道路に関する世論調査(18歳以上の方対象) 

2016年09月20日
内閣府は、「道路に関する世論調査」を発表。調査対象は、全国18歳以上の日本国籍を有する者。

調査項目
1 渋滞
2 交通安全
3 防災
4 環境
5 空間機能
6 地域づくり
7 観光
8 ITS
9 老朽化対応
10 財源
11 高速道路の料金
12 施策ニーズ
 
【調査結果抜粋】

1 渋滞
(1)いつも通る道路での渋滞の有無
問1 あなたがいつも通る一般道路で,車が渋滞しているところがありますか。それともありませんか。

・ある 47.7%
・ない 48.0%

ア 渋滞解決のための道路施策
更問(問1で「ある」と答えた方(865 人)に)
 その交通渋滞を解決するためには,あなたはどうしたらよいと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・信号のサイクルを適切に調整する 40.5%
・交差点や踏切の立体交差化,車線数の増加,右折レーンの設置など道路構造を改良する 38.3%
・バイパス(市街地を避けて通る迂(う)回路)や環状道路を建設して市街地の交通量を少なくする 32.1%
・ガス,水道工事などの路上工事を集中したり,時期や時間帯を工夫するなどして交通規制を減らす 18.4%

2 交通安全
(1)道路の安全性向上のための道路施策
問2 あなたは,道路の安全性向上のためには,道路整備の面からどのような対策が必要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・歩道の設置や幅を拡げる,車両と歩行者を分離するためのガードレールの設置などを行う 46.1%
・自転車道など自転車の通行空間や駐輪場を整備する 32.5%
・交差点での右折車線の設置や幹線道路での中央帯の設置などを行う 21.4%
・バイパスや環状道路を建設し,市街地の自動車交通量を減らす 19.4%

(2)歩行者の立場から望む道路施策
問3 あなたは,高齢歩行者などに対する配慮として,歩行者の立場からどのような道路整備が必要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・歩道を設置したり幅を拡げたり,段差・傾きの解消などを行う 63.0%
・自転車と歩行者の通行空間を分離する 54.8%
・高齢者や車いす使用者などが快適に移動できるバリアフリー経路の案内をする 38.5%
・電線類の地中化を行い,電柱を撤去する 25.9%

3 防災
(1)大地震・大雨等発生時の道路の安全性に対する意識
問4 大地震や大雨などによる災害が発生した場合,お住まいの近くにある道路について不安を感じますか。この中から1つだけお答えください。

・不安がある(小計) 53.8%
 ・不安がある 26.1%
 ・やや不安がある 27.7%
・不安はない(小計) 45.5%
 ・あまり不安はない 24.7%
 ・不安はない 20.8%

(2)大地震・大雨等の災害に備えるための道路施策
問5 あなたは,大地震や大雨などによる災害に備えるためには,道路整備の面からどのような対策が必要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・安全に避難できる避難路の整備 44.0%
・救急活動や救援物資などの輸送を確実に行うために必要な幹線道路の整備・改修,複数ルートの確保 39.6%
・電柱の倒壊による道路の寸断を防ぐための電線類の地中化 39.2%
・大地震にも耐え得る道路の耐震補強 35.1%

(3)災害発生時の通行止めにより不便なこと
問6 あなたは,大地震や大雨などによる災害により,よく利用する道路が通行止めになった場合,どういうことに特に不便を感じると思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・救急車など緊急・救急車両の到着の遅れ 67.2%
・物資の輸送の遅れ 48.2%
・日常品の買い物の障害 46.5%
・緊急避難先への移動の障害 41.3%

4 環境
(1)自動車の通行により被っている迷惑の種類
問7 あなたは,お住まいの近くでの自動車の通行により,迷惑に感じていることはありますか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・路上駐車 33.6%
・住宅地などの生活道路への通過交通(抜け道として利用する自動車)の流入 27.1%
・交通事故の危険 25.2%
・ゴミなどのポイ捨て 19.7%
・特にない 26.9%

(2)大気汚染・騒音等を改善するための道路施策
問8 あなたは,自動車による大気汚染,二酸化炭素の排出や騒音,振動などの迷惑を改善するために,どのような対策が必要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。
(複数回答)

(上位4項目)
・ハイブリッド自動車など低公害車の普及を促進する 48.7%
・渋滞を減らして自動車の走行をスムーズにする 32.5%
・公共交通機関の利用を促進する 29.1%
・車の走行音を抑える舗装の設置を促進する 19.9%

5 空間機能
(1)道路空間の有効,快適な活用方策
問9 あなたは,道路空間とその沿道を有効かつ快適に活用していくためにどういったことが重要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・歩行者優先の道路空間を確保する 48.0%
・電線類の地中化,植樹帯の設置などにより景観をよくする 42.6%
・自転車が快適に走行できる空間をつくる 39.7%
・違法に設置された看板や放置自転車を撤去する 32.5%

6 地域づくり
(1)活力ある地域づくりのための道路施策
問10 あなたは,活力ある地域づくりのために,道路整備の面からどのような対策が必要だと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・大きな病院や商業施設などへ行きやすくする道路の整備 39.2%
・歩行者や自転車が気軽に散策を楽しめる道路の整備 38.9%
・周辺の市町村への通勤を容易にする幹線道路の整備 29.8%
・バス同士やバスと鉄道などとの乗り換えがしやすいターミナルや駅などの拠点の整備 26.0%
・特にない 10.0%

7 観光
(1)観光振興のための道路施策
問11 あなたは,観光振興のために,道路施策の面からどのような対策が必要だと思いますか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・駐車場の整備などによる渋滞や路上駐車の削減 41.4%
・観光地への分かりやすい案内標識の設置 41.3%
・高速道路料金の割引の充実 37.2%
・観光地へ行きやすくする道路の整備 34.8%

8 ITS
(1)利用したい新しい道路交通システム
問12 新しい道路交通システムの整備が進められていますが,あなたが利用したいと考えるものは何ですか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・運転中に,最新の渋滞・規制情報などの道路交通情報を基に広域迂(う)回など最適なルートを選択する機能 41.5%
・歩行中に,携帯電話などを通じて目的地への案内や,地震などの災害時に避難場所まで誘導する機能 38.7%
・運転中に,道路上の障害物や交通事故の危険箇所,路面状況などの情報を受け取ることができ,安全運転を支援する機能 36.4%
・運転中に,誤って高速道路を逆走してしまった際に,自動的な車両の停止などにより逆走を防止する機能 27.7%
・特にない 12.5%

9 老朽化対応
(1)道路構造物の維持修繕,更新の考え方
問13 高度経済成長期に集中的に整備されてきた橋などの高齢化が今後進んでいきますが,これらの橋などについて,どのように維持や修繕,更新を行うべきだと思いますか。
この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・補修するよりも積極的に更新(作り直し)を進める 18.7%
・傷みが大きくなってから補修し,必要に応じて更新(作り直し)を進める 7.8%
・傷みが小さいうちに予防的な補修を進め,できるだけ長持ちさせる 48.4%
・交通量などを考慮して,優先的に維持修繕を行う橋などの対象を絞って,集約や撤去を進める 20.8%
 ・特に補修はしない(利用できなくなる橋などがでてきてもやむを得ない) 1.2%

(2)車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応
問14 車両の大型化が進むことにより,物流の効率化やコストの削減が促進されます。
その一方で,橋や道路の劣化については,重い車両の走行が,主な要因の1つと言われているところです。この状況をふまえて,この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・重い車両が走行できる道路を限定して,橋や道路への影響を軽減する 35.9%
・重い車両が走行できるよう,費用をかけてより頑丈な橋・道路に作り替える 23.3%
・重い車両が走行できるよう,橋や道路の劣化が発見され次第,その都度費用をかけて補修していく 31.1%
・特に対策は取らない(橋や道路が劣化により,その他の車両も含めて走行できなくなっても仕方がない) 3.0%

10 財源
(1)道路整備等の費用を車利用者が負担することに対する意識
問15 今後の中長期的な道路整備や維持修繕,更新のための費用は,車を利用する人が負担するという考え方について,あなたはどのようにお考えになりますか。この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・適切である 13.5%
・やむを得ない 54.0%
・不適切である 26.8%

(2)車が一定地域に入る場合等に料金を支払う制度に対する意識
問16 欧州などにおいては,混雑緩和や道路の維持修繕,更新の財源確保のため,車が一定の地域に入る場合に料金を支払う制度などが導入された地域がありますが,このような考え方について,あなたはどのようにお考えになりますか。この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・適切である(小計) 49.8%
 ・適切である 13.6%
 ・どちらかといえば適切である 36.1%
・不適切である(小計) 40.8%
 ・どちらかといえば不適切である 26.7%
 ・不適切である 14.2%

11 高速道路の料金
(1)高速道路の維持修繕,更新のための費用のあり方
問17 あなたは,高速道路の維持修繕,更新のための費用のあり方について,どのようにお考えになりますか。この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・全額税金でまかなっていくべきだと思う 6.3%
・税金でまかなっていくべきだと思うが,ある程度は高速道路の通行料金でまかなうこともやむを得ないと思う 32.2%
・高速道路の通行料金でまかなっていくべきだと思うが,ある程度は税金でまかなうこともやむを得ないと思う 41.3%
・税金ではなく,高速道路の通行料金でまかなっていくべきだと思う 16.5%

(2)高速道路の料金と渋滞との関係に対する考え方
問18 高速道路では,利用者が多いことから渋滞が発生している区間があります。あなたは,渋滞と通行料金との関係について,どのようにお考えになりますか。この中であなたのお考えに最も近いものを1つだけお答えください。

・さらに渋滞が悪化するとしても,通行料金を現在よりできるだけ引き下げる方がよい 17.6%
・一部区間で渋滞が発生していても,現在の通行料金を維持すべき 49.1%
・通行料金を現在より引き上げてでも,渋滞を解消した方がよい 22.8%

12 施策ニーズ
(1)各道路施策の今後の必要性
問19 あなたは,どのような分野の道路整備に力を入れてほしいと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
・大地震や津波,大雨,大雪などによる災害に備えた対策 54.3%
・すれ違いが困難な狭い道路や急カーブの改良 43.2%
・歩道の設置や拡幅,段差解消など 32.1%
・渋滞を緩和するためのバイパス整備や交差点の立体交差化など 31.8%


【調査概要】
調査対象:全国18歳以上の日本国籍を有する者 3,000人
有効回収数:1,815人(回収率60.5%)
調査時期:平成28年7月21日~7月31日(調査員による個別面接聴取)
調査目的:道路に関する国民の意識を調査し,今後の施策の参考とする。
調査実績:「道路に関する世論調査」
(平成 24 年 10 月,平成 18 年7月,平成 13 年1月,平成7年 11 月,平成3年2月,昭和 61 年3月,昭和 55 年 11 月,昭和 52 年6月,昭和 39 年1月,昭和 33 年 12 月調査)
(平成 18 年度の調査から,調査対象者に調査主体が「内閣府」であることを提示した上で実施。)
※ 今年度から調査対象者の年齢を18歳以上に引き下げているため,20歳以上を対象としていた前回調査までとの単純な比較には注意を要する。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[内閣府]
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