高齢者の自転車と自動車利用に関する調査(65~79歳の男女対象) 

2018年09月10日

自転車の安全利用促進委員会は、高齢者の自転車の利用と自動車(以下 クルマ)の利用についての調査を実施いたしました。

秋の訪れとともに日没時間が急激に早まる9月は、夕暮れ時や夜間にかけて重大事故につながるおそれのある交通事故が多発しており、毎年内閣府をはじめとする複数の機関によって、広く国民に交通安全の普及・浸透を図るために秋の全国交通安全運動が行われています。

特に65歳からの高齢者は、身体能力の衰えなどから、クルマ運転に不安を覚え、他の交通手段へと変更を検討するタイミングにあります。しかしながら今回の調査によると、約9割の高齢者がクルマの運転免許証を継続して所持しており、運転免許返納者はわずか6.0%に留まりました。しかし、自転車道路の整備や自転車の購入補助の環境が整えば、運転免許証を返納したいという回答も見られました。

また、今回の調査では、高齢者は長期にわたり同じ自転車を利用しているにも関わらず、メンテナンスや整備機会が少ないなど、ハード面への意識が低いという現状が浮かび上がってきました。

調査トピックス


1.高齢者の自転車利用の頻度はクルマ利用を上回る結果に!
  自転車を利用する高齢者の内、約4人に1人は“全くクルマの運転をしていない”

2.クルマより自転車を利用する理由は、移動距離の短い用事が多いからがトップに。
  高齢者は自転車とクルマの使い分けが上手?

3.クルマの運転免許返納者はわずか6.0%に留まる結果に。
  自転車の道路整備や購入補助の環境が整えば、免許を返納したいと回答!

4.運転免許証を返納・クルマを運転しなくなった要因は“自身の運転技術に不安を覚えたから”
  自治体によってはクルマ以外の移動手段を促進する制度も。

5.高齢者の38.3%が1年以上自転車のセルフメンテナンスを放置、74.3%がプロの整備を受けていない!
  安全・安心にはメンテナンスが必須!購入時にはBAAマークを要確認。

調査結果


1.高齢者の自転車利用の頻度はクルマ利用を上回る結果に!
 自転車を利用する高齢者の内、約4人に1人は“全くクルマの運転をしていない”

高齢者のクルマと自転車を利用する頻度について質問したところ、週1回以上の利用は、クルマが58.0%、自転車は77.3%となり、高齢者はクルマ以上に自転車が普段の移動手段として用いられていることが分かりました。また、自転車を利用する高齢者の内、約4人に1人(25.6%)はクルマを運転しないということも明らかになりました。

2.クルマより自転車を利用する理由は、移動距離の短い用事が多いからがトップに。
 高齢者は自転車とクルマの使い分けが上手?

次に自転車、クルマそれぞれを移動手段として選ぶ理由について質問しました。高齢者がクルマに乗らず自転車を選ぶ理由としては、「移動時間が短いから(78.9%)」「駐車場がない場所にも行きやすいから(53.8%)」「健康促進になるから(43.3%)」「維持費が安いから(42.5%)」という項目が目立ちます。この結果から、クルマと比較して自転車は“小回りの良さ”“運動も兼ねる”“維持費がかからない”という自転車であるからこそのメリットを感じて利用している高齢者が多いことが分かります。

これはクルマを利用する場合も同様で、「距離が遠いから(66.2%)」「荷物が多いから(55.3%)」「複数名で移動ができるから(41.8%)」などクルマならではのメリットから利用しています。
以上のように、高齢者は、自転車かクルマのどちらか一択と言うわけではなく、状況によって使い分けしながら生活をしていることが見えてきました。

3.クルマの運転免許返納者はわずか6.0%に留まる結果に。
 自転車道路の整備や購入補助の環境が整えば、免許を返納したいと回答!

自治体において運転免許返納を推奨する取り組み等が積極的に行われている中、高齢者の運転免許返納事情について調査しました。今回の対象者全員がクルマの運転免許証取得経験のある中、現在まで継続してクルマの運転免許証を所持している高齢者は91.7%で、免許を返納をしている方はわずか6.0%ということが分かりました。

また、クルマの免許を所持している方に、どのようなことが実行されれば免許を返納しようと思いますか?と質問したところ、公共交通機関の無料化に次いで、「自転車道が整備され、自転車で安心して走行できるようになる(35.0%)」「自転車・電動アシスト自転車の購入補助が支給される(26.5%)」など道路の整備や購入補助の環境が整えば、免許を返納して、もっと自転車を活用したいという意向がうかがえました。

4.運転免許証を返納・クルマを運転しなくなった要因は“自身の運転技術に不安を覚えたから”
  自治体によってはクルマ以外の移動手段を促進する制度も。

クルマの運転免許証を取得していたが運転免許証を返納した、又は現在クルマを運転しない方のみに質問したところ、4人に1人が“自身の運転技術に不安を覚えた”ことが運転免許証を返納した・クルマを運転しなくなった要因であると答えています。

上記以外にクルマを運転しなくなった要因として、約2人に1人が公共交通機関や自転車を利用していることが挙げられました。自治体によっては運転免許証を返納すると、バスやタクシーの優待が受けられる制度、BAAマークが貼付された安全な自転車の購入補助を受けられる制度などがあり、クルマ以外の移動手段も選びやすくなってきています。

5.高齢者の38.3%が1年以上自転車のセルフメンテナンスをしていない。
  74.3%がプロの整備を受けていない!
 安全・安心にはメンテナンスが必須!購入時にはBAAマークを要確認。

クルマよりも高頻度で自転車を利用している高齢者ですが、現在利用している自転車の入手時期について質問したところ、66.0%が3年以上同じ自転車に乗っているということが分かりました。

Q7の質問で、長期間同じ自転車を高頻度で利用していることが明らかになった高齢者ですが、その自転車は安全な状態で運転しているのでしょうか。「セルフメンテナンス」及び「自転車専門店での整備」の実施頻度についてを質問すると、セルフメンテナンスを「1年に1回未満・全くしていない」と回答した人は38.3%と最も多く、自転車専門店での整備に関しては、74.3%が「1年に1回未満・全くしていない」と回答し、高齢者が利用する自転車の多くに整備不良の可能性があることが分かりました。

調査概要


調査主体:自転車の安全利用促進委員会
調査日 :2018年8月24日(金)~8月26日(日)
調査方法:アンケート調査(インターネット調査による)
調査対象:65~79歳の男女
回答数 :300名(東京23区&大阪市内:150名 その他地域:150名)
条件  :月に1回以上自転車に乗っている且つ運転免許取得者又は取得歴のある方

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