NTTアドは、「平成生まれ」の若者たちの就職に対する価値観を浮き彫りにするべく、インターネット調査を実施。その結果、安定を得ることよりも、自らのキャリアを切り開くため、敢えて「非正規社員」を選ぶ若者が顕在化しつつあることが分かりました。

※現職への満足度に基づき、「非正規満足層」「非正規不満層」「正社員満足層」「正社員不満層」の4カテゴリーを集計軸としました。

【調査結果】

■現職への満足度について
「非正規満足層」は、会社ではなく、現在の職種や仕事内容に満足している。

■年収について
非正規社員は年収「200万円未満」、正社員は年収「200万円~400万円未満」がボリュームゾーンであるが、必ずしも、「高所得者=満足層」「低所得者=不満層」とは限らない

■就職活動時のエントリー企業数について
就職活動していない人の割合は正社員よりも非正規社員の方が明らかに多く、中でも「就職活動をしていない非正規満足層」は、「正社員」に魅力すら感じておらず、雇用形態にとらわれず幅広い選択肢を持っている。

■現職の選択理由について
「非正規満足層」は、職務制限の少ない職場を志向し、ワーク・ライフ・バランスを重視している。一方、「正社員満足層」は、大企業志向・安定志向が強い。

■「満足層」の満足理由について
「非正規満足層」は、仕事以外の時間を充実させたいであるとか、会社組織に縛られたくないといった意識が強く、仕事の満足度を判断する上で職務制限の無さが重要なファクターになっている。

■現在抱えている不安について
非正規社員は、収入面、社会保障制度に対する不安が大きい。「正社員」は、「非正規社員」よりも満足層、不満層の意識格差が大きい。

■「非正規社員」の仕事に対する価値観について
「非正規満足層」は、「非正規社員」であることに後ろめたさを感じておらず、現状をポジティブに捉えている。

■勝ち組・負け組の自己判断について
「正社員不満層」は、約半数が「負け組」と感じており、安定を得たことによる負の代償が大きいと捉えている。

今回の調査結果から、若者たちの間で働き方を巡る旧来型の常識が覆りつつあることが分かりました。つまり、「正社員」という安定を得る代わりに、長時間労働や単身赴任など、あらゆる制限を甘んじて受けてきた50代、60代の大人たちと、今の若者たちとでは見てきた光景や目指しているビジョンが全く異なるということです。今回の調査で浮き彫りとなった「敢えて非正規社員を選ぶ若者たち」とは、見方を変えれば、雇用形態や肩書きにとらわれず、自らのやりたいことを追求する主体的な若者たちであり、型破りな発想の持ち主のようです。これからの企業にとって、いかに彼らに活躍する場を与えることができるかが利益につながると考えられます。

【調査結果詳細】

1. 詳細な満足度について
■「非正規満足層」の「職種は希望したものだが会社は希望したものではない」と回答した人の割合は、非正規全体に比べてやや多く、会社よりも職種に満足している。
■「正社員不満層」「非正規満足層」の「会社も職種も希望したものではない」と回答した人の割合を比較したところ、「非正規満足層」の方が学生時代の希望通りと実感している。

2. 年収について
■非正規全体では「200万円未満」、正社員全体では「200万円以上400万円未満」がボリュームゾーンで、年収のみで見れば「正社員」に優位性がある 。
■「非正規社員」の満足層・不満層、「正社員」の満足層・不満層の年収にさほど差が見られず、「高所得者=満足層」「低所得者=不満層」とは限らない。

3. 就活時のエントリー企業数について
■「就職活動はしていない」と回答した人の割合は、「非正規社員」の方が「正社員」よりも明らかに多く、とりわけ「非正規満足層」に多い。
■「就職活動をしていない非正規満足層」は、そもそも「正社員」に魅力すら感じておらず、雇用形態にこだわらず、幅広い選択肢を持っている。

4. 現職の選択理由について(非正規社員)
■非正規全体では、業務内容や収入といった雇用条件よりも、会社へのアクセス条件の方が優先順位が高い。
■「非正規満足層」は、雇用形態よりも希望する職種を優先。また、職務制限の少ない職場を志向し、ワーク・ライフ・バランスを重視している。
■「非正規不満層」は、能動的に仕事を選ぶというより、収入を確保するために仕事をするという意識が強い。

5. 現職の選択理由について(正社員)
■正社員全体では、大企業志向・安定志向が強い。
■「正社員不満層」は、「もともと希望の業界・会社だったから」「もともと希望の職種だったから」と回答した人の割合が、正社員全体に比べて明らかに少なく、苦労して「正社員」を勝ち取った分、理想と現実との乖離を強く実感。

6. 満足層の満足理由について
■満足層全体では、人間関係、雇用条件、仕事内容の3つが多くの比重を占める。
■ 「非正規満足層」は、仕事以外の時間を充実させたいであるとか、会社組織に縛られたくないといった意識が強く、仕事の満足度を判断するうえで職務制限の少なさが重要なファクターとなっている 。
■「正社員満足層」は、安定的な雇用環境としっかりとした社会保険制度を会社に求めている。

7. 将来の展望について
■ 「非正規満足層」は、現在の会社に満足しつつも、独立・起業も視野に入れており、柔軟性のある将来ビジョンを描いている 。「非正規不満層」は、一刻も早く現状を改善したいという意識が強い。
■「正社員満足層」は、出世等、現在の会社でのキャリアアップを強く志向している。
■「正社員不満層」は、「正社員」の光と陰を知った上で、選択肢の幅を広げ、新たな転職を模索している。

8. 現在感じている不安について
■非正規全体では、やはり収入面、年金や健康保険といった社会保険制度に対する不安が多くの比重を占めている。また、「非正規満足層」「非正規不満層」とでは、多少のポイント差はあるものの不安材料の優先順位は概ね一致 。
■「非正規社員」よりも「正社員」の方が満足層、不満層の意識差が大きい。それだけ、企業によって職場環境や雇用条件に差があると考えられる。

9. 「非正規社員」の仕事に対する価値観について
■非正規全体では、現在の企業が抱えるリスクを認識しつつも、心の底では上昇志向を持っている。
■「非正規満足層」の「自分は非正規社員(契約社員・派遣社員・アルバイト)であると堂々と言える」と回答した人の割合が、非正規全体に比べて明らかに多く、「非正規社員」であることに何ら後ろめたさを感じておらず、むしろポジティブに捉えている。

10. 「勝ち組・負け組」の自己判断
■正社員全体では、「勝ち組」と回答した人の割合が半数近くに上り、とりわけ「正社員満足層」の割合は過半数に上った。但し、「正社員不満層」は約半数が「負け組」と認識しており、安定を得たことによる負の代償が大きいと捉えている。
■非正規全体では、「負け組」と回答した人の割合が過半数に上る。但し、「非正規満足層」では「どちらともいえない」と回答した人の割合が過半数に上り、「勝ち組か負け組か」という問題提起そのものに疑念を抱いている。


【調査概要】
・調査目的:「非正規社員」の実態や職業観、価値観、ライフスタイルを明確にすること
・調査対象者の条件:合計回収サンプル数/600サンプル(短大、大卒以上・社会人経験5年以内・未婚者)
・居住エリア:北海道/宮城県/首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)/愛知県/関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)/福岡県
・調査期間:2015年2月6日〜10日
・調査方法:インターネット調査

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