日経ものづくり調査「製造業の理想の経営者」に関する調査 

2013年12月25日
日経BP社は、今の製造業に求められる経営者について、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に実施した調査の結果を発表。「あなたが社長なら」と題し、どのような社長になりたいかを聞いたところ、4割が「明確なビジョンを示せる社長」と回答。今の製造業に求められる理想の経営者像が明らかになりました。

回答者が属する主な業種は産業用機器メーカー、自動車等輸送用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカー、精密・事務用機器メーカーなどです。

【調査結果サマリ】

・「どのような社長になりたいか」を聞いたところ、「明確なビジョンを示せる社長」が40.0%を占めた。2008年秋のリーマン・ショックにより、自動車や電機といった輸出産業に過度に依存してきた日本の製造業は針路を見失った。今後、どこに進むべきか――。今回の回答は、日本の製造業が今なお次の針路を模索している実態を反映したものと考えられそうだ。

・「社内に世界No.1、Only 1の技術があるとしたら、会社を強くするためにどんな施策を採るか」を尋ねると、「さらに付加価値を高めていく」(61.2%)、「世界No.1、Only 1を維持し続ける」(50.3%)といった、技術を保有することを前提にした施策が上位に来た。逆に、「コンソーシアムを形成」(19.6%)したり「技術を高く売却」(4.3%)したりするなど、技術を他社とシェアしていく施策には消極的だった。

・「お手本としたい(現役)経営者は誰か」を聞くと、「稲盛和夫氏(京セラ創業者)」(33.4%)が1位で、「孫正義氏(ソフトバンク代表取締役社長)」(20.3%)と「カルロス・ゴーン氏(日産自動車社長兼最高経営責任者)」(14.0%)が続いた。さらに、これらの経営者を選んだ理由を尋ねると、「明確なビジョン」がトップだった。今の製造業の経営者には何より「明確なビジョン」を示すことが求められている。


【調査結果詳細】

どのような社長になりたいか(単一回答)

どのような社長になりたいかを聞いたところ、「明確なビジョンを示せる社長」が4割で最も多かった。2位は技術者らしく「技術的な先見の明に秀でた社長」(13.8%)。3位は「現場の声に耳を傾けられる社長」(12.6%)で、その逆の「現場と異なった目線で物事を見られる社長」(2.5%)に大差を付けた。実在の社長にもっと現場の声を聞いてほしいとの気持ちの表れか。

社内に世界No.1、Only 1の技術があるとしたら、会社を強くするためにどんな施策を採るか(複数回答)

社長の重要な仕事として、社内技術の有効活用が挙げられる。将来に向けて漁場を変えるのなら、現行の技術を最大限に生かした方が有利に働くことは言うまでもない。そこで、「社内に世界No.1、Only 1の技術があるとしたら、会社を強くするためにどんな施策を採るか」を聞いた。
その結果が興味深い。コンソーシアムを形成したり、他社に技術を売却したりして「技術を他社とシェア」するよりも、技術とサービスを融合させたり、新しい技術分野で世界No.1、Only 1を目指したりと、「技術を保有して育てる」施策が上位に入った。日々、社内技術の発展に努める技術者らしい結果だと言えるだろう。

お手本としたい(現役)経営者は誰か(複数回答)

30人弱を列挙し、回答者に聞いた(回答の掲載は10位まで)。1位は「稲盛和夫氏(京セラ創業者)」で33.4%。それ以外は予想外の結果が見られた。業績好調の「トヨタ自動車の豊田章男氏」(13.3%)よりも、2014年3月期の業績予想を下方修正した「日産自動車のカルロス・ゴーン氏」(14.0%)が僅差で上位に入った。2位は、メーカーの経営者ではなく、「ソフトバンクの孫正義氏」(20.3%)。

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[日経BP社]
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