第12回グローバル・イノベーション調査 

2016年10月26日
PwCの戦略コンサルティングを担うStrategy&は、2016年グローバル・イノベーション調査を実施した。

12年目となる2016年調査の結果、以下の動向が明らかになった。

・2016年調査におけるR&D支出トップ1000社のR&D支出額は6,800億米ドルと、前年比0.04%増で大幅な上昇は見られなかった。一方で売上高は16兆米ドルで昨年比11.8%減であった。

・日本企業は165社がトップ1000社にランクイン、そのR&D支出は合計1,010億米ドルで、米国に次いで第2位であったが、R&D支出額(8%減)、ランクイン企業数(16社減)ともに昨年比減少している。特にランクイン企業数は調査開始の2005年の276社から大きな減少がみられる。

・産業別では、上位3位は多い順に、コンピュータ・エレクトロニクス、ヘルスケア、自動車であった。2005〜2016年のR&D支出成長率はソフトウエア・インターネットが15.4%と最も高かった。このまま推移すると2018年にはソフトウエア・インターネットは自動車を抜き第3位の業界となるとみられる。また、ヘルスケアは3.6%増で同様に2018年にはコンピュータ・エレクトロニクスを抜いて1位になるとみられる。

・R&D支出の対象については製品ハードウエアの開発から、ソフトウエアやサービスの開発へのシフトがみられる。ソフトウエアやサービスへのR&D支出の平均割当率は2010年から2015年までに54%から59%に増加し、2020年までには63%に増加すると予想される。
この点について、Strategy&のイノベーション・R&D担当プリンシパルのバリー・ヤルゼルスキは「従来型産業においてすら、ソフトウエアとサービスの増加は、ソフトウエア開発、製品関連データの収集・分析プラットフォームを提供できる人材採用増の動向を生み出した。この動向によって、ビジネススクールも既に提供するコースの種類を見直しているほどであり、教育、そして、より全般的な未来の雇用の両方に、甚大な影響を及ぼすであろう」と述べている。

・R&D支出額のランキングは下記のとおりで、アマゾンとグーグルは順位を上昇させた。日本企業ではトヨタが10位という結果であった。


【調査方法】
2016年6月30日時点で過去1年間のR&D支出が多い世界の上場企業上位1000社を特定(R&D支出額について公的なデータが存在する会社)し、各社について主要な財務指標を分析した(売上高、粗利益、営業利益、純利益、R&D支出額)。支出額の数字はすべて、その年の平均為替レートに従って米ドルに換算した。その後各社を、9の業種(あるいは「その他」)に、そして本社所在地によって5つの地域に分類した。調査対象となる1,000社のR&D支出の総額は全世界のR&D支出の40%に上る。
R&D支出対象への理解を深めるため、世界のイノベーションリーダーにオンライン調査を行い、466人からの回答を得た。回答者が所属する企業は全9業種、5つの地域全てが含まれ、その2016年のR&D支出総額は910億ドル、全体の13.5%に上る。

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[Strategy&]
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