お花見に関する意識調査 

2016年02月29日
プラネットは、消費財にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第33号として、お花見に関する意識調査の結果をご紹介します。

【調査結果】

■「桜」と言えば「お花見」のイメージは高齢層ほど強く、若年層では減る傾向

春一番も吹き、春の訪れを予感させるこのごろです。少し気が早いかもしれませんが、桜の開花ニュースが待ち遠しい季節になりましたね。今回は、桜のお花見についてアンケートを実施。お花見に欠かせないものや、今年のお花見の予定、おすすめスポットなどについてまとめました。

まずは、「桜」と聞いてイメージするものは何かを調べました。すると、やはり1位は「お花見」で64.1%。次いで、2位「春」60.3%、3位「入学」53.6%という順位でした。目立った男女差も見られず、不動の3つと言えそうです。

年代別に結果を見ると、40代と50代を境に、上位「春」と「お花見」の順位が入れ替わっているのがわかります。「お花見」と回答した人が、50代では65.1%、60代では74.3%、そして70代以上では78.2%と8割近く。「桜」と言えば「お花見」というイメージは、年齢が高くなるほど強くなっていました。20代~40代でも半数は超えていますが、中高年ほどの強いイメージはないようです。

4位以下も見ていくと、「卒業」や「ピンク」は年代が低いほど割合が高く、「桜吹雪」「桜餅」は、年齢が高いほど順位も高くなる傾向にありました。「卒業」は、学校の生徒だった年齢が近いほど、個人的な思い出とも結びつき、イメージが強くなると考えられます。「桜餅」の順位が年齢が若いほど低くなるのは、和菓子を食べる機会が少ないことの現れでしょうか。「桜吹雪」は、70代以上では34.0%なのに、20代、30代ではそれぞれ1割ほどしかいません。映像的な演出の影響もありそうですが、風に花びらが舞い散る風景は、年齢が高くなるほど強烈に心にしみるということなのかもしれませんね。一方で「儚い」と感じる人は、70代以上ではわずか0.3%なのに、若い世代ほど割合が高くなり、20代では5.7%になっていました。意外にも、桜に“儚さ”を感じるのは若い人。年をとるほどに、咲いては散り散っては毎年咲く桜に、“儚さ”よりも“生命力”を感じるのかも…。イメージ調査ではありますが、年代による心象風景の変化がうかがえて、興味は尽きません。

■お花見も“おひとり様”の時代に…“ひとりお花見”を楽しむ人が2割超

次に、今年のお花見の予定を訪ねました。「屋外でお花見をする(予定)」人は41.3%、「屋内でお花見をする(予定)」人は5.5%。これに対して「しない(予定)」の人が55.1%でした。お花見をする予定としない予定は、ほぼ二分する結果で、しない予定の人がする予定の人をやや上回りました。あくまで1月下旬から2月上旬に実施した調査結果であり、実際に桜が咲き始めたら、花見に出かける人がもう少し増える可能性はありそうですね。

それでは、お花見をする人は、誰と行く予定なのでしょうか。一緒に行く予定の相手を尋ねたところ、最も多かったのが「家族(子供含む)」で42.3%。以下、「友人・知人」27.4%、「夫婦のみ」26.3%と続きました。「家族」「夫婦」や「友人・知人」など、気心の知れた人同士で楽しむという人が多いことがわかります。

これに対して、「職場・仕事仲間」と答えた人は8.9%と、1割に届きませんでした。「お花見」と言うと、新人が場所取りに駆り出されたり、入社したばかりで顔や名前がわからない時期の親睦を兼ねた宴会というイメージがあります。しかし、この調査結果を見るかぎり、職場の人と花見をするという人は少数派でした。一方で、「自分ひとり」という人が2割超。「夫婦のみ」に続いて、4位に入りました。“おひとり様”が市民権を得つつある時代、誰にも邪魔されず“ひとりで、こころゆくまで花を楽しみたい”という人が増えているのかもしれません。

■“酒宴”スタイルの花見はもう古い?…花見は散歩形式でという人が4割以上

お花見の形式についても調べました。1位は「散歩」形式の45.0%、2位は歩いたりベンチに腰掛けたりしてひたすら眺める「観賞」スタイルの40.5%。この2つが4割を超えていました。次いで、お酒なしの「ピクニック」スタイルの28.7%。家族で楽しむ健康的なお花見と言えそうです。従来のお花見イメージ=「宴会」スタイルは、22.4%で4位。2割は超えたものの、職場で花見をする人が少ないという前調査の結果同様、“酒宴”スタイルのお花見人口は減っている様子がうかがえました。桜の名所には、夕方で閉門したり、酒類持ち込み禁止の庭園もあり、そうした事情も関係しているのかもしれません。職場での飲み会やお酒を飲む若い人自体が減っているとも言われる昨今飲んで騒ぐ“酒宴”スタイルのお花見は古いのかも…?
お花見も「散歩」や「ピクニック」など、健康的に楽しむスタイルのほうが主流のようです。

■それでも、欠かせないのは「ビール」!「ゴミ袋」で後始末も忘れずに

お花見に欠かせないものを聞きました。これまでの調査では、“酒宴”スタイルの花見は縮小傾向にありましたが、ここでは「ビール」が堂々の1位。やはり“これがなくては始まらない”という人は健在のようです。ただし男女別に見ると、男性36.7%、女性16.7%で、男女差は20%も。一方、「温かいお茶」は、男性12.7%に対して女性19.1%で、女性のほうが上回っていました。花見=“酒宴”を楽しみにしているのは、男性に多いようですね。

2位の「カメラ」25.2%は、「散歩」や「観賞」型花見には欠かせないアイテムなのかもしれません。3位「レジャーシート」23.8%は、「ピクニック」型にも「宴会」型にも必要なもの。そして、4位に「ゴミ袋」18.2%が入りました。3位までは、どちらかといえば花見を楽しむためのアイテムですが、「ゴミ袋」は、後片付けのアイテム。花見のような娯楽イベントに際しても、欠かせないものの4位に「ゴミ袋」が入ってくるとは、日本人らしい気質がうかがえます。日本人のきれい好きや公共意識の高まりが反映していると言えそうですね。

■本当のおすすめスポットは“秘密”?全国の名所から“近所の桜”まで

おすすめの花見スポットを聞きました。やはり、それぞれの地元の名所を挙げた回答が多数。地元以外に、旅先などの訪問地を紹介してくれる人もいました。いずれも、心に焼き付いた風景や個人的なエピソードを添えたものが少なくありませんでした。「家の周囲が桜だらけなので、改めて花見をしたことはありません」(奈良県)といった、うらやましいような回答も。“近所の公園”“自宅から見える桜”などをおすすめスポットに挙げ、具体的な地名は書いていない人も目立ちました。有名無名問わず、それぞれ自分の住む地域に自慢のスポットがあるようです。さらに、“教えたくない”“秘密です”との回答も。混んでほしくない、自分だけのひそかな楽しみにしておきたいという心情がうかがえます。“自分にとっての名所”と心に決めた場所があるというのも、桜ならではのことかもしれませんね。

今までお花見に行って良かった場所、おすすめスポットがあれば教えてください。
・札幌の円山公園(北海道)
・函館市の五稜郭公園(北海道)
・弘前城の桜。ソメイヨシノは終わっても、しだれ桜がとてもきれいだった(秋田県)
・やはり日本三大桜の一つ、福島県三春の滝桜(福島県)
・幸手権現堂。桜と菜の花が同時に見られる(埼玉県)
・新宿区の神田川沿い。桜が散って川一面がピンク色だった(埼玉県)
・上野公園は人出も多いが、屋台などの雰囲気も相まって楽しかった(東京都)
・千鳥ヶ淵の桜はとてもきれいでした。ゆっくり桜を眺めながら散歩できました(東京都)
・隅田川の船に乗り桜見物(神奈川県)
・河津桜が川沿いにきれいでよかった(静岡県)
・名古屋城のお堀沿いはとてもきれいです(愛知県)
・哲学の道(京都府)
・造幣局の通り抜け。種類が豊富で驚いた(大阪府)
・天下の姫路城界隈・周辺の夜桜!(兵庫県)
・家の周囲が桜だらけなので、改めて花見をしたことはありません。春の日常の景色です(奈良県)
※()内は回答者が居住している都道府県です

■飲み過ぎた失敗から、美しい思い出まで…桜はやはり、特別な花

【場所取りの思い出】
● 50数年前のこと、新人時代場所取りをしていて、油断していたら取ったはずの席がなくなっていて参った(70代以上男性)
● 仲間が席を取ってくれていたのに、人が多すぎることと、暗くなってしまったため、合流できなかった(70代以上男性)
● 夕方の宴会前に、隣で場所取りをしていた人と出来上がってしまった(50代男性)

【やはり、花見にお酒はつきもの】
● 飲みすぎて帰りの電車で終点まで寝過ごし、タクシーもつかまらず、家まで3時間歩いて帰ったことかな!(60代男性)
● お花見の途中、酔っぱらった知人が川に転落。周りの人が川に飛び込んで助けた(60代男性)
● 若い頃は、井の頭公園をひとりで歩いていると、あちこちの宴席に呼ばれてタダ酒が飲めました(40代女性)

【寒かった…/花粉症がつらい】
● 3月下旬花寒の頃のお花見で、暗い中、ガタガタ震えながら飲んでいたことがあります(50代女性)
● 花粉症でお酒を飲むのでティッシュ一箱を使い切ってしまった(50代男性)
● 寒い中でビールを飲むからトイレが大変(50代男性)
● 夜桜を見に行ったら寒すぎて断念。みんなで居酒屋に直行しました(30代女性)
● 花粉の時期とかぶるので、つらくなってきて、行かなくなってしまいました(30代女性)

【やはり、桜は特別】
● 桜の満開の木の下で家族写真を撮影した。5歳の孫が撮影。家族みんなの笑顔が忘れられない(70代以上女性)
● 外出をためらっていた99歳の母が、桜の季節だけは誘いに乗って、車中からのお花見に出かけてくれた。桜は特別な花なんですね(70代以上女性)
● 人混みは嫌いなので毎回行こうか迷いますが、行ってみるととても幸せな気分になります(60代女性)
● 桜の木の下でプロポーズした(50代男性)
● ふらっと地元の桜祭りにいったら、中学校の同級生もいて、桜の下でプチ同窓会になった(30代女性)

最後に、お花見にまつわるエピソードを聞きました。
「新人時代場所取りをして…取ったはずの席がなくなっていて参った」など、最近は減る傾向にあるとはいえ、やはり職場の花見の場所取りにまつわる思い出が。花見の宴席は人を開放的にするのか、宴会が始まる前に「隣で場所取りをしていた人と出来上がってしまった」、「あちこちの宴席に呼ばれてタダ酒が飲めました」というエピソードも。「飲み過ぎて…家まで3時間歩いて帰った」「酔っぱらった知人が川に転落」など、お酒の失敗もつきもののようです。

「花冷え」の言葉もあるとおり、まだ意外に冷え込むことがあります。「ガタガタ震えながら飲んでいた」など、寒かった思い出を挙げている人が多数。「寒すぎて断念。みんなで居酒屋に直行しました」と、結局はただの飲み会に。また、花粉症と重なり苦しむ人も多いようで、「花粉の時期とかぶるので」行かなくなったという回答も…。「満開の木の下で家族写真を撮影した」「桜の下でプチ同窓会になった」など、家族との思い出や人との出会いなど、印象的なエピソードを紹介してくれる人もいました。桜は、日本人にとって、やはり特別な花。不思議な出会いや心に残る思い出を演出してくれるもののようです。花粉症の人にはつらい季節ですが、風邪を引かないようしっかり防寒対策をして、シーズンに一度はお花見に出かけたいものですね。


【調査概要】
出典:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「お花見」。
調査期間:2016 年 1 月 25 日~2 月 8 日、DIMSDRIVE モニター4,251 人が回答。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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