国内の健康・機能性食品素材(原料)市場調査 

2018年11月30日

矢野経済研究所は、国内の健康・機能性食品素材(原料)市場を調査し、各素材別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

<健康・機能性食品素材とは>
本調査における健康・機能性食品素材は、当該食品に主成分として使用される成分のうち、以下の33素材を対象とする。

【33素材】
​青汁、アスタキサンチン、イチョウ葉、ウコン、HMB、L-アルギニン、L-カルニチン、L-シトルリン、オルニチン、核酸、キチン・キトサン、グルコサミン、コエンザイムQ10、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、セラミド、大豆イソフラボン、DHA・EPA、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、BCAA、プラセンタ、ブルーベリー(ビルベリー)、プロポリス、ヘム鉄、マカ、松樹皮、ラクトフェリン、緑茶抽出物(カテキン・テアニン)、ルテイン、霊芝、レスベラトロール、ローヤルゼリー

1.市場概況

2017年度の健康・機能性素材(本調査対象33素材の合計)流通量は15,926.2トン(前年度比8.3%増)、流通金額は1,073億4,600万円(同4.3%増)であり、流通量、金額ともに大幅に伸長した。

健康・機能性食品素材の主力用途である健康食品市場が引き続き成長していることに加え、近年、消費者の健康志向を背景に、一般食品において健康を付加価値とした製品の開発・展開が活発化し、健康・機能性食品素材の需要が増加している。

また美容食品を中心に、引き続きインバウンド(訪日外国人客)需要が堅調であることに加え、健康・機能性素材の輸出が拡大している。中国や東南アジア、アメリカなどに対し、輸出を伸ばす原料サプライヤーが散見され、健康・機能性食品素材の流通量拡大に寄与している。

2.注目トピック

機能性表示食品の拡大、一般食品の健康・機能化が追い風に
健康・機能性食品素材の主力用途は、配合量の多い健康食品であるが、近年、機能性表示食品における一般食品(明らか食品)の消費者庁による受理数の拡大、また、機能性表示食品以外においても、菓子における健康・機能の付与など、健康・機能を付加価値とする商品開発が活発化している。

​一般食品における健康・機能性素材の需要拡大を背景に、原料サプライヤーにおいて、一般食品への配合提案に注力する傾向が強まっている。特に、原料サプライヤーの中でも、一般食品原料や食品添加物を以前から展開し、一般食品の処方、加工技術にノウハウを有する企業が強みを発揮する傾向が見られる。

3.将来展望

健康・機能性素材の主力供給先である健康食品市場は今後も緩やかな成長を維持すると考える。一方で、健康・機能性素材の競合は更なる激化が予想され、原料サプライヤーは新素材、新たな販路開拓・拡大が課題である。

健康・機能性素材の新規用途先のひとつとして期待されるのが、健康・機能の需要が顕在化した、一般食品(明らか食品)用途の拡大である。一般食品における用途拡大のためには、素材の使いやすさ(価格、加工適正等)や、原材料の組み合わせなどの処方提案能力が鍵である。

また、今後も成長が見込まれる中国、東南アジア、アメリカなどの海外における健康・機能性素材の現地需要拡大が期待されることから、海外に対する原料サプライヤーの対応が注目される。

調査概要


■調査期間: 2018年7月~9月
■調査対象: 健康・機能性食品素材・成分メーカー・商社、健康食品受託製造企業、健康食品メーカー、関連団体・省庁、等
■調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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