「夏のボーナス」に関する調査 

2014年06月04日
カカクコムが運営する購買支援サイト『価格.com(カカクドットコム)』がユーザーへの意識調査、「夏のボーナス2014 -今年の夏は懐もアツい?ボーナスへの賃上げ効果はいかに!?-」を実施。

【調査結果ダイジェスト】

●推定平均支給額:平均55.8万円と、昨年から1.4万円(2.6%)の微増。

●男女・年齢・家族構成別:30~50代中間層の支給額が増加。単身者や夫婦世帯の伸び率が上昇

●企業規模別:「1000~5000人未満」の企業で9.1%増。大企業を中心に増加

●自由に使える金額:半数以上が「10万円未満」。金額の増減については、「変わらない」が55.1%、「減った」と感じている人の割合は減少

●使い道:トップは「貯金」182,031円、「商品・サービスを購入する」65,732円(前年比2.6%減)。モノやサービスの購入にかける予算は年々減少

●購入予定の商品:例年通り「洋服・ファッション関連」(11.5%)がトップも、調査開始以来、初めてすべての項目で前年割れに。

●消費税率アップによる購買意欲:「購買意欲が下がった」23.5%、 「やや購買意欲が下がった」28.0%と、約半数で購買意欲が低下


【調査結果】

夏のボーナスの推定支給額:平均55.8万円と、昨年から1.4万円(2.6%)の微増。アベノミクス効果の表れか

この夏のボーナスの推定平均支給額は、55.8万円。昨年2013年の夏のボーナスと比べて1.4万円(2.6%)のアップとなった。昨年2013年の夏のボーナス推定平均支給額は、前年比マイナスという結果だったので、アベノミクス効果が1年経ってようやく形になって表れてきたと見ることもできる。
支給予想額の金額レンジの割合は、昨年と大きくは変わっていないが、全体に少しずつ金額が底上げされている印象だ。特に増えているのが「50~70万円未満」「70~90万円未満」「90~120万円未満」といった中間層の金額レンジで、この部分がわずかながら増加していることが全体の金額アップに寄与している。また、「ボーナスなし」の割合も前年から2.2%ほど減少しており、これまで支給ゼロだった人にもなにがしかのボーナスが出るケースが増えていることが読み取れる。

30~50代の中間層の支給額が増加。家族構成別では、単身者や夫婦世帯の伸び率が上昇

夏のボーナス推定平均支給額を性・年代・家族構成別に示したのがこの表だ。性別では、前年比で男性が3.1%のプラスなのに対し、女性は11.6%のマイナスとなっており、男女間での増減が対照的な結果となった。ただし、前年調査では逆に女性の伸び率が10.2%と高いことから(男性は-1.4%)、調査データのゆれと考えられる。

年代別では、30代、40代、50代といった中間層は軒並み前年比プラスで、特に30代の伸び率が5.4%ともっとも大きくなっている。これに対して、若年層である20代と、シニア層の60歳以上では前年比マイナスとなっており、特に60歳以上の下げ幅が-13.9%と大きい。前述の金額レンジの割合と合わせて考えると、30~50歳くらいの会社内の中堅層については伸びが大きいものの、若年層や、特にシニア層については、やや厳しいボーナス支給状況となっていることがわかる。

なお、家族構成別に見ると、単身者や夫婦世帯の伸び率が高いのに対し、夫婦と子供、3世代同居といった世帯では伸び率が低い。この結果を見ると、20代、30代の比較的若い層の伸び率が高いようにも思えるが、20代はむしろ前年比マイナスとなっていることから、もっとも伸び率が高いのは、30代の単身者あるいは夫婦世帯ということになりそうだ。

自由に使える金額:例年と変わらず半数以上が「10万円未満」

支給される予定の夏のボーナスのうち、ローン返済などの必要経費などを除いた、自由に使える金額を聞いた。もっとも多い金額レンジは「5~10万円未満」で18.4%、次いで「3~5万円未満」で14.8%、さらに「10~20万円未満」の13.0%と続く。全体的な分布としては、例年と大きな差はなく、半数以上の人が自由に使えるお金を「10万円未満」と回答した。

自由に使える金額:「変わらない」55.1%。「減った」と感じている人の割合は減少

支給予定のボーナスのうち、自由に使えるお金が増えたか減ったかを感覚値で答えてもらった。結果としては、過半数を超える55.1%が「変わらない」と回答しており、「増えた」の総計が11.6%、「減った」の総計が33.4%となった。なお、前年調査時には、「増えた」が11.0%、「減った」が38.0%だったので、さほど増えてはいないが、減ったと感じている人が少なくなり、全体としては増加していると見てよさそうだ。

ボーナスの使い道と平均消費金額:使い道トップは「貯金」182,031円、「商品・サービスを購入する」65,732円(前年比2.6%減)。モノやサービスの購入にかける予算は年々減少

今夏のボーナスで、どんなことにいくらくらい使うか、その使用用途と金額を聞いてみた。

まず、金額ベースで見てみると、前年よりも増加しているのは「貯金」と「国内旅行」「子供の教育費」の3点のみ。そのほかは、すべて前年比マイナスで、特に「金融商品の購入・外貨預金など」は、前年の165,087年から130,386円へと、34,701円(-21.0%)もの減少となった。なお、毎年金額・割合ベースともトップの「貯金」だが、今年は割合が若干ダウンしており、7割を切った。「ローン返済」も、割合・金額ともにダウンしている。しかし、その分、ほかの消費にお金が回っているかというとそうでもないようだ。
今回の調査で、割合・金額とも増えているのは唯一「子供の教育費」のみ。平均金額も141,953円と多めであり、教育にかかる費用は年々増加していることを示している。
また、「金融商品の購入・外貨預金など」「金融商品の補填」などは、割合としては微増だが、金額ベースではマイナスとなっており、それほど消費行動が広がっているわけではなさそうだ。「国内旅行」については、金額ベースでは若干の増加だが割合ベースでは若干の減少。「国外旅行」は逆で、割合ベースでは増加しているが、金額ベースでは下がっている。このことから、これらの消費にかける総額はほぼ変化がないものと思われる。
なお、「商品・サービスを購入する」についてだが、金額ベースで前年の67,497円から65,732円へと1,765円(-2.6%)の減少となっている。割合ベースでも若干下がっており、モノやサービスの購入にかける予算は年々圧縮されている様子が見て取れる。

ボーナスで購入したい商品:「洋服・ファッション関連」(11.5%)が今年もトップ。「本・雑誌・漫画」(8.6%)、「ノートパソコン」(8.2%)とつづく。調査開始以来、初めてすべての項目で前年割れに

夏のボーナスで購入したい商品を聞いた。
もっとも多かったのは、例年と同じで「洋服・ファッション関連」(11.5%)。ただし、前年調査では17.6%あったので、割合としては大幅減となる。しかも、10%を超えたのは唯一これだけで、次点の「本・雑誌・漫画」以下はすべて10%未満と、全体としての購買意欲は、前年と比べてもかなりダウンしている印象だ。

3位以下は、「ノートパソコン」(8.2%)、「タブレット端末」(7.7%)、「家具・インテリア」(7.4%)と続く。いずれも、前回調査では10%前後の割合があった項目だが、軒並みダウンだ。特に「ノートパソコン」や「タブレット端末」は、Windows XPのサポート終了にともなって比較的需要が高いカテゴリーであるが、いずれも10%を割り込んで前年よりも2ポイントほどダウンする結果となった。

このように、すべての項目が前年割れとなっており、購買意欲が高まっている項目はゼロという結果となった。これは、この調査を始めて以来、初のことであり、消費者が夏のボーナスで買いたいと思うモノ自体がなくなっていることを示唆しているように思える。


【調査パネル】
・調査エリア:全国 調査対象:価格.comID 登録ユーザー
・調査方法:価格.comサイトでのWebアンケート調査 回答者数:3,624人
・男女比率:男性92.2%:女性7.8%
・調査期間:2014年5月15日~2014年5月21日
・調査実施機関:株式会社カカクコム
「価格.comリサーチ」調べ

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