかでも、人口規模の大きいナイジェリア(90.0%)、エジプト(86.1%)で評価が高かったほか、東部アフリカのビジネス拠点でもあるケニア(75.8%)で市場への高い期待がみられた(資料-8頁)。
投資上のリスク: 依然として厳しい投資環境、規制・法令の整備運用が最大の課題
投資環境面のリスクでは、「規制・法令の整備運用」が82.4%と高く、「財務・金融・為替面」(74.6%)、「不安定な政治・社会情勢」(73.9%)と続いた。具体的には行政手続きの煩雑さ、不安定な為替、治安の悪化を指摘する声が聞かれた(資料-9頁)。
FTA利用: 利用企業は15.4%と少ないものの、過去から着実に増加
FTA・関税同盟のうちいずれかを利用している企業は15.4%(292社中、45社)だった。2007年度調査の5.6%(107社中、6社)と比べて格段に増えた。アフリカ域内FTAのほか、欧州とアフリカ域内諸国とのFTAを利用する企業の割合が上位を占めた(資料-10頁)。
今後の注目国: ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国が前年に引き続き上位に
今後の注目国では前年に引き続き、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国がトップ3を占めた。注目点に関する企業コメントでは、インフラ分野での商機拡大(ケニア)、市場規模と成長性(ナイジェリア)、アフリカビジネス拠点機能の充実(南アフリカ共和国)などを評価する声が聞かれた(資料-11頁)。
【調査概要】
調査方法・実施時期:アンケート調査・2016年9月29日~11月11日
アンケート回答企業:アフリカ24カ国の現地進出日系企業299社(373社に回答を依頼し、299社より有効回答。有効回答率80.2%)
質問項目:(1)企業業績、(2)今後の事業展開の方向性、(3)投資環境のメリット・デメリット等
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[ジェトロ]