Top 100 グローバル・イノベーター 2015 

2015年11月12日
トムソン・ロイターは、保有する特許データを基に知財・特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業・機関を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2015」を発表。

今年で5回目となる本アワードでは、独創的な発明のアイデアを知的財産権によって保護し、事業化を成功させることで、世界のビジネスをリードする企業・機関を選出しています。

今年もTop 100 グローバル・イノベーターの分析過程において、イノベーションへの投資がビジネス上の成功や世界経済への貢献に密接に結びついていることが明らかとなりました。本アワードの選出企業・機関は、MSCI ワールド・インデックス(世界の主要国株価指数)の企業に対し、売上高は6.01%、雇用は4.09%、研究開発投資は1.86%上回っています。

また今年の特筆すべき点として、日本企業・機関の継続的な躍進があげられます。昨年に続き、過去連続して受賞企業数第1位であった米国を抜き、日本からの選出は世界最多の40社となりました。また、ソニー、富士通、オリンパス、トヨタを含む15社が5年連続で受賞し、12社が今年初めて受賞をしました。

【分析方法】
Top 100 グローバル・イノベーターは、4つの評価軸を基本としています。「特許数」、「成功率」、「グローバル性」、「引用における特許の影響力」(分析対象は過去5年間。「グローバル性」のみ過去3年間)です。これらの分析には、以下のトムソン・ロイターの各データベースを使用しています。
世界最大の付加価値特許データベース 「Derwent World Patents Index(R)(DWPI(SM))」

特許調査・分析プラットフォーム 「Thomson Innovation(R)」

主要特許発行機関の特許引用情報 「Derwent Patents Citation Index(R)」他

【日本が世界をリード】

・今年のTop 100 グローバル・イノベーターではアジアからの受賞企業が44社(日本40、韓国3、台湾1)と、昨年に続き、堅調な躍進を見せています。北米からの選出企業が次に続き36社(米国35、カナダ1)。ヨーロッパからは20社(フランス10、ドイツ4、スイス3、オランダ、ベルギー、スウェーデン各1)の選出となりました。

・今年もイギリスからの選出はありませんでした。これは主に、研究開発における国内総支出(GERD)の低下に起因されていると言えます。日本のGERDが3.47%であるのに対し、イギリスは1.63%でした。日本は2年連続で最多選出数を記録し、さらに40社中15社が5年連続で受賞しています。一方、米国の5年連続受賞者数は14社でした。

・中国は2014年に初めて選出企業があったものの、今年は選出がありませんでした。記録的な数の国内特許を有する中国がイノベーション市場において存在感を示すためには、国際的な特許の拡大が重要な鍵となるでしょう。

【分野別傾向】

・メディア・インターネットサーチは今後期待される分野となるでしょう。今年はアマゾンが初選出されました。アマゾンは、データセンターや電子機器まで様々な分野に渡り、驚くほど速いペースで新たな技術やノウハウを創出しています。

・天然ガスの水圧破砕や代替エネルギーの発展に伴い、昨年は選出が無かった石油・ガス分野から、シェブロン、エクソンモービル、そして日本の出光興産が選出されました。

・化学工業分野では12社が選出されました。2014年の6社に比べて2倍と、大きな躍進を見せています。創薬、食品化学、工業溶剤などへ寄せられている市場の期待に沿った結果となりました。

・これまで上位を占めてきた半導体および電子部品製造分野は、依然としてInternet of Things(IoT)に代表されるデジタルの発展において重要な役割を担っています。一方、コンピュータの機能や性能を拡張するための技術統合や利活用により、本分野全体のイノベーション活動は急な減速を見せています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[トムソン・ロイター]
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