成人年齢見直しに伴う「18歳成人」についての調査(17歳~19歳男女対象) 

2018年10月03日

日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を10月からスタートさせました。次代を担う18歳が政治や社会、仕事、家族、友人、恋愛などをどのように考え、意識しているか、幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いで、多くの社会課題に取り組む日本財団の事業にも調査結果を反映させたいと考えています。

当面10月から来年3月まで毎月2回、計12回を予定していますが、4月以降も継続し、18歳の意識を長期に追跡する方針です。本調査では、調査協力機関であるクロス・マーケティング社のアンケートモニターを使用し、17歳~19歳男女800名から回答を得ました。
初回は、2022年4月からの成人年齢見直しに伴う「18歳成人」について調査しました。この結果、多くの世論調査で過半数が成人年齢の引き下げに反対する結果が出ているのに対し、当の18歳は60%が賛成と答えるなど、異なる結果が出ています。概要は以下の通りです。

調査結果


自分のことを「大人」と思うか

  •  全体で6割以上が自分のことを「子ども」だと思うと回答。
  •  女性の方が男性に比べて自分のことを「子ども」だと感じている割合が多く、72.3%。
  •  18歳成人年齢引き下げ「反対派」は、「賛成派」に比べ自分を「子ども」だと感じている人が多く、72.6%にのぼる。
自分を「大人」「子ども」と思う理由
  •  自分のことを「大人」だと思っている人の理由としては、「身体は『大人』と変わらないから」(42.8%)、「十分な判断力があるから」(42.1%)、「選挙権があるから」(31.3%)が上位に挙がる。
  •  反対に、自分のことを「子ども」だと思っている人の理由は、「経済的に自立していないから」が最も多く61.8%。次いで「法律上、成人ではないから」(52.1%)が多い。
自分を「大人」と思う理由
  •  男女別に理由を見ると、男性は「十分な判断力があるから」が45.2%で最も多く、女性に比べて10pt近く高いスコアとなった。
  •  18歳成人年齢引き下げ賛成・反対別で見ると、賛成派は「十分な判断力があるから」が45.2%で最も高く、反対派に比べて10pt近く高い。
自分を「子ども」と思う理由
  •  男女別に理由を見ると、男女とも「経済的に自立していないから」が最も高い。
  •  18歳成人年齢引き下げ賛成・反対別で見ても、賛成派・反対派ともに「経済的に自立していないから」が最も高い。
成人年齢引き下げの認知
  •  2022年4月に成人年齢が引き下げられることについては、約7割が認知。
  •  約2割が施行の時期を知らなかった。
  •  この法律自体を知らなかったと回答したのは約1割。
成人年齢引き下げ内容把握
  •  成人年齢が引き下げられることによって、「18歳」でどのようなことができるようになるか確認したところ、正答率が高いのは「選挙権が得られる」(これはすでに18歳以上)、「飲酒はできない」、「喫煙はできない」など。
成人年齢引き下げ内容把握(男女別)
  •  男女別で正答率の差が大きかった内容は「飲酒」で、女性の正答率が67.8%と、男性に比べて約10pt高い。
成人年齢引き下げ内容把握(賛否別)
  •  賛成派・反対派別に結果を見ると、反対派は多くの項目で「わからない」の割合が賛成派に比べ多い傾向が見られる。
18歳適用是非
  •  法律に関係なく、多くが18歳以下で良いと思うと回答しているのは「選挙権が得られる」「犯罪を犯すと名前や写真が公開される」「10年有効なパスポートが作れる」など。
  •  反対に、「18歳では早い」という回答が多いのは「喫煙」「国民年金への加入義務」「公営ギャンブル」「飲酒」「パチンコ・パチスロ」など。
18歳適用是非(男女別)
  •  男女別で差が大きかった内容としては、「公営ギャンブル」「パチンコ・パチスロ」など。これらは女性は「18歳では早い」と回答している人が男性に比べて多い。
  •  また、「ローン契約・クレジットカードがつくれる」「民事裁判を一人で起こせる」も、女性は「18歳では早い」と回答している人が男性に比べて多い。
18歳適用是非(賛否別)
  •  全ての項目で、反対派は「18歳では早い」の割合が賛成派に比べて高い。
  •  特に、「飲酒」「喫煙」「公営ギャンブル」「パチンコ・パチスロ」「国民年金への加入義務」については、反対派では「18歳では早い」と回答している人が8割以上にのぼる。
成人になったらやってみたいこと
  •  自分が「成人」になってみたらやってみたいこととしては「飲酒」(41.8%)がトップ。
  •  「喫煙」は3.4%と低い。
  •  また、約3割がやってみたいことは「特にない」と回答。
成人になったらやってみたいこと(男女・賛否別)
  •  男女別で見ると、女性は「飲酒」が46.0%となっており、男性に比べて高い。
  •  賛成派・反対派別では、「ローン契約・クレジットカードを作る」は賛成派が23.0%と、反対派に比べて高い。
成人年齢引き下げについての賛否
  •  賛成60.3%、反対39.8%。
  •  男性は賛成69.8%、女性は賛成50.8%で、男性の方が女性に比べ「賛成派」が多い。
成人年齢引き下げについての意見
  •  成人年齢を「18歳」に引き下げることについては、「無責任な大人が増えそう」「今の18歳(自分と同年代)を見ていたら本当に大丈夫なのか」など不安に感じる意見が多い。
成人年齢引き下げについての意見(賛否別)
  •  賛成派の回答でも「無責任な大人が増えそう」が上位に挙がっている。
  •  賛成派・反対派それぞれの意見の中で、「大人としての自覚」「責任感」に言及する意見が多い。「大人としての自覚が持てるかどうか」「責任ある行動がとれるかどうか」が“成人”の分かれ目と考えられていると言える。
成人年齢引き下げについての意見(男女別)
  •  男性は「無責任な大人が増えそう」「精神的に未熟な人が多いと感じるので不安に思う」「今の18歳を見ていたら本当に大丈夫なのか不安に思う」などネガティブな内容も多いが、「責任感が芽生えるので良いと思う」「大人としての自覚が持てるので良いと思う」などのポジティブな内容も上位に挙がる。
  •  女性は「今の18歳を見ていたら本当に大丈夫なのか不安に思う」 が最も多く、他ネガティブな意見が上位を占める。
一人で契約することについて
  •  「自分のやりたいことが自由にできるようになるので良い」が36.5%で最も多いが、次いで、「後々問題が起こりそう」「一人で判断することに自信が持てない」などが上位に挙がる。
一人で契約することについて(男女別・賛否別)
  •  男女別で見ると、男女とも「自分のやりたいことが自由にできるようになるので良い」が最も高い。女性は、「一人で判断することに自信が持てない」「仕事をしていないのに、自分で責任をとれなさそう」などの意見も上位に挙がり、これらは男性に比べて多い。
  •  賛成派は「自分のやりたいことが自由にできるようになる」「自分のことは自分で責任をとれるようになる」が多く、反対派は「後々問題が起こりそう」「一人ですることに自信が持てない」 「仕事をしていないのに、自分で責任をとれなさそう」が上位に挙がる。

「日本財団『18歳意識調査』調べ」

調査概要


調査対象:全国の17歳~19歳男女
回答数:800人
実施期間:2018年9月7日(金)~9日(日)
調査手法:インターネット調査

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[日本財団]
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