「消費者のモノの選び方」に関する意識・実態調査 

2014年07月08日
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、20~60代の男女500名を対象に、「消費者のモノの選び方」に関する意識・実態調査を実施。

消費者の購買意欲を左右する様々な要因の中でも、価格表記や容量、成分含有量・濃度といった“数字”に焦点をあて、これらの“数字”がどのように購買意欲に作用しているかについて、生活者調査をおこないました。その結果、“数字”が購買に際してひとつの大きな指標となっている一方で、誤解や不安などにつながっていることもあり得ることが分かりました。

【調査結果サマリ】

・価格表記、容量、有効成分量… 「“数字”が購入の決め手」 が8割

・“数字”そのものが魅力!? 比較のための“数字”・信頼を高める“数字”

・算出根拠に不安&疑問、見極める自信があるのはわずか3割


【調査結果】

◆ 価格表記、容量、有効成分量… 「“数字”が購入の決め手」 が8割

まず、20~60代の男女に対して、「○割引き」、「○%オフ」などの価格表記や、「○%増量」といった容量、有効成分量などを示す「有効成分○倍」などの“数字”の例をあげた上で、「商品に関する“数字”が購入のきっかけ・決め手となることはありますか?」と聞いたところ、78%と約8割の人が「ある」と回答。“数字”が消費者の購入意欲に影響を与えていることが端的に表れた結果となりました。
“数字”で表記される商品情報・特長は様々なバリエーションがあり、商品特長を端的に提示する方法として活用されています。そこで、数ある“数字”の中でも、どのようなものを注視しているかについて聞いたところ、「価格(割引されているかどうか)」(53%)と「価格(正規価格)」(53%)が同率で最多回答、続いて、「容量」(26%)、「含有成分の量」(16%)が上位に並びました。

◆“数字”そのものが魅力!? 比較のための“数字”・信頼を高める“数字”

こうした“数字”を注視するかどうかについては、購入する商品によっても差が出ると考えられます。購入にあたって“数字”を特に意識する商品カテゴリについて聞いたところ、「飲料・食品」が最も多く82%、次いで「家電・デジタル製品」が45%、「衛生用品(シャンプーやティッシュペーパー、洗剤など)」が42%。使用頻度が高い日用品類のほか、スペックなどが数字で表わされることが多い商品が選ばれています。加えて、「化粧品(ファンデーションや化粧水など)」(29%)や「市販薬(飲み薬、貼り薬、塗り薬)」(23%)といった、有効成分量などが数字で表わされることが多い商品についても、約3人に1人が“数字”を気にして選んでいると回答する結果となりました。

これらの商品において、“数字”を注視する理由としては、52%と半数が「他商品と比較する際に数字が便利だから」と回答。「どのような商品でも、有効成分など具体的なことは数字が一番分かりやすい気がする。(40代・女性)」、「サプリメントや薬は数字をベースに複数商品と比較できるから。(50代・女性)」などのコメントにも見られる通り、“数字”が明示されることによって大小が明確になり、手軽に比較ができるという点がポイントであると考えられます。

その一方で、約4に1人が「数字が出ていると効果がありそうに感じるから」(25%)、「数字が出ていることで商品が魅力的に見えるから」(25%)とそれぞれ回答しており、“数字”そのものに魅力を感じている人もいるようです。また、「数値が出ていると、実験などをしてきちんと調べられていると感じる。(30代・女性)」や、「特にこれといった理由はなく、なんとなく数字を見るだけで気になってしまう。(60代・男性)」などの声も多数集まり、“数字”が記載されていることで商品の信頼度が高く見えると感じている人や、何らかの“数字”が表示されているというだけで、「なんとなく」商品を選んでいる人もいることが分かりました。

◆ 算出根拠に不安&疑問、見極める自信があるのはわずか3割

一口に“数字”といっても、「○%オフ」や「○倍」など、比較の上で示されるものに関しては、その算出根拠は多岐にわたります。こうした“数字”について、算出されている方法を見極められる自信があるかどうかを聞いたところ、73%と7割の人が「自信がない」と答えており、表面的な“数値”の大小、もしくは、そのイメージだけで「なんとなく」意思決定をしている可能性が高いと考えられます。

“数字”そのものだけでなく、パッケージなどに記載されている算出根拠まで意識できているかどうかという質問に対しても、約半数の人が「意識していない」(55%)と回答。ここでも、「なんとなく」選んでいることが裏付けられる結果となり、“数字”が商品購入の意思決定に大きな影響を与えているにもかかわらず、その“数字”の意味を理解していない人が多い可能性が浮かび上がりました。

さらに、商品パッケージやキャッチコピーなどに含まれている“数字”に対して、「信憑性や確実性を疑問・不安に思うことはありますか?」と聞いたところ、63%が「ある」と答えています。[グラフ3] 「有効成分が1000mgだと多そうに思えるが、単位が分かれば大した量ではない。(20代・男性)」など、“数字”を見極めている人がいる一方で、「何と比較しているのかが分からないし、製造者の恣意的なものでないかの不安もある。(40代・男性)」、「化粧品などの成分表示が本当に正しいのか、自分では調べることができないので。(30代・女性)」など、自分で確かめられないことに対しての疑問・不安の声が非常に多く見られました。

また、「根拠が明白に書かれているものはあまりない気がするが、なんとなく踊らされているなと思いながらも選んでいる。(50代・男性)」、「数字のマジックでよさそうに見せているものもあると思っている。(50代・男性)」といったコメントからも、“数字”の算出方法やその“正しさ”について懐疑的な側面があるにもかかわらず、その不安や疑問を解消しないまま、“数字”で選んでいる人が一定数いることが分かります。


【調査概要】
調査名:消費者のモノの選び方に関する意識・実態調査
調査対象:20代~60代 男女500名 (性別・年代別にて均等割り付け)
調査期間:2014年6月20日(金)~6月24日(火)
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

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[トレンド総研]
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