日清オイリオは、中食※・外食に関する定点調査を開始しました。本レポートは、「中食に関する調査」として、中食利用に対する意識、中食利用時の揚げ物に対する意識について、スーパー、コンビニエンスストアを中心に分析結果をまとめました。

※中食:家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して持ち帰り、店舗以外の場所で食べること。

調査目的


日本フードサービス協会によると、外食市場規模は平成元年より横ばい傾向にあるものの、2018年度は26兆円となっており、客単価は前年比+1.5%、売上は前年比+2.3%と上昇傾向にあります。また、中食※1市場は2018年に初めて10兆円規模となり、今後もますます拡大していくと考えられます。そこで、日清オイリオグループ(株)生活科学研究課では、中食・外食に関する定点調査を開始しました。

「中食に関する調査」として、スーパー、コンビニエンスストア、デパート・百貨店、エキナカ・マチナカの惣菜専門店、お弁当店、その他飲食店(デリバリー含む)などの各チャネルにおける中食利用に対する意識、中食利用時の揚げ物に対する意識について調査を行い、本レポートでは、スーパー、コンビニエンスストアを中心に分析結果をまとめました。

調査結果サマリー


【コンビニ】の中食、70代は約半数が「利用しない」

中食の利用頻度について、月1回以上※利用する割合は72%となりました。【コンビニ】の中食の利用頻度を年代別にみると70代は月1回以上利用する割合は18%と他の年代より低く、「利用しない」と回答した割合も49%と約半数に上りました。

※「1日1回以上」「週に4~5回程度」「週に2~3回程度」「週に1日程度」「2週間に1回程度」「月に1回程度」の合計

【スーパー】の中食を食べるのはもっぱら"自宅で"、【コンビニ】は自宅以外でも

【スーパー】の中食を利用する場所は「自宅で」が96%と高く、自宅以外では「職場で」「屋外で」「友人・知人宅で」「車や電車などの乗り物の中で」の合計が16%と、もっぱら自宅で食べる傾向にありました。一方【コンビニ】は「自宅で」が80%に加え、「職場で」「屋外で」「車や電車などの乗り物の中で」「友人・知人宅で」の合計が52%と、自宅以外の割合も高いことが分かりました。

女性は男性よりも"作れないメニュー"を求める

中食を購入する際に気にしていることとして、男女ともに「作れないメニューである」がトップになりました。年代別割合では、70代を除いて女性が男性より顕著に高くなりました。一方で、「お店で手作りしている」の年代別割合では、女性70代が40%と顕著に高く、男性70代と23ポイントの差となりました。

揚げ物の印象、【スーパー】も【コンビニ】も「おいしい」がトップ、【スーパー】は"手作り感"も評価

中食の揚げ物に対する印象では、「おいしい」は男女とも【スーパー】より【コンビニ】が高くなりました。一方で「手作り感がある」は【コンビニ】より【スーパー】が高くなりました。また、「油分・脂肪分が多い」「油っぽい・べちゃべちゃしている」は、【コンビニ】より【スーパー】が高くなりました。

調査結果


①【コンビニ】の中食、70代は約半数が「利用しない」

Q1.できあいの食べ物の利用頻度はどのくらいですか?

  • 【スーパー】で月1回以上※利用する割合は、20代を除いて60%以上となりました。
  • 【コンビニ】で月1回以上利用する割合は、年代があがるほど低くなり、20代で45%に対して、70代は18%となりました。また、70代は「利用しない」が49%と、約半数に上りました。

※「1日1回以上」「週に4~5日程度」「週に2~3日程度」「週に1日程度」「2週間に1日程度」「月に1日程度」の合計

②【スーパー】の中食を食べるのはもっぱら「自宅で」、コンビニは“自宅以外”でも

Q2.できあいの食べ物はいつ・どこで食べますか?(複数回答)

  • 【コンビニ】の中食を食べるタイミングは20代で「昼食」「夕食」が同じ割合になる一方、60代、70代では「昼食」が半数を超え、「夕食」は低くなりました。
  • 食べる場所について、【スーパー】の中食は「自宅で」が96%となりました。【コンビニ】も「自宅で」が80%に上りますが、「職場で」「屋外で」「車や電車などの乗り物の中で」「友人・知人宅で」など、自宅以外の割合も高くなりました。

●できあいの食べ物を食べる場所

【上位5項目】(複数回答)
スーパーで購入
1位 自宅で 96%
2位 職場で 6%
3位 屋外で 4%
4位 友人・知人宅で 4%
5位 車や電車などの乗り物の中で 2%

コンビニで購入
1位 自宅で 80%
2位 職場で 24%
3位 屋外で 12%
4位 車や電車などの乗り物の中で 11%
5位 友人・知人宅で 5%

③男性は年代に関係なく【コンビニ】の中食を「自分ひとり」で食べる

Q3.できあいの食べ物はだれと食べますか?(複数回答)

  • 男女とも「自分ひとり」が最も高くなりました。また「配偶者・パートナー」や「家族」と食べる割合は、 【コンビニ】 より【スーパー】で高くなりました。
  • 「自分ひとり」の年代別割合をチャネル毎でみると、男性は30代以上で【スーパー】より【コンビニ】が高くなりました。また、【コンビニ】を男女別にみると、70代では女性より男性が顕著に高く、26ポイント差になりました。
  • 「配偶者・パートナー」の年代別割合をみると、【スーパー】【コンビニ】とも60代までは男性より女性の方が高くなるものの、70代では差が無くなりました。
④ホット・常温・チルド品については、【スーパー】ではおかず 【コンビニ】では主食を購入

Q4.スーパー・コンビニで購入するできあいの食べ物は何ですか(複数回答)

  • ホット・常温・チルド品について、【スーパー】では、「肉系焼き物」「揚げ物」などのおかず系が上位ですが、【コンビニ】では「調理パン類」「弁当類」「米飯類」などの主食系が上位となりました。
  • 「揚げ物」は、各チャネル、温度帯いずれも10位以内であり、特に【スーパー】のホット・常温・チルドの「揚げ物」は約6割の人が購入していました。
⑤女性は男性よりも“作れないメニュー”を求める

Q5.できあいの食べ物を購入する際に気にしていることは何ですか?(複数回答)

  • 「特にない」は男性が26%と、女性より11ポイント高くなりましたが、他の項目では女性の方が高くなりました。
  • 「作れないメニューである」ことを気にする割合は、20代から60代では男性よりも女性が顕著に高くなるものの、70代でその差がなくなりました。
  • 「お店で手作りしている」は、女性70代が40%と最も高く、男女差も23ポイントと最大になりました。
⑥20代女性、約3割が「中食の揚げ物は、家で作るよりもおいしい」と評価

Q6.できあいの揚げ物を購入するのはなぜですか?(複数回答)

男性
1位 そのまますぐに食べられるから 56%
2位 揚げ物は家で調理をするのが面倒だから 40%
3位 好きな揚げ物を選べるから 36%
3位 自分が好きだから 36%
5位 揚げ物は家で調理すると後片付けが面倒だから31%

女性
1位 そのまますぐに食べられるから 56%
2位 揚げ物は家で調理をするのが面倒だから 49%
3位 揚げ物は家で調理すると後片付けが面倒だから 46%
4位 好きな揚げ物を選べるから 34%
5位 食事に揚げ物を一品加えたいから 29%

  • 男女とも、「そのまますぐに食べられるから」が56%と1位となり、また、調理の手間に関する回答が上位にくるのも特徴的でした。
  • 「自分が好きだから」は、全ての年代で女性より男性が高くなりました。
  • 「家で作るよりもできあいの揚げ物の方がおいしいから」は女性20代が28%と突出して高くなりました。
⑦揚げ物の印象、【スーパー】も【コンビニ】も「おいしい」がトップ、【スーパー】は“手作り感”も評価

Q7.できあいの揚げ物についてどのような印象をお持ちですか?(複数回答)

  • 「おいしい」と感じる割合は、【スーパー】【コンビニ】両方でトップになりましたが、【コンビニ】の方が男性で10ポイント、女性で18ポイント高くなりました。一方で、「手作り感がある」は、【スーパー】の方が男性で12ポイント、女性で11ポイント高くなりました。
  • 「カロリーが高い」印象を持つ割合は、女性の方が【スーパー】で9ポイント、【コンビニ】では8ポイント高くなりました。
  • 【コンビニ】より【スーパー】で「油分・脂肪分が多い」「油っぽい・べちゃべちゃしている」と感じる割合が高くなりました。
⑧男性70代は、20代の2倍以上の割合で【スーパー】の揚げ物を「生鮮食品などの購入のついでに」

Q8.揚げ物を買うときに、一緒に買うことが多い食品・飲料は何ですか?(複数回答)

スーパー

男性
1位 生鮮食品などの購入のついでに 30%
2位 お茶系飲料 28%
3位 サラダ系 27%
4位 ビール 24%
5位 スナック菓子23%
6位 弁当系21%
7位 すし類 21%
8位 ヨーグルト 21%
9位 焼き物系お惣菜 21%
10位 アイスクリーム 20%

女性
1位 生鮮食品などの購入のついでに 43%
2位 サラダ系 36%
3位 お茶系飲料 22%
4位 ヨーグルト 20%
5位 アイスクリーム 19%
6位 すし類 18%
7位 ビール 18%
8位 果物 17%
9位 和え物系お惣菜 17%
10位 デザート・スイーツ 17%

コンビニ

男性
1位 お茶系飲料 36%
2位 弁当系 29%
3位 サラダ系 27%
4位 米飯類 26%
5位 炭酸飲料 25%
6位 ミネラルウォーター 22%
7位 スナック菓子 21%
8位 調理パン類 19%
9位 ビール 19%
10位 チュウハイ 16%

女性
1位 サラダ系 31%
2位 お茶系飲料 28%
3位 米飯類 24%
4位 デザート・スイーツ 20%
5位 アイスクリーム 19%
6位 菓子パン類 19%
7位 調理パン類 17%
8位 スナック菓子 15%
9位 弁当系 14%
10位 炭酸飲料 13%

  • 【スーパー】では、「生鮮食品などの購入のついでに」揚げ物を買う割合がトップになりました。また、【コンビニ】では、「お茶系飲料」「サラダ系」がトップになりました。
  • 【スーパー】で「生鮮食品などの購入のついでに」を選択したのは、男性70代が44%と、男性20代の2倍以上になりました。

調査概要


調査日 : 2019年8月2日~12日
調査手法 : web調査
調査対象 : 首都圏(1都3県)、近畿圏(2府4県)に居住する20~70代の男女
《スクリーニング調査》サンプル数:10000サンプル
《本調査(月1回以上 「できあいの食べ物を購入する人」を対象)》サンプル数:2000サンプル

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