子ども・青少年のスポーツライフに関する調査(4歳~21歳対象) 

2018年10月05日

笹川スポーツ財団(SSF)は、2 年ごとにわが国の幼児から青少年までを対象に、スポーツの「実施頻度」、「実施時間」や「運動強度」などの調査を、昨年 6 月~7 月に実施いたしました。(全体の調査結果は 2018 年 3 月に発表済み)
今回、体育の日に合わせ、子ども・青少年のスポーツ実施状況やよく行った運動・スポーツの実施種目、運動部活動の活動状況、そして再来年に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピックの「直接観戦したい種目」の調査結果などをピックアップしました。

調査結果のポイント


運動・スポーツ実施状況
  • 過去 1 年間に運動・スポーツをしなかったと回答した人は、学校期が進むごとに増加していた。
  • 過去 1 年間によく行った運動・スポーツは、4~11 歳では「おにごっこ」が圧倒的多数。運動・遊び系種目が上位を占めた。一方、12~21 歳では、球技などのスポーツ系種目が上位を占めた。
中学校期・高校期における学校運動部活動の状況
  • 運動部活動の活動日数は、中学校期、高校期ともに「週 5 日以上」が約 9 割だった。
  • 土日は中学・高校ともに平日よりも活動時間が長く、部活動をしている高校生の 2 割が土日のいずれかまたは両日に 6 時間/日以上活動している。
2020 年東京オリンピック・パラリンピックに関する意識
  • 直接観戦希望率は、オリンピック 62.3%(2015 年調査比 3.4 ポイント増)、パラリンピック 39.2%(同 3.7 ポイント増)。いずれも男子よりも女子の方が高く、その差はパラリンピックでより顕著だった。
  • ボランティア実施希望率は、オリンピック 37.3%(同 3.6 ポイント増)、パラリンピック 35.6%(同 5.9 ポイント増)。特に高校期で大きく伸びており、最も高かった大学期と同程度だった。
  • 直接観戦したい種目(開閉会式含む)は、バレーボールが最も高く、次いで開会式、サッカー、野球が上位に入った。

調査結果


子ども・青少年の運動・スポーツ実施状況

1.4~11 歳の運動・スポーツ実施レベル
学校期別の運動・スポーツ実施レベルを学校期別にみると「レベル 0(非実施者)」は学校期が進むにつれて割合は増加する。この傾向は「レベル 1(年 1 回以上、週 1 回未満)」に関しても同様であるが、「レベル 1」の方がより増加率が大きい。
一方「レベル 3(週 5 回以上、260 回以上/年)」では、学校期が進むにつれて割合が減少している。
「レベル 4(週 5 回以上、1 回 120 分以上、運動強度「ややきつい」以上)」は、運動・スポーツの機会が学校での運動部活動が中心となる中学校期、高校期の割合が突出している。

2.4~11 歳の運動・スポーツ実施種目
過去 1 年間に「よく行った」(実施回数の多い)運動・スポーツの上位種目を示した。不定期に実施される種目が除外されるので、子ども・青少年の日常的な運動・スポーツへの参加状況の実態をあらわす指標となる。
4~11 歳では、「おにごっこ」が 47.3%で最も高く、次いで「水泳(スイミング)」(34.2%)、「自転車あそび」「ドッジボール」(30.4%)が実施率 30%以上であった。
12~21 歳では「バスケットボール」が 21.9%で 1 位となり、次いで「ジョギング・ランニング」(20.7%)、「サッカー」(20.4%)が実施率 20%以上で 3 位までにランクインし、「バドミントン」(18.7%)が 4 位、「筋力トレーニング」(18.2%)が 5 位であった。

4~11歳(n=1,542)
1 おにごっこ 47.3%
2 水泳(スイミング) 34.2%
3 自転車あそび 30.4%
3 ドッジボール 30.4%
5 ぶらんこ 25.4%

12~21歳(n=1,366)
1 バスケットボール 21.9%
2 ジョギング・ランニング 20.7%
3 サッカー 20.4%
4 バドミントン 18.7%
5 筋力トレーニング 18.2%

中学校期・高校期における学校運動部活動の状況

1.週あたりの活動日数
12~21 歳の「学校の運動部活動に加入している」と回答した者を対象に、運動部活動の活動状況についてたずねたところ、週あたりの活動日数は、中学校期、高校期いずれも「週 6 日」が最も多かった。次いで、中学校期は「週 5 日」、高校期は「週 7 日」が続く。中学校期、高校期では 9 割が週5 日以上の活動をしている。

2.土日の活動時間
土日における1日あたりの活動時間は、中学校期では「4 時間以上 5 時間未満」が最も多く、高校期では「3 時間以上 4 時間未満」が最も多かった。また、平日の活動時間は 2~4 時間くらいまでが多いのに比べて、土日の活動時間は 2 時間くらいから 7 時間以上まで幅広く分布。長時間の運動部活動は高校期に多くみられ、高校生の部活動加入者のうち 2 割が土日(いずれかまたは両日)に 6 時間以上の活動を行っている。

2020 年東京オリンピック・パラリンピックに関する意識

1.直接観戦希望率
東京オリンピックの直接観戦希望率をみると、全体では 62.3%であり、前回調査の 2015 年と比べて 3.4 ポイント上昇している。性別にみると、男子 60.8%、女子 63.9%であり、男女ともに 2015 年から 3 ポイントほど増加している。女子が男子を上回る傾向は 2015 年と同じであった。

東京パラリンピックの直接観戦希望率をみると、全体では 39.2%であり、2015 年から 3.7 ポイントの上昇がみられた。性別にみると男子 35.8%、女子 42.8%であり、いずれも 2015 年から上昇傾向にある。東京オリンピックと同様、男子よりも女子の方が観戦希望率は高いが、男女差はパラリンピックの方が大きく、女子が男子を 7 ポイント上回っている。

2.ボランティア実施希望率
12~21 歳における東京オリンピック・パラリンピックのボランティア実施希望率の年次推移をみると、東京オリンピックでは全体が 37.3%で、2015 年から 3.6 ポイント上昇した。性別にみると、女子の方がボランティアの実施希望率は高く、2015 年時点と比較すると男女ともに実施希望率は上昇傾向にある。学校期別にみると、高校期が最も高く、2015 年から 10 ポイント上昇している。

東京パラリンピックでは、全体は 35.6%で、2015 年時点から上昇傾向にある。直接観戦希望率や東京オリンピックでのボランティア実施希望率が 3 ポイント程度の上昇であったのに比べ、東京パラリンピックでは 5.9 ポイントと伸び率が高い。性別にみると、東京オリンピックと同様、女子の方が高く、2015 年と比較すると男女ともに上昇している。学校期別では、大学期が最も高かった。高校期は 2015 年から 12.3 ポイント上昇し、大学期と同程度まで伸びてきている。東京オリンピック・パラリンピックともに、ここ 2 年間で高校生の関心は著しく高まっていると期待できる。

3.直接観戦したい種目
東京オリンピック・パラリンピックの直接観戦希望者に対し、観戦したい種目(開会式・閉会式を含む)を複数回答でたずねた。東京オリンピックの上位 15 種目をみると、全体では「バレーボール」が35.5%と最も多く、次いで「開会式」34.4%、「サッカー」34.1%、「野球」34.0%と続いた。

調査概要


■調査目的:本調査はわが国の子どもや青少年(4 歳~21 歳)の運動・スポーツ活動の実態を総合的に把握し、スポーツ・フォー・エブリワンの推進に役立つ基礎資料とすることを目的としている。
■調査対象
 母集団:全国の市区町村に在住する4~11歳/全国の市区町村に在住する12~21歳
 標本数:2,400 人/3,000 人
 抽出方法:層化二段無作為抽出法
■調査方法:訪問留置法による質問紙調査(4~11 歳は個別聴取法併用)
■調査時期:2017 年 6 月 24 日~7 月 20 日
■有効回収数(率):1,573(65.5%)/1,636(54.5%)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[笹川スポーツ財団]
 マイページ TOP