第8回企業経営者・緊急アンケート調査(TPPの影響と対応 ~現下の経済と企業経営~) 

2016年01月12日
経済成長フォーラムは、昨年10月5日に大筋合意された TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の評価や影響を中心に、企業経営者に対し緊急アンケートを実施し発表した(回答者数 183 人)。

それによると、TPP の大筋合意を 9 割の企業が評価し、日本にとっての最大のメリットは「国内の
構造改革が促進される」との期待感を示した。一方、自社にとって「TPP はメリットがある」とした企業は約 5 割に上り、最もメリットが大きい分野は「関税の削減・撤廃」であるとした。さらに、TPP 発効後の企業の対応のトップは、「加盟国市場への参入や投資を増やす」だった。
また、今後 TPP に加盟してほしい国のトップは「中国」だった。

<主な調査結果>

【TPPについて】

・TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の大筋合意(2015年10月5日)を、9割(89.8%)の経営者が、 「評価する」あるいは「ある程度評価する」と回答。

・日本にとってのTPPのメリットは、「国内の構造改革が促進される」(23.0%)が最も多く、「企業の国際的な競争力が高まる」も2割近く(18.5%)を占めた。【2つまで選択】

・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする回答は、5割(45.7%)。

・自社にとってTPPのメリットが大きい分野は、「関税の撤廃・削減」が3割(31.2%)で最も多く、次いで「通関手続き等貿易円滑化」が2割(20.1%)だった 。 【2つまで選択】

・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする回答は、製造業、従業員数5,000人以上の大企業、で顕著だった。

・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする企業が、TPP発効後に起こすアクションは、「加盟国市場への参入や投資を増やす」が2割(19.5%) で最も多く、次いで「加盟国に輸出を増やす」が15.4%だった。【当てはまるものすべて選択】

・業種別の、TPP発効後の主なアクションは、製造業では「加盟国に輸出を増やす」が2割(19.2%)、卸売・小売業では「経営の多角化を図る」が13.6%と比較的多かった。 【当てはまるものすべて選択】

・今後TPPに加盟してほしい国は、「中国」が最も多く2割弱(18.5%)、タイ(15.4%)やインドネシア(14.7%)とする回答も多かった。【3つまで選択】

・今後、締結を期待するFTA・EPAは、「日中韓FTA」が3割(33.7%)で最も多く、次いで RCEP(東アジア地域包括的経済連携/29.1%)だった。

・TPPを日本の成長に活かすために、政府が最も優先的に取組むべき政策分野は、「規制改革」が最も多く(24.2%)、「景気対策」(20.8%)や「農業改革」(18.1%)への回答も多かった。【2つまで選択】


【日本経済について】

・今後5年間の実質経済成長率を「2%以上」と見込む企業は5.2%で、前回調査(2015年5月調査)を3.1ポイント下回った。

・景気の実感については、「横ばいである」が7割(71.2%)を占めており、次いで「悪い方向に向かっている」が2割(17.5%)、「良い方向に向かっている」が1割(11.3%)だった。


【自社の経営について】

・自社の今後5年間の年平均成長目標を「4%以上」とする企業が、単独ベース(42.8%)・ 連結ベース(48.4%)ともに4割超を占め最多だった。

・半数(55.5%)の企業は、自社の成長目標の達成見通しが半年前と「変わらない」と回答。「良くなっている」とする企業(19.1%)は、2015年5月調査から1割落ち込み、1年前の調査とほぼ同水準となった。



【調査概要】
実施時期:2015年11月16日~11月30日
調査対象:上場企業及び日本生産性本部会員企業の経営者(3,875人)
有効回答:183人 (回収率4.7%)

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