ご家庭の防災対策や防災意識の変化調査 

2017年03月02日
住友生命保険相互会社は、昨年に引き続き、家庭の防災対策や防災意識の変化を探るためのアンケート調査を実施しましたので、その集計・分析結果をお知らせいたします。
昨年に続いて2回目となる今回のアンケートでは、一年間のご家庭の防災対策や防災意識の変化を調査いたしました。

<調査トピック>

・約8割が「地震」を最も警戒。
・何らかの防災対策を行っている人の割合は約75%(昨年比やや改善)。
・他方、この一年間で新たに実施した防災対策については約8割が「特になし」。対策のための費用支出も年間平均「2,501円」で昨年と比べて「706円」の大幅ダウン。約半数は防災意識に変化なし。
・防災対策についての自己評価結果は平均「34.2点」で低調かつ昨年とほぼ同水準。防災対策が加速していない現状が明らかに。

<質問1>あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか
◆トップは昨年と変わらず、79.8%が「地震」と回答。北海道は「大雪・雪崩」、中国・四国は「津波」、九州は「台風」を警戒。

<質問2>ご家庭の防災対策は、100点満点で採点すると何点ですか
◆全体平均は、「34.2点」で昨年(35.2点)よりやや低下するもほぼ同水準。地域別では、北海道、中国・四国、九州で上昇。

<質問3>以前から、ご家庭の防災対策で実施していることは何ですか
◆防災対策のトップ3は、昨年と変わらず「非常用飲料水の備蓄」「非常用食品の備蓄」「非常用持ち出し袋の準備」で、「特になし」がやや減少。
◆防災対策を実施していない理由のトップ3は、「何をしたらいいか分からない」「つい先延ばし」「特になし」。

<質問4>この一年間、ご家庭の防災対策で新たに実施したことは何ですか
◆75.9%が「特になし」(昨年の60.2%から増加)。熊本地震が発生した九州地方においても「76.7%」が新たな防災対策はしていない。
◆防災対策への自己評価が低い層ほど、「特になし」への回答割合が高い傾向に。

<質問5>今後、あなたのご家庭で実施しなくてはいけないと思う防災対策は何ですか
◆「非常用持ち出し袋の準備」「非常用食品の備蓄」「非常用飲料水の備蓄」が上位。「家族間での連絡方法の確認」「家具などの転倒・落下防止策」が続く。

<質問6>この一年間で、防災対策にいくら支出しましたか
◆防災対策の費用は、年間で平均「2,501円」、昨年より「706円」ダウン。一方で、約6割が「0円」と回答し、今年も防災対策にはお金をかけない傾向。

<質問7>この一年間で、あなたの防災意識が変化したものは何ですか
◆トップは「特になし」の52.4%、約半数は防災意識の変化なし。

【調査結果】

<質問1>あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか

◆トップは昨年と変わらず、79.8%が「地震」と回答。北海道は「大雪・雪崩」、中国・四国は「津波」、九州は「台風」を警戒。
全体では、昨年と同様に、1位の「地震」が79.8%と今回も圧倒的な割合を占めました。次いで「台風」(5.9%)、「津波」(5.0%)という結果になりました。
地域別では、東北、中部、近畿、九州地方で「地震」と回答した割合が昨年よりも増加しており、昨年4月に発生した熊本地震や、5年が経過してもなお、度々発生する東日本大震災の余震の影響が見られると考えます。また、北海道地方では、「大雪・雪崩」、中国・四国地方は「津波」、九州地方では「台風」の割合が他の地域に比べ高くなっており、それぞれの地域の特徴が表れた結果となりました。

<質問2>ご家庭の防災対策は、100点満点で採点すると何点ですか

◆全体平均は、「34.2点」で昨年(35.2点)よりやや低下するもほぼ同水準。地域別では、北海道、中国・四国、九州で上昇。
家庭の防災対策を100点満点で聞いてみたところ、全体平均は「34.2点」でした。
年代別では、60代の「41.9点」が最も高く、昨年同様、年代とともに低下傾向で20代、30代、40代は平均点以下という結果となりました。
また、地域別では、関東地方が「36.3点」と昨年に引き続きトップでした。続く中部地方は、東海地震の発生が懸念されている影響か防災対策に力を入れていると見られ「35.4点」と平均点を上回りました。

<質問3>以前から、ご家庭の防災対策で実施していることは何ですか(複数回答)

2017年/2016年 (%)
1 非常用飲料水の備蓄 41.3/38.4
2 非常用食品の備蓄 35.7/35.7
3 非常用持ち出し袋の準備 31.4/30.1
4 寝室に懐中電灯やスリッパ等を用意 28.5/25.9
5 家具などの転倒・落下防止策 26.4/26.0
6 特になし 25.3/29.4
7 避難場所・経路の確認 22.4/18.6
8 家族間での連絡方法の確認 18.5/15.2
9 家屋の耐震化 12.7/10.1
10 自治体や勤務先の防災情報メールに登録 11.2/―
11 防災訓練の実施・参加 7.5/6.0

◆防災対策のトップ3は、昨年と変わらず「非常用飲料水の備蓄」「非常用食品の備蓄」
「非常用持ち出し袋の準備」で、「特になし」がやや減少

全体では、家庭で実施している防災対策のトップ3は、昨年同様「非常用飲料水の備蓄」(41.3%)「非常用食品の備蓄」(35.7%)、「非常用持ち出し袋の準備」(31.4%)でした。個々の防災対策への回答は、ほぼ全ての項目で昨年を上回る結果となり、少しずつですが、防災の手立ての幅は広がっているようです。
他方、「特になし」は25.3%となりましたが、昨年に比べてやや改善しています。年代別では、30代で「特になし」の回答が大幅に改善しました。60代は昨年に引き続き、上位3項目で40%を越えており、防災対策を実践している方が多いことが伺えます。

<質問3で「特になし」と答えた方(該当数:253人)>
防災対策を実施していない理由は何ですか(複数回答)


1 何をしたらよいか分からない 34.0
2 つい先延ばしにしてしまう 33.6
3 特になし 30.8
4 面倒 18.6
5 お金がかかる 10.7
6 やっても無駄 6.3

◆防災対策を実施していない理由のトップ3は、「何をしたらいいか分からない」「つい先延ばし」「特になし」
全体で見ると、「何をしたらいいか分からない」が34.0%でトップでした。次いで、「つい先延ばしにしてしまう」(33.6%)となり、何かしなければと思っているけれど実施できていないという結果が伺えます。一方で「特になし」も30.8%でした。
年代別では、20代、40代は「特になし」、30代は「何をしたらよいか分からない」が、50代、60代は「つい先延ばしにしてしまう」がトップでした。また、60代では、「面倒」「やっても無駄」の回答の割合が他の世代と比べて高いのが特徴的です。

<質問4>この一年間、ご家庭の防災対策で新たに実施したことは何ですか(複数回答)

◆75.9%が「特になし」(昨年の60.2%から増加)。熊本地震が発生した九州地方においても「76.7%」が新たな防災対策はしていない。
◆防災対策への自己評価が低い層ほど、「特になし」への回答割合が高い傾向に。

この一年間に新たに実施した防災対策を聞いたところ、全体では75.9%が「特になし」と回答しており、昨年の60.2%と比べて大幅に増加しています。昨年4月に熊本地震が発生した九州地方においても、「特になし」が76.7%という結果となりました。
「特になし」の回答を<質問2>の防災対策の点数の内訳で見てみると、防災対策への自己評価が低い層ほど「特になし」への回答割合が高くなっています。「特になし」が大幅に増加したのは、“既に十分な対策を行っているからこの一年間に何もする必要がなかった人”が増えたことが要因ではなく、単純に対策の不十分さを表しているものと言えそうです。

<質問5>今後、あなたのご家庭で実施しなくてはいけないと思う防災対策は何ですか(複数回答)

1 非常用持ち出し袋の準備 40.8
2 非常用食品の備蓄 36.9
3 非常用飲料水の備蓄 33.5
4 家族間での連絡方法の確認 29.1
5 家具などの転倒・落下防止策 28.6
6 寝室に懐中電灯やスリッパ等を用意 24.1
7 避難場所・経路の確認 22.9
8 特になし 19.9
9 家屋の耐震化 13.2
10 自治体や勤務先の防災情報メールに登録 10.6
11 防災訓練の実施・参加 9.5

◆「非常用持ち出し袋の準備」「非常用食品の備蓄」「非常用飲料水の備蓄」が上位。「家族間での連絡方法の確認」「家具などの転倒・落下防止策」が続く。
「非常用持ち出し袋の準備」「非常用食品の備蓄」「非常用飲料水の備蓄」が上位となり、「家族間での連絡方法の確認」、「家具などの転倒・落下防止策」が続いています。また、「特になし」は19.9%という結果でした。

<質問6>この一年間で、防災対策にいくら支出しましたか

◆防災対策の費用は、年間で平均「2,501円」、昨年より「706円」ダウン。一方で、約6割が「0円」と回答し、今年も防災対策にはお金をかけない傾向。
「0円」から「10万円」まで幅広い回答が寄せられましたが、全体の平均金額は「2,501円」で、昨年より「706円」少ないという結果になりました。
一方で、57.7%が「0円」と回答しており、防災対策にお金をかけない派が半数以上を占め、特に若い世代ほど割合が高くなっているという傾向は昨年と変わりませんでした。
地域別では、中国・四国地方が「3,355円」と最も高く、最も低い九州地方の約2倍という結果となりました。

さらに、<質問2>の防災対策の点数と、<質問6>の年間の防災対策費用の関係を分析したところ、80点以上と回答した最も点数の高かった層では「7,259円」、20点未満と回答した層では、「622円」という結果となりました。防災対策の点数が高い層ほど、年間に支出する費用が高く、充実した対策を行っています。
防災対策にかける平均費用が減少する中でも、防災対策にかかる自己評価が高い層は相応の費用をかけているという結果であり、防災対策の度合いの格差が広がってきている可能性も考えられます。

<質問7>この一年間で、あなたの防災意識が変化したものは何ですか(複数回答)

◆トップは「特になし」の52.4%、約半数は防災意識の変化なし。
全体では、「特になし」が52.4%とトップでした。次いで「防災対策への関心度」(27.1%)、「節電や省エネへの取組み」(13.7%)という結果となりました。昨年は「東日本大震災以降、あなたの防災意識で変化したもの」という設問だったため、同列には比べられませんが、「特になし」が大きく増加しており(32.8%→52.4%)、この一年間で「防災対策への関心度」は大きく低下している可能性がうかがえます。
地域別でも、上位3位までの顔ぶれはほぼ同じ結果となりましたが、東北地方では「外出先等での避難経路の確認」(11.1%)で3位にランクインしています。また、九州地方で「ボランティア活動への参加」(11.0%)、「寄付・寄付付き商品の購入」(11.0%)と他の地域に比べ割合が高く、熊本の復興を支援したいという表れではないでしょうか。


<調査概要>
調査期間:平成28年12月9日~12月12日
調査方法:インターネット応募による選択方式および自由記入方式
調査対象:1,000人(全国の男女各500人)

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