<外食・中食 調査レポート>2017年第3四半期の動向 

2017年11月13日
外食・中食市場情報サービス『CREST(R)*1』を提供するエヌピーディー・ジャパンは、外食・中食市場2017年第3四半期(7-9月)の動向分析レポートを2017年11月13日に公表します。

本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。外食・中食市場の2017年第3四半期の市場規模は5兆2357億円で前年同期比+2%成長しました。客単価が+3%上昇したことで市場規模が成長しましたが、客数は5四半期ぶりにマイナス成長となりました。業態別では、スーパーの客数が大きく減少しました。また、食機会別の伸び率を見ると、朝食と昼食は横ばいで、他のすべての食機会がマイナスとなりました。

・外食・中食市場の市場規模は5兆2357億円で2%増
外食・中食市場全体の2017年第3四半期の成長率(図表1)をみると、売上(市場規模)は、5兆2357億円で対前年同期比2%増、4期連続のプラス成長となりました。この市場規模の成長は、客単価上昇(+3%)によるものです。客数(食機会数*2)は1%減で、2016年第2四半期以来5四半期ぶりのマイナスとなりました。

・スーパーの客数が大幅減
業態別の食機会数の成長率(図表2)をみてみると、全体の26%を占めるシェア1位のスーパーマーケットが前年同期比でマイナス1.3億食機会(5.1%減)と大きく減少しました。スーパーのマイナス成長は3期連続です。今期は外食・中食市場の食機会数減少の95%を占め、市場全体の客数(=食機会数)2%減少の要因はほぼスーパーの減少によるものだったことが分かります。

・朝食と昼食は横ばいで、他はマイナス
食機会別の成長率(図表3)をみると、プラス成長した食機会はなく、朝食と昼食は横ばい、夕食と午前間食、午後間食、夜間食はそれぞれマイナス成長となりました。

外食・中食市場においては、2015年末からの消費者の節約志向から、デフレ傾向になるのではないかという懸念がされてきました。本CRESTにおいても、2015年第4四半期から客単価の伸びは5四半期連続で横ばいが続いてきました。2016年第4四半期に市場が再成長し始めてから、客単価も連続して上昇しています。客単価上昇の要因は、購入点数の増加ではなく、アイテム単価の上昇です。2017年10月からは、低単価業態の代表ブランドである鳥貴族が値上げをしたり、ビールの価格上昇があったりと、外食業態で値上げの波が来つつあります。他社への追随も合わせ、今後短期間に値上げする企業が増加していくことが予想されます。
人件費の上昇など経費増加で、外食企業の利益が圧迫されている現状で、このような市場全体で客単価が上昇している機運に値上げや客単価上昇を狙っていくことが売上・利益確保のチャンスとなるでしょう。


*1. CREST(R)
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。

*2. 食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数

「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[エヌピーディー・ジャパン]
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