KPMGコンサルティングは、KPMGがハーヴィー・ナッシュ社と合同で、世界86ヵ国、4,498名のCIO(最高情報責任者)およびテクノロジーリーダーを対象に実施した世界最大規模の意識調査「Harvey Nash/KPMG 2017年度CIO調査」(以下、CIO調査)の日本語版を刊行しました。

今年の調査からは、不確実性の高まりとともにテクノロジーの急速な進化により、企業のITリーダーたちが、これまでに経験したことのない変化に直面していることがうかがえる一方で、CIOをはじめとする多くのITリーダーたちが、この不確実性と変化をチャンスに変えようとしています。予測のつかない変化の中で、ITリーダーたちが直面している課題やチャンスをどのように捉え、自社組織が躍進するための原動力になっているのか、KPMGとハーヴィー・ナッシュ社独自の視点から分析を行っています。

【調査結果】

変化への対応と組織変革が進む

今年のCIO調査では、約3分の2(64%)のITリーダーたちが、政治やビジネス、経済環境の先行きが不透明感を増す中で、「自社のテクノロジー戦略や計画の変更を余儀なくされている」と回答し、そのうちの半数以上(52%)が、予期せぬ事態に備えたテクノロジーの見直しにおいて「機動性に優れたテクノロジープラットフォームの構築」を挙げ、変化するビジネス環境への対応と自社組織の変革を進めていることがうかがえます。

デジタル化の取組みは全社レベルに進化

先の読めない時代において、全社的なデジタル戦略を整備している組織の割合が過去2年間で52%増加しました。こうした中、デジタル戦略の範囲として「事業ごとに戦略がある」との回答が22%に対し、「全社的な戦略がある」と回答したITリーダーは41%にのぼり、デジタル化の取組みが全社レベルのものへ進化していることがうかがえます。

CIOの戦略的影響力は増大

また、回答者の10人中4人が、組織のデジタル戦略への取組みにおいて主導的な役割を果たしていると回答し、組織内におけるCIOの戦略的影響力が増していることがうかがえます。さらに、71%の回答者が、「組織内の役割がますます戦略的になっている」と回答し、過去1年間に経営会議や運営会議など、経営にかかわる会議に出席したと答えたITリーダーは85%にのぼりました。

CIOに求められるイノベーションリーダーシップ

一方、CIOが組織内の戦略的イノベーターとしての役割を担うケースが急速に増えています。現時点でCIOが社内のイノベーションを主導しているとの回答は26%にとどまりましたが、60%の回答者が、この分野でCIOがもっとリーダーシップを発揮すべきだと考えていることが明らかになりました。さらに、イノベーションを成功させるための課題に対しては、「変革に対する抵抗」が43%ともっとも多く、「予算の確保」(25%)のおよそ2倍にのぼり、デジタルイノベーションの成功を阻む要因が資金ではなく、組織のカルチャーにあることが明らかになりました。

エンタープライズアーキテクチャの需要が急上昇

IT業界におけるスキル人材の不足が続く中、最も求められているスキルとして回答者の42%が「ビッグデータ/分析」を挙げる一方で、今年の調査では「エンタープライズアーキテクチャ」とした回答者が急速に増えました。新たなデジタルイノベーションに伴いシステム環境が複雑化する中、多くの組織がアーキテクチャの再編成を進めていることがうかがえます。


「Harvey Nash/KPMG2017年度CIO調査2017」について
本調査は、世界最大規模の回答者数を誇るITリーダーを対象とした調査です。世界86ヵ国、総勢4,498名のCIOおよびテクノロジーリーダーを対象に、2016年12月19日から2017年4月3日にかけて実施しました。

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