飲食店での喫煙・禁煙に関する意識調査(20~69歳の男女対象)
2020年02月21日リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2020年4月1日より改正健康増進法が施行され、飲食店では原則屋内禁煙になることに関連して、飲食店での喫煙・禁煙に関する消費者意識の変化についてアンケートを実施しました。
調査対象は、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女。
調査要約
POINT1. 喫煙者の割合は17.0%。男性で高い割合
- 喫煙者の割合は17.0%で、うち4.7%が主に電子たばこ・加熱式たばこの喫煙者。40代男性の喫煙率が最も高く28.0%、50代男性が26.1%、30代男性が25.8%。
POINT2. 飲食店を選ぶ際「禁煙にこだわる」人が56.9%と過半数。4月以降も飲食店で「喫煙にこだわる」人が、喫煙者では約4割
- 飲食店を選ぶ際、喫煙に「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「喫煙こだわり派」は計16.1%。逆に、禁煙に「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「禁煙こだわり派」は計56.9%。
- 4月以降は、「喫煙こだわり派」が計15.3%、「禁煙こだわり派」が計58.9%。いくぶん「禁煙寄り」の人が多くなる傾向だが、大幅な数字の変化はない。喫煙者では「喫煙こだわり派」が計40.7%。
POINT3. 喫煙を気にして「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加をためらったことがある人のうち、約3分の2は、4月以降は参加の意向
- 喫煙であることを気にして「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加をためらったことがある人が16.1%。
- 10.4%は「今後は参加したいと思う」と回答。特に、30代男女などで参加に前向き。喫煙環境の変化は「会社・仕事関係」の宴会・飲み会の参加意向にプラスの影響を及ぼす可能性が示された。
調査結果
1. 喫煙者の割合は17.0%。30~50代男性が喫煙率トップ3
2020年4月に健康増進法が改正され、東京都等ではさらに受動喫煙防止条例も施行され、飲食店での喫煙が大幅に制限される。飲食店での喫煙の制限が、消費者の店選びや「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加意向にどのように影響しそうかを調査した。まずは前提となる喫煙の状況について、喫煙者の割合は全体で17.0%で、そのうち12.3%が主に(紙巻きなどの)たばこの喫煙者、4.7%が主に電子たばこ・加熱式たばこの喫煙者であった。性年代別では、40代男性の喫煙率が最も高く28.0%、次いで50代男性が26.1%、30代男性が25.8%となっている。また、圏域別では首都圏の喫煙率が最も高く、18.1%となっている。
2. 飲食店を選ぶ際の喫煙環境、「禁煙にこだわる」人が56.9%と過半数
これまでの飲食店を選ぶ際の喫煙環境について、喫煙・禁煙にどのくらいこだわりがあるかを聞いた。全体では、飲食店が喫煙できることに「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「喫煙こだわり派」が計16.1%。逆に飲食店が禁煙であることに「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「禁煙こだわり派」が計56.9%であった。ただ、喫煙習慣別では、当たり前のことながら、喫煙者では「喫煙こだわり派」が計46.4%と全体よりもはるかに多く、非喫煙者では「禁煙こだわり派」が計67.3%と、こちらも全体平均よりも多い結果となっている。また、喫煙者では飲食店の喫煙環境が「どちらでもよい・気にしない」も47.0%と多く、吸える・吸えないにこだわらない人も一定数いることが分かった。
3. 4月以降、飲食店で「喫煙にこだわる」人は減少傾向だが、喫煙者では約4割
次に、2020年4月からの法令改正・条例等により、今までよりも飲食店で喫煙しづらくなることを示した上で、4月以降に飲食店選びで喫煙・禁煙にどのくらいこだわるつもりか聞いた。全体では、飲食店で喫煙できることに「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「喫煙こだわり派」が計15.3%。逆に、飲食店が禁煙であることに「非常にこだわる」+「ややこだわる」の「禁煙こだわり派」が計58.9%であった。喫煙習慣別では、喫煙者は「喫煙こだわり派」が計40.7%、非喫煙者では「禁煙こだわり派」が計69.3%となっている。また、喫煙者では飲食店の喫煙環境が「どちらでもよい・気にしない」が51.1%だった。前ページのこれまでのこだわりと比べると、どの数値もいくぶん「禁煙寄り」の人が多くなる傾向だが、大幅な数字の変化ではなかった。4月以降、かなりの割合の飲食店で喫煙ができなくなることをまだ実感できていないこともあり、調査時点ではこれまでとあまり選び方を変えるつもりがない人が多いようだ。
4. 喫煙を気にして「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加をためらったことがある人は16.1%
今回の調査では、喫煙者と非喫煙者で、飲食店選びにおける喫煙環境へのこだわりが大きく違うことがわかったが、 4月以降に両者が存在する「会社・仕事関係」の宴会・飲み会の在り方に変化が起こる可能性についても調査を行った。これまでに、喫煙であることを気にして「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への「参加をためらったことがある」人が16.1%いた。性年代別では、最多は40代女性で20.6%。次いで30代男女が同率の19.4%、さらに20代女性も18.7%と続いた。喫煙が嫌で、「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加をためらったことのある人が一定割合いる実態が明らかになった。
5. 「会社・仕事関係」の宴会・飲み会に参加をためらったことがある人のうち、約3分の2が4月以降は喫煙を気にせずに「参加したい」
次に、4月以降に飲食店での喫煙環境が変わることを示して、「会社・仕事関係」の宴会・飲み会への参加意向に変化があるか聞いた。「今後は参加したいと思う」人が10.4%、「今後参加したいと思わない」人が5.7%であった。参加をためらったことがある人の約3分の2に参加意向があり、飲食店での喫煙環境の変化は「会社・仕事関係」の宴会・飲み会の参加意向にプラスの影響を及ぼす可能性が示された。性年代別では、30代男性で13.8%、30代女性で12.6%が「今後は参加したいと思う」と回答しており、他の性年代よりも参加に前向きな様子が伺える。
詳しいリサーチ内容はネタ元へ