ニールセン グローバル・コネクテッドコマース調査(63ヵ国) 

2017年01月18日
ニールセンは、「ニールセン グローバル・コネクテッドコマース調査」の結果を発表しました。

現代の消費者を一語で表すとしたら、「コネクテッド」が候補の最上位に来ることは間違いないでしょう。実際、35億人がインターネットを利用し、携帯電話契約者が74億人、アクティブなFacebookユーザーが17.9億人に達する現在、コネクテッドという言葉は、今日の市場を表す語として単に適切以上の一語と言えるかもしれません。あらゆることがオンライン化し、誰もがインターネットに接続し、その結果、古い習慣がすたれて新たな習慣が確立される動きは強まる一方です。実際にデジタルは、ビデオコンテンツの視聴方法や友人や家族とのコミュニケーション方法を含むあらゆるやり取りを一変させてしまいました。

ショッピングのあり方も例外ではありません。デジタル小売によって消費者は、かつてなかったほど多くのショッピング方法や製品・サービスへのアクセス手段を手にしています。消費者は明らかに、好きな時に好きな場所から自由にショッピングできることを歓迎しており、多くの市場において、小売売上額に占めるオンライン販売の割合が2桁に達するようになっています。世界最大のEコマース市場である中国では、2015年の小売購入総額の12.9%をオンライン販売が占めており、韓国では11.6%に達しました。イギリスでは、2016年の年頭から10月までの期間の小売支出総額の平均12.5%をオンライン販売が占めました。アメリカでは、2016年の第1~第3四半期に小売総販売額の平均8.1%がオンライン販売によるものであり、ニールセンではこれがさらに、2020年までに12.2%の年平均成長率で伸びていくと予測しています。

こうした結果は、オンラインでの売上の増加を示すものですが、実際の消費者行動はそれよりも幾分複雑です。その理由は、オンラインとオフラインの販売チャネルの境界線が明確でない状況が続いているからです。従来型の実店舗(ブリック&モルタル)で販売する小売業者がデジタルでの存在感を拡大しており、一方で、ピュアプレイ(ネット専業)の小売業者が実店舗を開店する動きも見られます。そして「コネクテッド」の概念には新たな意味が加わり始めています。すなわち、小売業者がショッピング体験を大きく変えつつある革新的デジタル技術を導入することで、消費者のライフスタイルやショッピング機会とのつながりを強めようとしているのです。「ブリックかクリックか(実店舗かオンラインか)」という観点で考えるのはもはや時代遅れです。「ブリック『アンド』クリック」が、現在そしてこれからの小売の現実なのです。

ニールセンのグローバル・コネクテッドコマース調査では、進化するデジタル購入経路に影響を与える根本的要因を把握する目的で、63ヵ国でオンライン回答者への質問を実施しました。そして、生鮮食料品とその他の消費財のオンライン購入に関連する問題点や障害を考察し、それらの障害の克服を助けるアクティベーション戦略を特定しました。さらに消費者が現在店舗で利用しているデジタルテクノロジーと将来的に期待できるデジタルテクノロジーについても見解を示しています。そして最後に、今後のコネクテッドコマースの発展を促進する、最大の変革をもたらす傾向についても概要を示します。

【主なファインディングス】

・オンラインとオフラインを行き来する行動から読み取れるのは、特定の耐久財やサービス関連製品をオンラインで購入する消費者の過半数が、それらのカテゴリーの製品をオフライン店舗よりもオンラインでショッピングする頻度が高い傾向が続いているということです。一方、生鮮食料品とパッケージ食料品ならびに医薬品またはヘルスケア製品については、逆の傾向となっています。

・消費財のオンライン購入に関しては、「トライアル客」(過去にオンラインで購入歴があるが最近は購入していない客)と「検討客」(現在はオンラインで購入していないが、購入を検討する可能性がある客)に対する最も効果的なアクティベーション戦略は、注文内容と製品が一致しなかった場合の返金保証です。生鮮食料品に関しては、品質に関する懸念への対応戦略が最も高い効果を上げます。

・消費財のカテゴリーでは、購買行動に影響を与えるメッセージを用いて消費者に訴求する上で最も効果のある方法は、実店舗の訪問などの従来型のタッチポイントの活用です。消費者向け電子製品やファッションのカテゴリーでは、購入決定に影響する情報源として最も多くの回答を得たのは、店舗やブランドのウェブサイトなどのデジタルタッチポイントです。

・実店舗ならびにオンラインで、購入補助のためのデジタル技術を利用していると答えた消費者の割合は世界的に低い数値にとどまっていますが、その利用は増加傾向にあります。


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[ニールセン]
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