子ども・青少年のスポーツライフ・データ2017(4~21歳のスポーツライフに関する調査報告書) 

2018年03月13日

笹川スポーツ財団(SSF)は、2年ごとにわが国の幼児から青少年までを対象に、スポーツの「実施頻度」、「実施時間」や「運動強度」などの調査を実施し、直近の現状を明らかにしてきました。このたび、最新の調査報告書となる「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2017」を2018年3月1日に発行いたしました。

これまで「子どものスポーツライフ・データ」「青少年のスポーツライフ・データ」として別々にまとめてきましたが、今回から一冊に集約。小学校・中学校・高校・大学など学校期別の状況を詳しく分析いたしました。継続調査項目に加えて、開催時期が近づくにつれて盛り上がりつつある2020年東京オリンピック・パラリンピックの「直接観戦したい種目」や、最近注目が集まっている「運動部活動の土日の活動状況」などについても調査・分析しています。

調査結果のポイント


【運動・スポーツ実施状況】
  • 過去1年間に運動・スポーツをしなかったと回答した人は、学校期が進むごとに増加していた。
  • 過去1年間によく行った運動・スポーツは、4~12歳では「おにごっこ」が圧倒的多数。運動・遊び系種目が上位を占めた。一方、12~21歳では、球技などのスポーツ系種目が上位を占めた。
【中学校期・高校期における学校運動部活動の状況】
  • 運動部活動の活動日数は、中学校期、高校期ともに「週5日以上」が約9割だった。
  • 土日は中学・高校ともに平日よりも活動時間が長く、部活動をしている高校生の2割が土日のいずれかまたは両日に6時間/日以上活動している。
【2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する意識】
  • 直接観戦希望率は、オリンピック62.3%(2015年調査比3.4ポイント増)、パラリンピック39.2%(同3.7ポイント増)。いずれも男子よりも女子の方が高く、その差はパラリンピックでより顕著だった。
  • ボランティア実施希望率は、オリンピック37.3%(同3.6ポイント増)、パラリンピック35.6%(同5.9ポイント増)。特に高校期で大きく伸びており、最も高かった大学期と同程度だった。
  • 直接観戦したい種目(開閉会式含む)は、バレーボールが最も高く、次いで開会式、サッカー、野球が上位に入った。

調査結果の詳細


【子ども・青少年の運動・スポーツ実施状況】

1.4~11歳の運動・スポーツ実施レベル(報告書 P.84参照)
学校期別の運動・スポーツ実施レベルを学校期別にみると「レベル0(非実施者)」は学校期が進むにつれて割合は増加する。この傾向は「レベル1(年1回以上、週1回未満)」に関しても同様であるが、「レベル1」の方がより増加率が大きい。
一方「レベル3(週5回以上、260回以上/年)」では、学校期が進むにつれて割合が減少している。「レベル4(週5回以上、1回120分以上、運動強度「ややきつい」以上)」は、運動・スポーツの機会が学校での運動部活動が中心となる中学校期、高校期の割合が突出している。

2.4~11歳の運動・スポーツ実施種目(報告書 P.91参照)
過去1年間に「よく行った」(実施回数の多い)運動・スポーツの上位種目を示した。不定期に実施される種目が除外されるので、子ども・青少年の日常的な運動・スポーツへの参加状況の実態をあらわす指標となる。
4~11歳では、「おにごっこ」が47.3%で最も高く、次いで「水泳(スイミング)」(34.2%)、「自転車あそび」「ドッジボール」(30.4%)が実施率30%以上であった。
12~21歳では「バスケットボール」が21.9%で1位となり、次いで「ジョギング・ランニング」(20.7%)、「サッカー」(20.4%)が実施率20%以上で3位までにランクインし、「バドミントン」(18.7%)が4位、「筋力トレーニング」(18.2%)が5位であった。

【中学校期・高校期における学校運動部活動の状況】

1.週あたりの活動日数(P.119参照)
12~21歳の「学校の運動部活動に加入している」と回答した者を対象に、運動部活動の活動状況についてたずねたところ、週あたりの活動日数は、中学校期、高校期いずれも「週6日」が最も多かった。次いで、中学校期は「週5日」、高校期は「週7日」が続く。中学校期、高校期では9割が週5日以上の活動をしている。(図表3)

2.土日の活動時間(P.121参照)
土日における1日あたりの活動時間は、中学校期では「4時間以上5時間未満」が最も多く、高校期では「3時間以上4時間未満」が最も多かった。また、平日の活動時間は2~4時間くらいまでが多いのに比べて、土日の活動時間は2時間くらいから7時間以上まで幅広く分布。長時間の運動部活動は高校期に多くみられ、高校生の部活動加入者のうち2割が土日(いずれかまたは両日)に6時間以上の活動を行っている。(図表4)

【2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する意識】

1.直接観戦希望率(P.69参照)
東京オリンピックの直接観戦希望率をみると、全体では62.3%であり、前回調査の2015年と比べて3.4ポイント上昇している。性別にみると、男子60.8%、女子63.9%であり、男女ともに2015年から3ポイントほど増加している。女子が男子を上回る傾向は2015年と同じであった。(図表5)

東京パラリンピックの直接観戦希望率をみると、全体では39.2%であり、2015年から3.7ポイントの上昇がみられた。性別にみると男子35.8%、女子42.8%であり、いずれも2015年から上昇傾向にある。東京オリンピックと同様、男子よりも女子の方が観戦希望率は高いが、男女差はパラリンピックの方が大きく、女子が男子を7ポイント上回っている。(図表6)

注1)2015年調査は12~19歳まで、2017年調査は12~21歳までを分析対象としている
注2)直接観戦希望率:「あなたは2020年東京オリンピック/パラリンピックを直接スタジアムや体育館などの会場でみたいと思いますか」の問いに対する「そう思う」「ややそう思う」の回答の合計

2.ボランティア実施希望率(P.71参照)
12~21歳における東京オリンピック・パラリンピックのボランティア実施希望率の年次推移をみると、東京オリンピックでは全体が37.3%で、2015年から3.6ポイント上昇した。性別にみると、女子の方がボランティアの実施希望率は高く、2015年時点と比較すると男女ともに実施希望率は上昇傾向にある。学校期別にみると、高校期が最も高く、2015年から10ポイント上昇している。(図表7)

東京パラリンピックでは、全体は35.6%で、2015年時点から上昇傾向にある。直接観戦希望率や東京オリンピックでのボランティア実施希望率が3ポイント程度の上昇であったのに比べ、東京パラリンピックでは5.9ポイントと伸び率が高い。性別にみると、東京オリンピックと同様、女子の方が高く、2015年と比較すると男女ともに上昇している。学校期別では、大学期が最も高かった。高校期は2015年から12.3ポイント上昇し、大学期と同程度まで伸びてきている。東京オリンピック・パラリンピックともに、ここ2年間で高校生の関心は著しく高まっていると期待できる。(図表8)

注1)2015年調査は12~19歳まで、2017年調査は12~21歳までを分析対象としている
注2)ボランティア実施希望率:「あなたは2020年東京オリンピック/パラリンピックで大会開催の手伝いや世話などのボランティア活動をおこないたいと思いますか」の問いに対する「そう思う」「ややそう思う」の回答の合計

3.直接観戦したい種目(P.70参照)
東京オリンピック・パラリンピックの直接観戦希望者に対し、観戦したい種目(開会式・閉会式を含む)を複数回答でたずねた。東京オリンピックの上位15種目をみると、全体では「バレーボール」が35.5%と最も多く、次いで「開会式」34.4%、「サッカー」34.1%、「野球」34.0%と続いた。

調査概要


調査目的:本調査はわが国の子どもや青少年(4歳~21歳)の運動・スポーツ活動の実態を総合的に把握し、スポーツ・フォー・エブリワンの推進に役立つ基礎資料とすることを目的としている。

4~11歳のスポーツライフに関する調査(子ども)
・調査対象:
 母集団 全国の市区町村に在住する4~11歳
 標本数 2,400人
 抽出方法 層化二段無作為抽出法
・調査方法:訪問留置法による質問紙調査(4~11歳は個別聴取法併用)
・調査時期:2017年6月24日~7月20日
・有効回収数(率):1,573(65.5%)
・主な調査項目:運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・運動部、運動・スポーツへの態度、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手、個人属性 等

12~21歳のスポーツライフに関する調査(青少年)
・調査対象:
 母集団 全国の市区町村に在住する12~21歳
 標本数 3,000人
 抽出方法 層化二段無作為抽出法
・調査方法:訪問留置法による質問紙調査
・調査時期:2017年6月24日~7月20日
・有効回収数(率):1,636(54.5%)
・主な調査項目:運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・運動部、運動・スポーツへの態度、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手、スポーツボランティア(12~21歳)、個人属性 等

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[笹川スポーツ財団]
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