第9回「ビジネスパーソン1000人調査」【理想のチーム編】 

2018年11月21日

日本能率協会(JMA)は、2013年より全国のビジネスパーソン1,000人に対し、職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています。この調査は、働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

今回は「チーム*の雰囲気」が働く人の満足度やモチベーションにどう影響しているか、その意識を聞きました。(*本アンケートでは、所属するもっとも身近な部署の単位((課・グループ))と定義、以下同様)

調査トピックス


  • 1. 現在の職場のチームの雰囲気、「満足」は半数強。50代、非正規職員では、過半数が満足せず。満足の理由は、「困ったときの助け合い」「創意工夫」「情報共有や学びあい」ができているから。一方、満足していない理由は、「フェアな評価」「困ったときの助け合い」「本音を話す」がなされていないから。
  • 2. 魅力を感じるチームは「困ったときに助け合える」「メンバー同士の仲が良い」「コミュニケーションが活発」。チームの雰囲気に満足している人は、良好な人間関係を魅力と感じる傾向が強い。
  • 3. チームに満足している人はリーダーの雰囲気づくりを高く評価する一方、満足していない人はリーダーへの評価が低い傾向に。チームリーダーが職場の雰囲気への満足度に影響か。
  • 4. 上司から言われて嫌だと思う一言、1位「使えないな」、2位「そんなこともできないのか?」、3位「余計なことをするな」。一方、やる気がでる一言は、1位「ありがとう」、2位「よくやった」、3位「頑張ってるね」。感謝とねぎらいの声かけがモチベーションアップに。

調査結果


1. 現在の職場のチームの雰囲気、「満足」は半数強。50代、非正規職員では、過半数が満足せず。満足の理由は、「困ったときの助け合い」「創意工夫」「情報共有や学びあい」ができているから。一方、満足していない理由は、「フェアな評価」「困ったときの助け合い」「本音を話す」がなされていないから。

・現在所属している職場チームの雰囲気への満足度を聞いたところ、全体では、「とても満足している」(10.9%)、「やや満足している」(43.6%)、と満足している人が半数を超えました。

・年代別でみると、20代、60代は約6割が満足している一方、50代では、満足している人が半数に達していません。

・雇用形態別でみると、正規職員と非正規職員では、9.2ポイントのギャップがありました。

・チームの雰囲気に満足している人(545人)にその理由について聞いたところ、「困ったときに互いに助け合うから」(39.6%)ともっとも多く、次いで「自分なりの創意工夫で仕事を進めることができるから」(27.2%)、「互いに情報を共有したり学びあったりしているから」(22.2%)が続きました。

・性別でみると、女性では、「困ったときに互いに助け合うから」が男性より7.1ポイント高い43.7%となり、4割以上の人が“助け合い”を満足の要因としています。男性では、「互いの貢献を認め合えているから」が19.4%と、女性よりも6.8ポイント高い結果となりました。

・また、チームの雰囲気に満足していない人(455人)にその理由を聞いたところ、「フェアな評価がなされていないから」(24.0%)がもっとも多く、次いで、「困ったときにも互いに助け合うことがないから」(21.8%)、「互いに本音を話せないから」(21.3%)が続きました。

・性別でみると、女性では、「互いに本音を話さないから」が22.9%と第2位につけています。また、女性では、「チームリーダーが独断で物事を決めるから」が男性より6.2ポイント高い17.6%、男性では、「チームのビジョンや目標が共有されていないから」女性より4.0ポイント高い18.8%となっています。

2. 魅力を感じるチームは「困ったときに助け合える」「メンバー同士の仲が良い」「コミュニケーションが活発」。チームの雰囲気に満足している人は、良好な人間関係を魅力と感じる傾向が強い。

・どのようなチームに魅力を感じるか聞いたところ、「困ったときに助け合えるチーム」(47.0%)がもっとも多く、次いで「メンバー同士が仲の良いチーム」(29.5%)、「コミュニケーションが活発なチーム」(28.2%)が続きました。

・現在のチームに満足している人(満足群)と満足していない人(不満群)で比較したところ、トップはともに「困ったときに助け合えるチーム」になっているものの、不満群では、2位に「コミュニケーションが活発なチーム」(27.9%)、3位「メンバー同士が仲の良いチーム」(24.6%)でした。不満群では、仲が良い以前に、まずはコミュニケーションを望んでいることが伺えます。

・先述の調査結果1において、「困ったときに互いに助け合う」が、チームに満足する理由の第1位に挙げられたのと同様に、良好な人間関係がチームへの満足度の重要な要素となっているようです。

3. チームに満足している人はリーダーの雰囲気づくりを高く評価する一方、満足していない人はリーダーへの評価が低い傾向に。チームリーダーが職場の雰囲気への満足度に影響か。

・職場のチームリーダーが、チームの雰囲気を良くすることができているか聞いたところ、全体では、「できている」(「よくできている」と「ややできている」の計)は38.9%、「どちらでもない」は33.4%、「できていない」(「あまりできていない」と「まったくできていない」の計)は、27.7%となりました。

・現在のチームに満足している人(満足群)と満足していない人(不満群)で比較したところ、満足群では、「できている」が6割を超えたのに対し、不満群では「できていない」が5割を超えるなど、リーダーのチームマネジメント力が問われる結果となりました。

4. 上司から言われて嫌だと思う一言、1位「使えないな」、2位「そんなこともできないのか?」、3位「余計なことをするな」。一方、やる気がでる一言は、1位「ありがとう」、2位「よくやった」、3位「頑張ってるね」。感謝とねぎらいの声かけがモチベーションアップに。

・上司から言われて嫌だと思う一言を聞いたところ、全体では「使えないな」(33.8%)がもっとも多く、次いで第2位:「そんなこともできないのか?」(32.6%)、第3位:「余計なことをするな」(23.4%)でした。

・上司から言われてやる気がでる一言を聞いたところ、全体では、「ありがとう」(35.1%)がもっとも多く、次いで第2位:「よくやった」(23.9%)、第3位:「頑張ってるね」(19.8%)でした。

・性別でみると、各上位3項目の言葉を選択した人は、いずれも女性の方が多く、特に「ありがとう」では15.9ポイント、「頑張ってるね」は13.2ポイント男性より高い結果が見られました。やってあたり前と思われるのではなく、その過程を見てもらいたいという意識の表れと推察されます。

調査概要


■調査名称:第9回「ビジネスパーソン1000人調査」【理想のチーム編】
■調査期間:2018年9月28日~2018年10月9日
■調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち、全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
■調査方法:インターネット調査
■回答数:1,000人
■属性:
[性別]男性559人、女性441人
[年代]20代156人、30代236人、40代239人、50代212人、60代157人
[雇用形態]男性(正規447人、非正規112人) 女性(正規191人、非正規250人)
[勤務先従業員数]5,000人以上158人、1,000~5,000人未満167人、300~1,000人未満157人、100~300人未満174人、100人未満344人

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[日本能率協会]
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