グローバルリスク管理調査(世界の銀行、証券、保険会社における企業のリスク管理部門の経営層対象) 

2017年09月29日
アクセンチュアの最新調査によると、大手金融機関のリスク管理機能に、クラウド、バイオメトリクス、ビッグデータ分析といったスマートテクノロジーの活用が進む一方、金融機関の経営層の66%(日本では61%)は、これらテクノロジーの進展に伴い、スキル獲得が必要と考えていることが明らかになりました。

本調査は、世界の銀行、証券、保険会社における企業のリスク管理部門の経営層475名(日本では71名)を対象とした調査結果に基づいて作成されています。また、調査対象者の73%(日本では65%)は、データの速度・種別・流通量の増大がリスク管理機能の妨げになっていると回答しました。本調査によると、金融機関では情報量の増大と、それに伴う情報活用の機会を生かすためのスキル獲得が課題であると述べています。

本調査によると、リスク管理部門の経営層の69%(日本では68%)は、新しいテクノロジーに関するスキル不足がリスク管理機能の有効性を妨げていると回答しています。また、期待される機能の実行に必要な社内人材について、リスク管理部門が有しているとの回答はわずか10%にとどまりました。

リスク管理に関するスキル不足は、2008年の金融危機以降、金融機関の課題となっています。アクセンチュアがこの「Risk Management Study(リスク管理調査)」を初めて実施した2009年には、リスク管理部門の経営層の32%が人材を大きな課題として挙げていました。その2年後の調査では、経営層の53%は人員の拡大を計画していると回答しています。なお、自社において、リスク管理に求められるデジタルテクノロジーのスキルを有していると感じている経営層の割合は、2015年では、41%でした。

新たなリスクに一歩先んじ続ける

2017年の調査によると、リスク管理機能へのスマートテクノロジー導入は、いまだ初期の段階にあります。リスク管理機能へのこれらのテクノロジー導入が「非常にうまく進んでいる」との回答は半数以下でした。

人材不足に対しては、外部の労働力を活用したチームの拡大や強化が一般的な手法となりつつあります。回答者の約半数は、テクノロジー導入、リスクレポート、リスク計測などの分野でのアウトソーシング活用は拡大するだろうと考えています。

この調査レポートでは、リスク管理を次の3つの側面から捉えています。

統合:リスク管理機能と他のビジネス機能との統合の進展

テクノロジー:ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、人工知能(AI)、ビッグデータ、アナリティクス、機械学習などのスマートテクノロジー活用によるリスク管理業務の改善

人材:実務経験と新たなツールやテクノロジー活用に必要なスキルを組み合わせた、より幅広いリスク管理能力の獲得

本調査ではまた、組織全体とリスク管理機能の統合はまだ限定的であることも示唆されています。リスク管理業務が、さまざまなタイプのリスクと連動しているとの回答は24%にとどまっているほか、リスク管理業務が自社の各事業と連携しているとの回答も19%でした。一方で、リスク管理とファイナンスが強く一体化されているとの回答はわずか23%でした。


Accenture 2017 Global Risk Studyについて
「Accenture 2017 Global Risk Management Study(アクセンチュア 2017 グローバルリスク管理調査)」は、2009年に初めて実施して以来、今回で5回目になります。本調査は2017年1月から2月にかけて、Longitude Research社がアクセンチュアに代わり、世界の銀行、証券、保険会社における企業のリスク管理部門の経営層475名対象に電話インタビュー(CATI)を実施しました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アクセンチュア]
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