オプトは、首都圏に住む満15~69歳の男女1000人を対象に、「オムニチャネル」化する生活者の消費行動について調査しました。

【調査の背景】

オムニチャネルとは・・・直訳すると、「すべての(オムニ)顧客接点(チャネル)」という意味で、小売業者が実店舗やWebサイト、ソーシャルメディアなど、あらゆる販売チャネルを統合して、顧客が望む形で顧客体験を提供する戦略。「オムニチャネル」戦略が必要とされてきた背景には、

 ●生活者が、オンラインとオフラインを区別しなくなった
 ●生活者が、様々なデバイスとメディアから情報を得て商品を比較・想像するようになった
 ●生活者が、自由に店舗・Webサイト・アプリを行き来できるようになった

といった環境変化があります。
本調査は、こうした現在の環境における生活者の消費行動実態と、購入チャネルに対する欲求の変化を明らかにして、広く「オムニチャネル」戦略に携わる関係者の方に参考データを供することを目的としています。

【調査トピックス】

1.携帯電話からスマートフォンへの移行が消費行動に影響
・大型商業施設内での、商品・サービス情報の検索行動は、スマートフォンユーザーで20%以上、携帯電話ユーザーは5%以下。

2.実店舗での不便・困りごと経験
・「商品が店内のどこにあるかわからない」「欲しい商品の在庫がなかった」「商品の品揃えが豊富でない」経験は約7割が『ある』

3.「オムニチャネル」化した購買行動
・<家電製品>の購入では半数が「ネットで商品を比較し、どの商品を買うか決めて店舗に行った」 
・<書籍・マンガ・CD・DVD>では、4割近くが「店舗とショッピングサイトを使い分けて購入」
・<飲食店>で「店舗に行く前に、クーポンをネットで検索」は半数近くに
・ショールーミング=「店舗で実物を見て後日サイトで購入」は<家電>で38%、<ファッション>で32%
・「買物中にスマートフォンなどを利用して情報収集」は<飲食店><家電>で3割弱
・消費がオムニチャネル化した人は、「ソーシャルメディア等への投稿をよくする」インフルエンサーが多い

4.買い物に便利なアプリ・サービスの利用意向
~「事前在庫確認」「事前品揃え確認」は70%以上が『利用したい』、「ショッピングサイト、実店舗の価格情報一括比較」「実質的なお得さを比較できるサービス」も60%超

【調査結果概要】

1 モバイル機器での消費関連行動
~携帯電話からスマートフォンへの移行が消費行動に影響

モバイル機器の利用目的のうち、「お店の情報や口コミ情報、ネット上のクーポンなどを探す」「商品・サービスの情報や価格、口コミ情報などを探す」といった商品・サービス情報の検索行動の比率をシーン(場面)別に調査した。
<大型商業施設内>の利用目的では、商品・サービス情報の検索行動はスマートフォンユーザーの20%を超えており、<移動中の乗り物の中>でも20%前後に及ぶ。一方、こうした行動は携帯電話ユーザーでは5%以下にとどまっており、携帯電話からスマートフォンへの移行が消費行動に影響していることがうかがえる。

2 実店舗での消費経験(不便・困りごと)
~「商品が店内のどこにあるかわからない」「欲しい商品の在庫がなかった」「商品の品揃えが豊富でない」は約7割が『(よく+ときどき)ある』

店舗で不便を感じた経験についてみると、「商品の探しやすさに不満を感じること」が『(よく+ときどき)ある』という人は3人に2人の割合(65.5%)にのぼる。次いで、「商品に関する情報に不足を感じること」も57.9%と6割近い。
店舗での困りごととしては、「欲しい商品が店内のどこにあるかわからない」「欲しい商品の在庫がなかった」「商品の品揃えが豊富でない」にそれぞれ70%前後の人が『(よく+ときどき)ある』と回答している。

3 オムニチャネル化した購買行動
~<家電製品>の購入では半数が「ネットで商品を比較し、どの商品を買うか決めて店舗に行った」 

オムニチャネル化した購買行動のうち、インターネットの情報から実店舗への流れについてみると、「インターネットで各ブランドの商品を比較し、どの商品を買うか決めて店舗に行った」は<家電製品>で約半数(49.2%)にのぼるほか、<衣類・ファッション>でも34.9%。

~<書籍・マンガ・CD・DVD>では、4割近くが「店舗とショッピングサイトを使い分けて購入」
実店舗とオンラインの使い分け・連携としては、<書籍・マンガ・CD・DVD>で4割近く(38.7%)が「好きなブランド(作家、アーティスト)の商品を、店舗とショッピングサイトを使い分けて購入する」と回答しており、これは<衣類・ファッション>(35.8%)、<家電製品>(35.4%)でも3割台半ばにのぼる。

~<飲食店>で「店舗に行く前に、クーポンをネットで検索」は半数近くに
<飲食店>では、「店舗に行く前に、売っている商品(メニュー)をホームページで確認してから行く」が51.1%、「店舗に行く前に、その店のクーポンをインターネットで検索する」も48.9%にのぼる。

~ショールーミング=「店舗で実物を見て後日サイトで購入」は<家電>で38%、<ファッション>で32%
~「買物中にスマートフォンなどを利用して情報収集」は飲食店、家電で3割弱

実店舗での「ショールーミング」行動をみると、「店舗で実物を見たり説明を聞いたりして、後日、ショッピングサイトでその商品を購入」は<家電製品>で37.9%、<衣類・ファッション>で31.9%。このケースでの購入サイトは「ネットショッピングモール(Amazon、楽天など)」が70~80%程度と多くなっている。
「店舗での買物中に、スマートフォンなどを利用して情報収集をすることがある」は<飲食店><家電製品>で3割弱(各28.6%、28.2%)を占めるほか、<衣類・ファッション>でも26.7%にのぼる。

~消費がオムニチャネル化した人は、「ソーシャルメディア等への投稿をよくする」インフルエンサーが多い
回答者の消費意識・行動をスコア化し、オムニチャネル化の程度から生活者を分類し、その属性・特徴を集計した。(*)
オムニチャネル化度の高い生活者は、男女同程度みられ、20~30代、事務職、学生などの属性が多くなっている。
また、オムニチャネル化度の高い生活者は、スマートフォンユーザー、タブレットユーザーが多く、「ソーシャルメディア、ブログや口コミサイトへの投稿をよくする」「自分は流行に敏感な方だと思う」「家族や友人に商品や店のことを教えてあげることがよくある」といったインフルエンサー的な傾向がみられる。

<オムニチャネル化度別生活者の属性>
*「オムニチャネル化のベース意識・行動」「オムニチャネル化した購買行動」の回答をスコア化し(「よくある」4点~「まったくない」1点などとして積み上げ)、回答者を消費意識・行動のオムニチャネル化度「高」「中」「低」に分類。

4 オムニチャネル・サービスの利用意向
~スマートフォンなどでの「事前在庫確認」「事前品揃え確認」サービスは70%以上が『利用したい』
~「ショッピングサイトだけでなく、実店舗の価格情報も一括比較できるサービス」「店舗でもらえるポイントやセールなどの情報を加味して、実質的なお得さを比較できるサービス」も60%超の利用意向

買い物に便利なアプリ・サービスを各種提示し、利用意向を調査した。
『(ぜひ+まあ)利用したい』という人の比率をみると、「ほしい商品の在庫が事前に確認できるサービス」(72.2%)、「商品の品揃えが事前に確認できるサービス」(71.9%)で7割を超える。
 また、「ショッピングサイトだけでなく、実店舗の価格情報も一括比較できるサービス」(63.6%)、「店舗でもらえるポイントやセール等の情報を加味して、実質的なお得さを比較できるサービス」(62.4%)といった、オンライン・オフラインにこだわらず最も良いチャネルを選べるサービスや、「お得な情報、新商品やイベント情報が表示されるサービス」(59.6%)、「商品棚の位置や在庫情報がわかるサービス」(59.5%)の利用意向が高くなっている。


【調査概要】
調査地域:1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)
調査対象:満15~69歳の男女個人
調査方法:インターネットリサーチ
有効回答数:1000人
調査日時:2014年2月22日(土)~2月24日(月)

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