国内の高齢者/病者用食品市場規模調査 

2016年12月20日
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、国内の高齢者/病者用食品市場に関する調査を行い、このほど、調査結果をまとめましたのでお知らせいたします。

わが国は諸外国に例を見ない速さで高齢化が進んでいます。2015年9月現在での65歳以上人口は3,384万人です。総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は26.7%で過去最高となりました。総務省統計局によれば、この割合は今後も上昇を続け、第二次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)が高齢者となる2040年の高齢化率は36.1%になる見込みです。

このような時代背景を踏まえ、高齢者/病者用食品のニーズは年々高まっており、市場は年率3~5%前後の成長を続けています。

しかし、需要の増加に伴い、高齢者/病者用食品に対する理解の促進、利用に向けた社会システムの構築は大きな課題です。そのため農林水産省では、2013年10月から「介護食品のあり方に関する検討会議」を設置。2014年11月には新しい介護食品の愛称として「スマイルケア食」が選定され、「選び方」のルールも同時に発表されました。

一方、消費者庁は特別用途食品制度の見直しを検討しており、「えんげ困難者用食品」の許可表示の見直しや「とろみ調整食品」や「糖尿病食」など、新たな食品区分の追加について、2016年度に結論が出される予定です。

本調査は、上記のような状況を踏まえ、関連企業様の開発動向、商品販売動向を時系列に捉え、今後の高齢者/病者用食品市場を予測しました。

【調査結果のポイント】

高齢者用食品市場:2020年に1,400億円市場に
高齢者用食品市場は二桁台で成長を続けてきたが、震災以降102~105%の伸展率となり、2015 年度の市場規模は約1,170 億円。市場は堅調な成長を続け、2020 年には1,400 億円となることが予測される。

病者用食品市場:2020年に400億円に迫る市場に
病者用食品市場は2015 年で約336 億円。103%前後の伸展率を続け、2020 年には400 億円に迫る市場となる。

今回調査対象とした高齢者/病者用食品の分野は、以下の7 カテゴリー。

<高齢者用食品>
① 濃厚流動食品、栄養・水分補給飲料
② 咀嚼・嚥下補助食品

<病者用食品>
③ 腎臓病対応食品
④ 糖尿病対応食品
⑤ 褥瘡・PEM 対応食品
⑥ 鉄・カルシウム・ファイバー補強食品
⑦ 大腸検査食品

上記食品の利用者は主に病院や高齢者施設の患者、入居者、および在宅で食事療法をしている患者や高齢者である。
高齢者用食品(濃厚流動食品と咀嚼・嚥下補助食品)の中には一部③④⑤⑥のカテゴリーの食品も含まれている。


【調査概要】
・調査対象分野:以下7分野の食品
 ① 濃厚流動食品、栄養・水分補給飲料
 ② 咀嚼・嚥下補助食品
 ③ 腎臓病対応食品  
 ④ 糖尿病対応食品
 ⑤ 褥瘡・PEM 対応食品
 ⑥ 鉄・カルシウム・ファイバー補強食品
 ⑦ 大腸検査食品
・調査対象企業:治療食/介護食を取り扱う食品企業、医薬品企業 計41 社
調査方法:アンケート調査およびヒアリング調査、公開情報収集
調査時期:2016 年9 月~2016 年11 月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[シード・プランニング]
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