データアナリティクスの信頼度についての グローバル意識調査(企業の戦略策定やマネジメントを担当する意思決定者対象) 

2017年04月05日
KPMGコンサルティングは、KPMGがグローバルに実施したデータアナリティクス(以下:D&A)に関する意識調査をまとめたレポート、『分析の信頼度を高めるために:データアナリティクスの信頼度についてのグローバル意識調査』(日本語版)を発表しました。

本調査の結果、D&Aは、企業のリーダーたちが様々な場面において意思決定を行う際に重要なものと考えられている一方で、多くの企業は自らが行ったD&Aにより導きだされた知見を信頼していない、という状況が明らかになりました。本レポートにおいてKPMGは、こうした信頼に対するギャップを埋め、企業内におけるD&Aへの信頼と、消費者からのD&Aへの信頼を高めるために必要な4つの要素を定義し、D&Aのライフサイクル全体における信頼性を高めるための7つのアプローチを紹介しています。

【調査結果】

■意思決定のためにD&Aが必要だと回答した企業は70%にのぼる
「戦略と変革の推進」、「新しい製品とサービスの開発」、「業務の効率化とコスト低減」、「財務報告による業績のモニタリング」、「法令遵守」、「不正行為の発見」に関する意思決定を行う際にD&Aが必要だ、と回答した企業はそれぞれ70%前後に上り、経営のあらゆる場面においてD&Aが不可欠なものとなりつつあることが伺えます。

企業が意思決定を行う際、従来のBI(ビジネスインテリジェンス)からリアルタイム分析、機械学習まで様々な種類の分析技法を採用しています。今回の調査では、50%が「何らかの予測分析を採用している」と回答しており、また、49%が、「従来の静的なチャートや図表に加え、高度な視覚化手段を活用している」ことが明らかになりました。

■企業にとって、D&Aから導きだされる知見の信頼度は高くない
D&Aがビジネスにおいて重要な役割を果たすためには、元となるデータとともに、分析技法、D&Aにより導きだされる知見が信頼できるものでなければなりません。しかしながら、「D&Aにより導きだされた知見を大いに信頼している」という回答の割合は、「リスクとセキュリティに関する分析データ」では43%、「顧客に関する分析データ」においては38%、「ビジネスオペレーション(事業運営)に関するもの」については34%に留まりました。

また、今回の調査では、D&Aライフサイクルの中で信頼度が変化することが明らかになりました。D&Aライフサイクルにおける初期のステップである「データ元の選定(ソーシング)」に対する信頼度が38%であるのに対し、「分析利用の有効性の測定」ではその信頼度はわずか10%に留まりました。

■D&Aの信頼を高める4つの要素
D&Aが現代社会を形成する一部となりつつある中、企業は、複雑な分析を行うことにより、より迅速で、より適切な意思決定を行えるようになり、あらゆる事業分野におけるスピーディーな投資を可能にします。多くの企業が、複雑なデータ分析を可能にする様々なD&Aツールや技法に投資を行う中で、その信頼度を高めることは重要課題の一つと言えます。

そこで、KPMGでは、企業内におけるD&Aへの信頼と、消費者からのD&Aへの信頼を高めるために必要な4つの要素を定義しました。

1. 品質:D&Aの基本的な構成要素は十分に良いものか。組織は、ツール、データ、分析の開発・管理面における品質の役割を十分に理解しているか。

2. 有効性:D&Aは意図したとおりに機能しているか。組織は結果の正確性と有用性を判断できるか。

3. 誠実性:D&Aは容認できる方法で使われているか。組織は法令や倫理原則に沿って行動しているか。

4. 強靭性:長期的にオペレーションが最適化されているか。組織はD&Aのライフサイクル全体にわたり優れたガバナンスとセキュリティを確保できるか。

さらに、本レポートでは、企業や組織が、データ元の選定(ソーシング)からデータの準備、分析結果から導きだされた知見の価値の測定まで、D&Aのライフサイクル全体における信頼性を高めるための7つのアプローチも紹介しています。


【調査概要】
KPMGは2016年に、企業の戦略策定やマネジメントを担当する意思決定者を対象にD&A(データアナリティクス)に関する意識調査を行い、2,165人より回答を得ました。調査地域は、米国、インド、英国、中国、フランス、ドイツ、ブラジル、南アフリカ、カナダ、オーストラリア、対象企業の業種は、金融、医療・ライフサイエンス、保険、小売、電気通信など多岐にわたります。調査はForrester Consulting社の協力を得て実施しました。

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[KPMGコンサルティング]
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