女子学生の就職活動や就労意識に関する調査(今春卒業予定の女子学生対象) 

2019年03月27日

ディスコは、今春卒業予定の女子学生を対象に就職活動や就労意識に関するアンケートを実施し、経年比較などをしながら特徴を分析しました。(調査期間:2019年2月27日~3月1日、回答数342人)

調査結果


1. 就活開始当初の希望業界と入社企業の業界

就職活動をスタートした当初(3 年生の 3 月頃)に希望していた業界と、実際に入社することになった企業の業界を比較した。当初の希望どおりの業界に入社する女子学生は前年に引き続き 6 割を超えたものの、割合はやや下がった(65.1%→62.6%)。
「IT・情報処理」「サービス・運輸・倉庫」の 2 業界は、当初の希望に比べ入社企業のほうが、比率が高まった。

2. 就活開始当初の希望コース(職掌)と入社企業でのコース

次に、当初希望と入社企業でのコース(職掌)を比較した。就活スタート当初の希望コース、入社企業でのコースともに、7 割が「総合職」。希望どおりのコースで入社した学生は 85.1%に上り、2015年卒者から増加が続いている。女子学生の採用に積極的な企業が増えていることに加え、人手不足を背景に売り手市場が続いていることが、希望するコースでの入社を後押ししていると見られる。

3. 就活開始当初の希望企業規模と入社企業の規模

さらに、従業員規模も比較してみたところ、希望通りの規模の企業に入社を決めた学生は 58.2%。
当初希望と入社企業の差が最も大きかったのは「300 人未満」の中小企業で、当初希望していた学生は 10.2%だったが、入社企業としては 2 倍以上の 20.8%。
なお、当初希望と異なる人のうち 6 割(61.5%)は、希望より小さい規模の企業に決めていた。大手志向は強いものの実際には狭き門で、希望が通らないケースも少なくないようだ。

4.企業研究で意識したこと

企業研究をする際に、意識したり調べたりしたことを尋ねた。「残業や休日出勤の実態」が最多で、69.9%。次いで「女性社員の人数(男女比率)」(54.4%)、「育児休暇の取得率」(52.9%)と続き、これらの項目は半数以上の女子学生が意識をしていた。
さらに、企業研究にあたり、企業が女子学生に向けて発信する情報(ホームページやパンフレットなど)を見たかを尋ねた。「かなり見た」は 1 割強(12.6%)だが、「少し見た」(47.1%)を合わせると約 6 割(59.7%)の女子学生がこれらの情報に接触していた。
また、女子学生向けの情報を見たと回答した人に、女子向け情報の有無がその企業への関心度合いに影響したかを重ねて尋ねてみた。「とても影響した」(16.7%)、「ある程度影響した」(52.5%)を合わせて約 7 割が「影響した」と回答した(計 69.2%)。女子向けの情報発信は、女性を積極的に採用したいという企業側の姿勢を示すものと受け止められているようだ。

5. 就活中に女性で「よかった」「損した」と思った経験

「女性でよかった」と思った経験があると回答した人は 37.4%。ここ 5 年で目立った変化は見られない。
「よかった」と思った理由は、かつては「総合職も一般職も選べる」など選択肢の広さを挙げる声が多かったが、2019 年卒者では「女性採用に積極的な企業姿勢」を挙げる学生が多かった。
一方、「女性で損した(理不尽だ)」と思った経験があると回答した人はこの 5 年間で減少傾向にあり、今年は 28.1%と、前年からほぼ横ばい。
「損した」理由については、2015 年卒から一貫して「一般職を勧められた」など総合職就職のハードルの高さを訴える声が多い。今回はこれらに加えて「育児は男女双方の問題なのに、女性だけが仕事との両立を問われるのはおかしい」といった意見が多く見られたのが特徴的。

6. 入社後のキャリアプラン

入社後の働き方として自身の志向にあてはまるものを選んでもらった。「ライフバランス志向」が46.5%で最も多く、昇進にこだわらず生活に支障のない範囲で働きたいと考える女子学生が半数近くを占めた。総合職入社者に限って見ても、ゆくゆくは管理職を目指す「ゼネラリスト志向」は 3 割にとどまった(30.1%)。

就職する理由については、「経済的に自立するため」が 9 割近くに達した(88.6%)。次いで「人間的に成長するため」(53.2%)、「“働くこと”は当たり前のことだから」(50.6%)までが 5 割を超え、経済的に自立した社会人となることを多くの女子学生が目的としていることがわかる。また、総合職入社者は「自分の能力や資格を社会で生かすため」「やりたい仕事があるから」などがその他職掌入社者より多く、仕事を通じた能力発揮に比重を置く傾向が読み取れる。

入社後の勤務予定期間について尋ねると、「定年まで(なるべく長く)」が最多で過半数を占める(51.8%)。ただし、この数値は年々減少しており、この 3 カ年で 9.6 ポイント減少した。
入社した企業に定年まで勤めるつもりはないという人に退職理由を予想してもらっているが、今回「転職」が大きく増加した。一方で、「出産・育児」(14.6%)を挙げる女子学生は、2017 年卒者の半数程度に。育児と仕事の両立に向けた国や企業の取り組みもあり、出産後も仕事を続けられるという意識が女子学生の中に広がっているものと考えられる。

入社後に予定している居住形態を尋ねてみた。「実家に居住」が全体の 37.4%で最も多く、「寮、会社の借り上げ社宅等に入居」(27.8%)、「ひとり暮らし」(27.5%)がほぼ同率で続いた。入社コースによって差が見られ、総合職入社者は「寮、社宅等に入居」が最も多い(34.0%)。一方、その他職掌入社者では「実家に居住」が 6 割近い(59.3%)。
また、入社企業の規模別に見てみると、従業員 300 人未満の企業に入社する人は「寮、社宅等」が少なく(11.3%)、「ひとり暮らし」の割合が高かった(43.7%)。

7.今後のライフプラン

将来希望する世帯スタイルを尋ねたところ、「二人とも働く(共働き世帯)」を希望する女子学生が最も多く、7 割を超えている(76.9%)。また、将来子どもを持つことを希望している学生は 61.9%。
結婚、第一子出産の希望年齢の平均はそれぞれ 27.8 歳、28.9 歳で、厚生労働省発表の実際の年齢(結婚:29.4 歳、第一子出産:30.7 歳/ともに平成 28 年度)と比べると、どちらも 2 歳ほど早い。
また、将来子供ができた場合の育児休暇取得については、自身が「取得したい」は 88.0%、「夫に取得してほしい」は 47.0%。経年で見ると、自身・夫が「取得したい/取得してほしい」は一貫して増加しており、特に今回は、「夫に取得してほしい」が大幅に増加した。「どちらかといえば取得したい/してほしい」も含めると、自身で 98.8%、夫は 90.0%となり、仕事も育児も夫婦で分担したいとの考えが強まった。

調査概要


■調査対象:キャリタス就活 学生モニター(2019年3月卒業)のうち、卒業までに就職先が決まった女子学生
■調査期間:2019年2月27日~3月1日
■調査方法:インターネット調査法
■回答者数:342人(女子学生)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ディスコ]
 マイページ TOP