“コク”に関する実態調査 

2015年04月06日
味香り戦略研究所は、ここ数年注目されている味わいである“コク”に関する一般調査を実施。
[調査実施期間:2015年3月13日~22日/調査対象:全国の20代~80代の成人男女568名(男性:女性=3:7)]

結果から「好きな味」については、「旨味・コク」が全回答数の約半数を占めており、2013年と比較してもコクが未だ根強い人気だということが分かりました。(参照:弊社2013年2月プレスリリース)また家庭内でもコクを意識している人が79%と家庭内でもコクが求められていることが見受けられます。

こうした傾向から、味香り戦略研究所では“コク”に対する人気は継続(定着)しており、さらに現在はプレミアムのコク商品が多様化していると見ています。 “コク”とは複数の味の要素が共存した複合的な重なりによって感じられる、厚み、深み、余韻のような味わいであり、忙しい現代人が求める仲間・家族との団らんなど楽しい食事の時間を過ごすことや、日常生活ではオンとオフの切換えに必要な要素として上質な“コク”は多くの支持を集めており、料理に限らず一般に流通している食品/飲料にも“コク”が望まれていると分析しています。

【調査結果】

根強いコク人気!!ここ 2 年で 60%強の消費者が「コク」商品を選ぶように!

一般調査では、20 代~80 代の一般男女568 名を対象に実施し、各人の好みの味から「コク」に関する意識や、それに対する嗜好と理由、「コク」という言葉へのイメージなど、「コク」に対する全般的な関心について質問しました。

まず、好きな味について聞いたところ、「旨味・コク」が一番多く、続いて「薄味」という結果になりました。弊社が 2 年前に実施した調査では「濃厚な味⇒旨味、コク」へ好みがシフトしている結果でしたが、その傾向は今でも続いていると考えられます。2 番目の「薄味」については健康に配慮する意味合いが強いようですが、その中でも「薄味でもコクがあると美味しい」という意見が比較的多く見られました。「コク」が好きな理由は“味に深み・奥行きを感じる”や“美味しい”が多数を占めました。

このような結果を受け「コク」がある料理・商品について聞いたところ、好意的な意見が約90%弱に上りました。ここ 2 年くらいで「コク」商品を選ぶようになったか?の問いには62%が選ぶようになったとの回答がありました。近年「コク」を謳った食品/飲料の品数が増えてきている動きを考慮すると、今後さらにこの数字は増えることも考えられます。

好きな味については「旨味・コク」が最も多く選ばれたことから、「コク」とはどのような味ですか?を聞いてみたところ、「旨味」、「深み・奥行き」、「濃厚さ」、「余韻」という意見が多数となりました。この結果「コク」とは、その輪郭を成すメインの味の引き立て役であると感じる人が多いことを示唆しており、「コク」は共通の要素として好意的に受け入れられているという見方もできそうです。

【コクを選ぶ理由(自由回答:キーワード抽出)】
・味に深み・奥行きを感じる・美味しい・満足感
・旨味が感じられる・薄味でもおいしく食べられる
・味がしっかり

家庭での食事、料理にも「コク」を意識しているかをたずねました。その結果、全体の 56%、“どちらかと言えば意識する”まで合わせると79%が家庭の料理にも「コク」を意識していることがわかりました。この設問では図表6 にある選択肢を設けましたが、その中で「意識する」と回答したのはおよそ 3 割。年代別にみると 30 代~50 代に多く見られます。特に35 歳以上の女性が多く、家庭で食事を作る機会が多い世代だと判断できます。また、「コク」を意識する料理についても煮物、カレー、スープの順になっており、日常の食卓でも「コク」に対する関心の高さがうかがえます。さらに、今後「コク」が“ウリ”の商品が出たら積極的に試してみたいかどうかについては、“是非試してみたい”、“やや試してみたい”で 83%、“どちらかといえば試してみたい”まで含めるとほぼ全員がその商品を試すことに肯定的であることがわかりました。また、これに対応するように「コク」を求める商品はカレー・シチュー、調味料の順になっています。このように日常的に食事で使用される食品が上位を占める一方で、嗜好品についても「コク」が求められていることがわかりました。その中で最も多かったのは「コーヒー」という意見でした。

続いて、「コク」について感覚的なイメージを尋ねました。「コク」を味わいたいシーンについては「上質な気分を味わいたいとき」、「贅沢感を味わいたいとき」という意見が多数。続くのは「ゆっくりとリラックスしたい」、「ストレスから解放されたい」と日常の喧騒から脱したいという願望の表れとも言える言葉が並んでいます。

また、「コク」から連想する言葉は「深み・奥行き、旨味、濃厚さ」という味についてのイメージが上位に連なっていますが、それに続くのは「広がり、持続性」、「上質(プレミアム)」、「リッチ(豊かさ)」といった特別感をにおわせる言葉が選ばれました。
これまでの結果から「コク」を支持する人が大半で、なおかつ、このような連想シーン・イメージが多数であることから、“日常に忙殺され、ストレス社会に生きている現代人が忙しさから解放されている時くらいは「コク」という上質なものを味わいながら特別で有意義な時間を求めている”とも言えるのではないでしょうか。また、これは何もアフターファイブにおける家庭での食事や仲間との会食に限ったものではなく、日常生活にあるちょっとした休憩の中にも求められているでしょう。その観点から考えると、コーヒーなどの嗜好品についてもより一層「コク」に対する注目度が増していくのではないでしょうか。


【調査概要】
調査名「コクに対する意識調査」
調査対象者:全国の男女、20歳~80歳男女
調査方法:インターネット調査
調査実施会社:総合商研株式会社
調査実施機関:2015 年3 月13 日~22 日

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