「新型デリバリーサービス」についての調査(20~69歳の男女対象) 

2018年11月06日

リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」についてのアンケートを実施しました。調査対象は、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女。
有効回答数:8,993 件 (首都圏 4,539 件、 関西圏 2,439 件、 東海圏 2,015 件)

【解説】
WEBサイトやアプリで手軽に閲覧でき、複数の飲食店が加盟して多くのメニューから選んで注文し、出前・宅配される「新型デリバリーサービス」が増えてきた(※)。今回はそのようなサービスの利用経験や今後の利用意向などを調査した。結果、これまでに「新型デリバリーサービス」を利用した経験のある人は18.8%。直近1カ月でみると、利用したことのある人は3.0%にとどまり、既存の個別飲食店による出前サービスに対して、まだまだ利用率が低いという実態が明らかになった。ただ、このようなサービスの魅力としては「メニューの豊富さ」や「複数のお店の比較」を挙げる人が多く、今後の利用シーンとしては「ホームパーティー」や「会社のパーティー・宴会」で、既存の出前に近い利用意向があった。宴会シーズンを迎えるこれからの季節には、「新型デリバリーサービス」を新規で利用する人が出てくることも考えられ、その際の評価が高ければさらに広まる可能性もあるかもしれない。

※配達については、加盟飲食店がそれぞれ行う場合と、デリバリーサービス側が配達を請け負う場合がある。宅配料については無料・有料など、サービスによってまちまち。

調査結果要約


POINT1. 複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」 を利用したことがある人は18.8%
  • 複数の店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」について、これまでの利用経験は18.8%。
  • 男性30代で利用経験が最も多く、28.3%。
  • 直近1カ月間(調査対象月は2018年7月)の「新型デリバリーサービス」利用率は3.0%。既存の「出前・宅配」(11.1%)より、まだ低い利用率。
POINT2. 利用した理由は「メニューの豊富さ」「複数のお店を比較」など。今後利用したいシーンは「パーティー・宴会」
  • 利用した理由トップ3は「メニューの豊富さ」(43.9%)、「複数のお店の料理を比較できる」(27.8%)、「ポイントなどリピーターの優遇」(26.9%)。
  • 今後の利用したいシーンでは、「ホームパーティー」「会社のパーティー・宴会」などで既存の出前・宅配に近い利用意向があった。

調査結果


1. 複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」の利用経験は18.8%

個別の飲食店からの出前ではなく、複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」について、これまでの利用経験を聞いた。全体としては「利用したことがある」との回答が18.8%であった。性年代別では、30代男性で「利用したことがある」という回答が28.3%と全性年代中で最も多く、2番目は30代女性が25.1%と、30代での利用経験が多かった。男性では、30代に次いで多かったのが20代で、22.7%が「利用したことがある」と回答。一方、女性では30代に次いで、40代女性の21.6%と20代女性の21.0%が「利用したことがある」という回答であった。圏域別では、首都圏では「利用したことがある」人が20.9%と他圏域よりも多かったが、これは首都圏で出前の利用が盛んなことに加え(次ページ参照)、首都圏のみでサービスを提供している事業者があることから、サービスの普及度の違いで関西圏・東海圏よりも利用経験がある人が多かった可能性もありそうだ。

※利用したことがある:「過去1カ月の間に利用したことがある、複数の店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービス」「過去1カ月より前に利用したことがある、複数の店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービス」のいずれかを回答した人を集計

※「複数の店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービス」の表記について
調査票(調査画面)では「(さまざまなお店のメニューから選べる)店舗集合型の宅配・出前サービス」と表記して調査を実施した。本リリース上では「複数の店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービス(新型デリバリーサ―ビス)」と表記している(以下ページも同)

2. 直近1カ月間の「新型デリバリーサービス」の利用率は3.0%

複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」について、直近1カ月(調査対象月は2018年7月)の利用率を聞いた。「宅配・出前は利用していない」人が最も多いが、既存の「個別の店舗からの宅配・出前を利用した」人が11.1%に対して、「複数店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービス(新型デリバリーサービス)を利用した」人が3.0%という結果であった。既存の「個別の店舗からの宅配・出前サービス」、「新型デリバリーサービス」ともに、年代が若いほど利用率が高く、また、圏域では首都圏が関西圏や東海圏より高いという傾向がある中、「新型デリバリーサービス」も同じ傾向で、男女20代や首都圏で利用率が高かった。

3. 利用した理由のトップ3は「メニューの豊富さ」「複数のお店を比較」「リピーター優遇」

実際に複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」を利用した人に、利用した理由を聞いたところ、「ジャンルを超えてたくさんのメニューの中から選べる」が43.9%と最も多い回答で、メニューの豊富さが一番の魅力ととらえられているようだ。次いで2位は「複数のお店の料理を比較して選べる」が27.8%、僅差の3位は「ポイントがたまるなどリピーターが優遇される」が26.9%であった。 性年代別では、30代女性の53.6%が「ジャンルを超えてたくさんのメニューの中から選べる」と回答している。また、40~60代女性では「ポイントがたまるなどリピーターが優遇される」との回答が多く、リピーター優遇策が評価されている。さらに、20・30代男性では「配達エリアが広範囲」が他の性年代より多く、食べたいものがあれば遠くからでも取り寄せたいという気持ちが強そうだ。

4. 今後は「パーティー・宴会」でのニーズが高そう

今後、複数店舗のメニューから注文できる「新型デリバリーサービス」を利用したいシーンや相手を聞いた(下図水色の棒グラフ)。比較のために個別の飲食店舗からの宅配・出前の今後利用したいシーン・相手も掲載している(下図赤の棒グラフ)。両サービスとも傾向は似ているが、やや個別の飲食店舗からの宅配・出前のほうがスコアが高い(利用意向が高い)。いずれのサービスでもシーンでは「夕食」、相手では「家族・親族」が最も多い回答だったが、利用シーンでは「ホームパーティー」「会社や団体・組織等のパーティー・宴会での利用」で、両サービスの利用意向が拮抗している。他にもスコアが小さいセルにおいては数値の接近や逆転などもあるが、複数店舗のメニューから注文できる宅配・出前サービスは、パーティー・宴会向けのサービスとしての利用意向が強そうだ。まだまだ新しいサービスなだけに、これからの宴会シーズンで初めて利用する人の評価や満足度が高ければ、一気に広まっていく可能性もありそうだ。

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