「社内コミュニケーションと働き方」に関する調査(20代~50代会社員男女対象) 

2017年12月19日
カオナビが運営する、HRテクノロジーや組織・人事領域の先端研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」は、20代~50代の会社員、男女600名を対象に「社内コミュニケーションと働き方」に関する調査を行いました。

労働力人口の減少が深刻となり、長時間労働の是正や多様な働き方の実現を目指した政府主導の「働き方改革」が進められている中で、企業としても時代に即した人材管理の対応を迫られています。今後は、社員一人ひとりの個を把握し引き出すことで、いかに生産性を上げていくかを人事だけでなく経営者も考えることが求められています。

そんな中、先日、厚生労働省が発表した調査(※1)によると、新卒就職者の3年以内での離職率が2年ぶりに増加し、依然32.2%と高いことから、働き方改革が進むも人材管理が上手く進んでいないことがうかがえます。

そこで、個を把握する上で最も基本的な“顔と名前の認識”に着目し、一般社員600人に、「あなたは職場内でどのくらい認識されていると思いますか?」と質問したところ、社内の人から顔と名前が「よく覚えられている」「まあ覚えられている」 (※2)と感じる人は47.3%、 「あまり覚えられていない」 (※2)と感じる人は52.7 %という結果となり、半数以上の人が社内の人から顔と名前が「あまり覚えられていない」と感じていることが分かりました。

(※1)「新規学卒者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)」 2017年9月15日 厚生労働省
(※2)認識されている度合
70~100%:顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人
40~60%:顔と名前が「まあ覚えられている」と感じる人
10~30%:顔と名前が「あまり覚えられていない」と感じる人

【調査サマリー】

顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人は・・・

■「あまり覚えられていない」と感じる人より、離職意向が高い人の割合が3割以上低い

■「あまり覚えられていない」と感じる人より、仕事へのモチベーションが高い人の割合が約4割高い!

■会社への満足度が高い人の割合が6割超え!

【調査結果】

トピック① 離職率改善につながる!?顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人は「あまり覚えられていない」と感じる人より離職意向が高い人の割合が3割以上低かった!

社内の人から顔と名前が覚えられていることによって、離職意向にどのような影響があるのかを調べてみました。【図1】
「あなたは、今の会社を辞めたいと思ったことはありますか?」という質問をしたところ、離職意向が高い人(辞めたいと「しばしば思う」「常に思っている」)の割合が、社内の人から顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人の中では25.4%、「あまり覚えられていない」と感じる人の中では36.4%という結果となりました。離職意向が高い人の割合は、 「よく覚えられている」と感じる方が30.2%低く、「顔と名前を覚えられている」と感じるほど、離職意向が低下することが推測できます。

社員の離職を防ぐ解決策の一つとして、社員の名前を呼んで挨拶する、声をかけるなどして、社内の人から「顔と名前を覚えてもらっている」と認識させることが有効だと言えそうです。

(※3)「あまり覚えられていない」と感じる人を100%としたときに、 「よく覚えられている」と感じる人との差を割合で算出。これ以降の調査結果は、すべて値が大きい方を100%として、比較対象との差を割合で算出している。【図2】~【図6】も同様。

トピック② 顔と名前を覚えることが社員のモチベーションアップのカギ!?
顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人は、「あまり覚えられていない」と感じる人と比べ仕事へのモチベーションが高い人の割合が約4割高いことが判明

次に、社内の人から顔と名前が覚えられていることによって、仕事へのモチベーションにどのような影響があるのかを調べてみました。【図2】
 
モチベーションの高い人(モチベーションが「とても高いと思う」「高いと思う」)の割合が、顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人の中では53%、「まあ覚えられている人」と感じる人の中では41.7 %、 「あまり覚えられていない」と感じる人の中では33.5 %という結果となりました。
 
「よく覚えられている」と感じる人の方が、「あまり覚えられていない」と感じる人と比べ、モチベーションが高い人の割合が約4割高く、また「顔と名前を覚えられている」と感じる度合いに比例して、モチベーションが高い人の割合は増加傾向にあることも分かりました。
「顔と名前を覚えられている」ことで、自身が認識されていることに喜びを感じ、自信につながるため、仕事へのモチベーションが上がるのではないでしょうか。

トピック③顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人の中で会社への満足度が高い人の割合は6割超え!「あまり覚えられていない」と感じる人より24.1%高いことが判明

社内の人から顔と名前が覚えられていることによって、会社への満足度にどのような影響があるのかを調べました。【図3】
 会社への満足度が高い人(「大変満足している」「満足している」「やや満足している」)の割合が、顔と名前が「よく覚えられている」と感じる人の中では63.8%、一方、「あまり覚えられていない」と感じる人の中では48.4%という結果となり、「よく覚えられている」と感じる人の方が24.1%高いことが分かりました。

 また、モチベーションと同様に、会社への満足度が高い人の割合は、「顔と名前を覚えられている」と感じる度合いが高くなるほど増加傾向にあり、「顔と名前を覚えられている」と感じるほど、社員の満足度が上がると推測できます。

「覚えられている」だけでなく自身が「覚えている」ことも大切だった!
社員同士が顔と名前を覚え合う組織こそ社員もモチベーションや会社への満足度が高く、離職率が低下する!?

今回の調査では、社内の人から顔と名前が「覚えられている」だけでなく、自身が「覚えている」ことによって、離職意向やモチベーション、会社満足度にどのような影響があるのかも調べてみました。

まず、離職意向の変化を見ると、離職意向の高い人が、社内の人の顔と名前を「あまり覚えていない」人(認識している度合い10%~30%)の中では35.0%、一方で顔と名前を「よく覚えている」人(認識している度合い70%~100%)の中では20.4%という結果となりました。離職意向が高い人の割合は、 「よく覚えている」人の方が4割以上低く、社員の顔と名前を覚えているほど離職意向は低下傾向にあると推測できます。【図4】

次に、満足度やモチベーションの変化を見ると、社内の人の顔と名前を「よく覚えている」人ほど、会社への満足度やモチベーションが高い人の割合が増加していることが分かりました。【図5】【図6】

顔と名前を覚えることによって社内の人とのコミュニケーションが活発となり、仕事もスムーズに進みやすくなるため、仕事へのモチベーション、さらには会社満足度が上がるのではないでしょうか。顔と名前を覚えられるだけでなく、覚えることも自身がモチベーション高く働くにあたり重要だと言えます。


【調査概要】
調査期間 :2017年11月10日~11月13日
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :従業員数100人以上1000人未満の会社で働く会社員(非管理職) 男女20歳~59歳
サンプル数:n=600
以下の年齢、性別でn=75ずつ均等割付で回収。
(20歳~29歳 男女/30歳~39歳 男女/40歳~49歳 男女/50歳~59歳 男女)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[カオナビ]
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