日本の最新雇用動向と職種・業種別の給与水準をまとめた「給与調査2017」 

2017年01月30日
ロバート・ウォルターズ・ジャパンは2017年1月30日、日本の最新雇用動向と職種・業種別の給与水準をまとめた「給与調査2017」を発行しました。同レポートでは、2016年の各国の産業・職種別給与水準に加え、2017年の雇用動向見通しなどを記載しています。

「給与調査2017」の主なポイント

2016年の動向
景気改善の兆しや少子高齢化、国内企業のグローバル進出などを背景に、2016年有効求人倍率(厚生労働省調べ)は25年ぶりバブル末期並みの高水準となり、人材不足感が強まっています。さらに弊社の調査では、求人の際に企業が求める知識・技術と、求職者(応募者)が持ち合わせる知識・技術が異なる傾向が顕著に見られました。
こうした雇用情勢を背景に給与水準も軒並み続伸。特に日本語・英語の両言語に堪能で専門的な分野での知識・技術を有する人材(バイリンガル・スペシャリスト)の給与水準には著しい延びが見られました。昨年の調査では最大20%の給与アップが見込まれていたセキュリティ/リスク関連のITスペシャリストは最大25%へと給与増加幅がさらに広がっています。
この調査では従来以上に人材需要の細分化・多様化も進んでいることも明らかになっています。再生可能エネルギー分野、自動車分野、高性能電子素材を扱う化学分野などを中心に、製造業ではビジネスニーズの多様化にともなって、エンジニアリングの知識・技術をもとに営業を担えるセールスエンジニアや自動車とロボットの知見を併せ持つ人材など複数のスキルを持つ人材を求める企業が多く見られました。別の例では、サプライチェーン、調達プロフェッショナル、コールセンターなどでも、人材への採用要件が複雑化しています。

2017年の見通し
バイリンガル・スペシャリストなど充実したスキルセットを持つ希少人材をめぐる企業間の人材獲得競争がより顕著になり、給与水準も多くの産業・職種で増加が続くことが予想されます。

産業別の概況  

IT
データサイエンティスト、製薬/製造/フィンテック/クラウド分野の営業、マーケティング担当およびエンジニアに対する需要が堅調
給与水準は、セキュリティ/リスク関連ITプロフェッショナルを中心に上昇(最大25%増)

商工業
再生可能エネルギー分野、自動車分野のエンジニア、高性能な電子材料を取り扱う化学分野の人材需要が堅調
サプライチェーン、調達プロフェッショナルに対する採用要件が複雑化
給与水準は、営業スペシャリスト/エンジニアを中心に上昇(最大20%増)

ヘルスケア(医療機器、製薬)
中枢神経系、癌、免疫、稀少疾患、メディカルアフェアーズ領域のプロフェッショナルに対する需要が堅調
関西では医療品開発・販売業務受託機関の技術系人材、医療情報担当者(MR)、営業担当に引き合い
医師などの専門家、 製品開発(R&D)、薬事(RA)、品質保証(QA)のスペシャリストの給与水準が上昇
(最大20%増)

小売&消費財/サービス
以下のスペシャリストの採用需要が堅調
バイリンガルの営業、マーケティング人材
デジタルマーケティングスペシャリスト(企業内、広告代理店)
オンライン事業(Eコマース)向けITエンジニア
エンターテインメント、旅行、ホスピタリティ分野のプロフェッショナル (東京オリンピック)
ジェネラルマネージャー、プロダクトマネージャー、セールスーマネジャーの給与水準が上昇(最大20%増)

会計&財務
FP&Aスペシャリスト、会計スキル(公認会計士)の需要が堅調
FP&Aスペシャリストの給与水準が上昇(最大15%増)

法務&コンプライアンス
製薬/テクノロジー分野のコーポレートロイヤー、金融企業のコンプライアンス担当者(アドバイザリー、コントロールルーム、サーベイランス)の採用需要が堅調
製薬/テクノロジー分野のコーポレートロイヤー、バイサイド金融企業の法務・コンプライアンス担当者の給与水準が上昇(最大20%増)

人事
バイリンガルの採用担当者 (プロフェッショナルサービス/専門職、IT、ヘルスケア分野)の需要が堅調
人事ビジネスパートナー、人事ジェネラリスト、福利厚生スペシャリストの給与水準が上昇(最大15%増)

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[ロバート・ウォルターズ・ジャパン]
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