飼料用米に対する消費者調査(20歳代~70歳代の男女対象) 

2017年09月14日
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)農林水産事業が7月に実施した平成 29 年度上半期消費者動向調査で、飼料用米に対する認知度や飼料用米で育てた畜産物の購入経験、今後の購入意欲などについて調査しました。その結果、家畜の飼料に国産米を与える取組みの認知度は3割弱で、今後の認知度アップに課題を残したものの、図7のとおり、「価格次第では購入したい」など、購入意向を示した人が過去3回の調査と同様、9割近くとなりました。

また、飼料用米で育てた畜産物やその加工品を購入した理由を聞いたところ(図 5)、「国産で安心ができる」が約6割で最多、次いで「味が良さそう」が5割弱となり、飼料用米で育てた畜産物の品質に対するイメージが向上しているという結果となりました。

<調査結果のポイント> 

○「家畜の飼料に国産の米を与える取組」を「知っている」は3割弱、「飼料自給率向上」に期待が大幅上昇(資料:図1、2)

「家畜に飼料用米を与える取組」について知っているか聞いたところ、「知っている」が 27.7%でした。前回調査(平成 27 年 7 月)より 3.2 ポイント低下し、これまでの3回の調査で最も低くなっています。

また、飼料用米を与える取組によって、どのような効果が期待できると感じるかを聞いたところ、「農地の維持(22.8%)」、「安全に感じる(18.0%)」、「農村景観の維持(2.0%)」などが低下した一方で、「食料自給率の向上(18.3%)」が 8.7ポイント、「農家の所得向上(16.8%)」が 5.2 ポイント上昇しました。なお、「効果がない(2.8%)」は 9.9 ポイント低下しました。

○「国産で安心できる」に次いで「味が良さそう」(資料:図3、4、5)

飼料用米で育てた畜産物やその加工品の購入(外食を含む)経験を聞いたところ、「購入したことがある」は 12.4%となり前回調査よりもわずかに上昇しました。また、購入したことのある畜産物の種類を聞いたところ、「豚肉やその加工品」が最多回答で 57.1%、次いで「牛肉やその加工品(46.6%)」、「鶏肉やその加工品(28.3%)」、「鶏卵やその加工品(27.5%)」、「牛乳や乳製品(18.6%)」の順となりました。

飼料用米で育てた畜産物やその加工品を購入した理由を聞いたところ、「国産で安心ができる(59.5%)」、「味が良さそう(47.8%)」などが上昇。一方で、「取組を支援したい(17.0%)」が 8.3 ポイント低下し、これまでの 3 回の調査で最も低くなりました。これは新たな取組を支援するというよりも飼料用米で育てた畜産物そのものを評価して購入しているという見方ができそうです。

○飼料用米で育てた畜産物やその加工品の印象、価格「高い」が低下(資料:図6)

飼料用米で育てた畜産物やその加工品を購入(外食を含む)した印象を聞いたところ、価格が「高い」は 44.9%となり、前回調査よりも 3.1 ポイント低下しました。 また、味について聞いたところ「おいしかった」は全体では 53.4%と前回調査と同じ割合となりましたが、男女別に見ると、男性で 5.0 ポイント上昇した一方で、女性では7.2 ポイント低下しました。

○「購入したい」が9割弱、価格以外の要素を重視(資料:図7、8)

飼料用米で育てた畜産物やその加工品の今後の購入意向を聞いたところ、「積極的に購入したい(7.3%)」、「おいしければ購入したい(17.4%)」などが上昇した一方で、「価格次第では購入したい(37.2%)」などが低下しました。その結果、全体では「購入したい」は 85.9%となり、これまでの 3 回の調査で最も低くなったものの、依然として 9 割に近い人が購入する意向がある、という調査結果になりました。

また、従来品と比べ、どのくらいの価格レベルまでなら飼料用米で育てた畜産物やその加工品を選ぶか、いわゆる価格許容度を聞いたところ、「3割高超でも購入したい(2.6%)」、「3割高でも購入したい(4.2%)」、「2割高でも購入したい(15.1%)」が上昇した結果、「割高でも購入したい」は 51.5%と、これまでの3回の調査で最も高くなりました。図7の「価格次第では購入したい」が低下していることと合わせると、価格以外の要素によって購入を判断する人が増えていることがうかがえます。


【調査概要】
調査時期 平成 29 年 7 月
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査対象 全国の 20 歳代~70 歳代の男女 2,000 人(男女各 1,000 人)

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[日本政策金融公庫]
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