企業の人手不足・新卒採用に関する調査(大阪商工会議所会員企業対象) 

2015年11月02日
大阪商工会議所は、企業の「人手不足・新卒採用に関する調査」を実施。

【調査結果のポイント】

Ⅰ.人材確保の動向について

1.人材確保状況(正社員、非正規社員)について(単数回答)【表1-1-a、1-1-b】
~正社員が不足している企業は5割超
○正社員については、「かなり不足」「やや不足」と回答した企業を合わせると、51.4%に及んだ。規模別では、500人以上の企業における不足感が強く、「かなり不足」「やや不足」の回答の合計が6割(58.6%)に上る。業種別では、建設業とサービス業で不足感が強い。
○非正規社員については、6割以上(61.7%)が「適正である」と回答している。

2.人材が不足している部門について(複数回答)【表1-2】
~生産・建設現場、営業部門の人材が不足
○不足感が強い部門は、「生産現場・建設現場」(55.0%)と「営業部門」(45.0%)。

3.人手不足の影響について(複数回答)【表1-3】
~需要増への対応が困難な企業も4割以上
○全体の過半数(55.7%)が「社員の業務量が増加した」と回答。「需要増への対応が困難」とする企業も4割以上(44.3%)に及び、人手不足が成長の阻害要因となることが懸念される。
○業種別では、製造業、建設業の半数以上が「需要増への対応が困難」な状況。建設業では「営業力の強化が困難」との回答も54.5%を占めている。

4.人手不足への対応策について(複数回答)【表1-4】
~新卒・中途採用の強化で対応
○7割以上(71.1%)が中途採用を、5割以上(57.0%)が新卒者採用を強化して対応すると回答。「賃金・時給の引き上げ」をおこなった企業は8.1%。

5.人材確保にあたり、国に求める支援策について(複数回答)【表1-5】
~採用に係る助成金の増額とハローワークの機能強化を求める
○全体では、「採用に係る助成金の増額、要件緩和」を求める企業が58.4%、次に、「ハローワークの機能強化」が44.3%と続く。
○規模別に見ると、従業員数300~500人未満の企業では、「学生とのマッチング強化策」との回答(46.7%)が最も多い。

Ⅱ.2016年3月卒業予定者(大学卒・大学院卒)の採用活動について

1.採用活動の実施について(単数回答)【表2-1】
~半数の企業が採用活動を実施
○採用活動を「実施した」「実施中」と回答した企業の合計は50.2%。
○規模が大きいほど、その割合は高い(従業員数500人以上では96.5%、50人未満は24.1%)。

2.採用予定人数の確保状況について(単数回答)【表2-2】
~人材が確保できていない企業は全体の3社に1社、建設業では8割超
○全体の6割超(65.1%)が採用予定人数を確保できた(できる予定)と回答したが、3社に1社(34.9%)は確保できていない。
○業種別では、建設業の8割以上(83.3%)は確保できなかった(できない予定)と回答している。

3.前年度と比較した大学・大学院卒業予定者確保の厳しさについて(単数回答)【表2-3】
~全体の6割超が「厳しい」と回答
○全体の6割超(65.1%)が前年度と比較して新規学卒者の確保が厳しくなったと回答。
○規模別では、従業員数50~100人未満、300~500人未満の75%が、業種別では、建設業の8割超(83.3%)が、「厳しい」と回答している。

4.採用活動を「実施した」「実施中」企業のうち、採用スケジュール繰り下げによる影響の有無について(単数回答)【表2-4】
~影響があった企業は全体の8割超、従業員数の多い企業ほどその割合は高い
○全体の80.9%が「大きな影響があった」「やや影響があった」と回答。
○規模別では、従業員数300~500人未満の93.8%、500人以上の96.4%が「大きな影響があった」「やや影響があった」と回答。

5.どのような影響があったか(複数回答)【表2-5】
~応募者の減少、内定辞退者の増加がそれぞれ半数以上を占める
○全体では「内定辞退者が増加した」と回答した企業が52.9%、次に、「応募者が減少した」が51.0%と続く。
○規模別では、「前年度より応募者が減少した」と回答した割合が高いのは、従業員数50~100人未満の企業(61.5%)、300~500人未満(60.0%)。「内定辞退者が増加した」割合が高いのは、100~300人未満(54.5%)、500人以上(66.7%)。
○また、従業員数500人以上の7割(70.4%)が「採用担当者の負担が増えた」と回答。
○業種別では、建設業で「前年度に比べて応募者が減少した」と回答している割合が他業種に比べて高い。

6.採用スケジュールについて(単数回答)【表2-6】
~全体の6割が、もとのスケジュールに戻すことを希望、従業員500人以上では8割超
○全体の57.9%は「もとのスケジュールに戻す」ことを希望し、「現状維持」は1割(11.9%)にすぎない。一方で、3割弱(28.6%)は「当面は現在のスケジュールを続け、再度検討」と回答。
○特に、従業員数500人以上の企業の8割以上(85.7%)が「もとのスケジュールに戻す」ことを希望、50人未満の企業の半数(50.0%)が「当面は現在のスケジュールを続け、再度検討」と回答。

Ⅲ.その他

1.採用予定人数確保の有無と採用スケジュール繰り下げによる採用活動の影響(クロス集計)【表3】
~確保できなかった企業の約9割は、スケジュール繰り下げによる影響と回答
○「採用予定人数を確保できなかった(できない見込み)」企業の88.7%は、採用スケジュール変更が影響を及ぼしたと回答。「採用予定人数を確保できた(できる予定)」企業でも、76.9%が影響を受けたと回答。

2.採用予定人数確保の有無と今後の採用スケジュールについて(クロス集計)【表4】
~確保できた企業でも、半数以上がもとに戻すことを希望
○「採用予定人数を確保できなかった(できない見込み)」企業の6割以上(61.4%)は、「もとのスケジュールに戻してほしい」と回答。また、「採用予定人数を確保できた(できる予定)企業」でも半数以上(56.1%)が「もとのスケジュールに戻してほしい」と回答。


【調査概要】
・調査目的:人手不足の実態と影響、対応方法、及び2016年3月の新規学卒者(大学・大学院生)の採用スケジュール変更(選考開始時期の8月への繰り下げ)が、企業の採用活動にどのような影響を及ぼしたかについて、会員企業の実態を調査し、今後の事業展開の参考とするため。
・調査期間:2015年10月6日(火)~10月26日(月)
・調査対象:大阪商工会議所会員のうち2,370社
・調査方法:調査票の発送・回収ともにファクシミリ
・有効回答数(回答率):251社(10.6%)

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