訪日中国人旅行者街頭アンケート調査(銀座、渋谷、新宿、羽田空港) 

2017年03月07日
フルスピードは、春節時期の訪日中国人旅行者に向けて街頭アンケートを実施した。

【調査背景】

2016年の訪日中国人旅行者はおよそ637万人で、前年比27.6%増となり、引き続き増加傾向にある。(出典:日本政府観光局 JNTO)
しかし、「爆買いの終焉」などとメディアでは報じられている通り、買い物消費額は減少傾向にあり「モノ」から「コト」へニーズが移り、多様化している傾向にあることは明確である。
このような背景があるなか、多様化した訪日中国人旅行者のニーズをつかむため、「いつ」「どのように」意思決定を行うのかという「意思決定のタイミングと場所」を理解することで、多様化したニーズに対応するためのヒントになるのではと考え、今回の調査に至った。

【調査結果サマリ】

■日本に訪れる前に情報収集を始めるタイミングは2か月前~1か月前と答えた人が全体の70%の割合となった

■日本の食事を楽しんだり景色を見るなどの目的で旅行に来ている割合が買い物を目的としている人の割合を大きく上回った。爆買い傾向は下降気味。

■食事をする飲食店を決定するタイミングは60%以上が旅行中、と答えた。旅行前に行きたい飲食店を決めてくると答えたのは全体の21%にとどまった。

■旅行前、旅行中ともに飲食店を決める際重視するのは「日本ならではの食事」「評判、流行の食べ物」「ホテルから近い所」などの回答が続いた。

■旅行中に飲食店を決める際に43%が「気になってフラッと入る」21%が「看板を見て入る」と答えた。「SNSで調べる」と答えたのは全体の5%。

■訪日回数2回目以上の場合「事前に知っている店であれば多少遠くても行く」と答える人の割合が1回目の訪日旅行者よりも約8倍多かった。

■ショッピングする店は「エリアだけ決める」「気になったお店や知っているお店(聞いたことある店)を見てその場で入店する場合が多い」という意見が多く、旅マエの「認知度」が来店を大きく左右している。

■魅力を感じるクーポンの種類は「割引クーポン」の一択。しかし、クーポンの有無が来店やサービス利用の決め手となることは極めて少ない。


【主な調査結果】

■日本旅行の情報収集を始めるタイミング、約70%が2~1か月前から

日本への旅行が決定した後、いつ情報を収集し始めたか、という質問を行ったところ、2か月前~1か月前と答えた人数が最も多く、約70%の回答がこの期間と回答した。2週間前からが約10%、1週間前からが7.3%、1年前から綿密に計画を立てると答えたのは全体の約3.7%程と少数であった。この結果から、訪日中国人旅行者に対して2か月程度先を見越したプロモーション活動を行うことが効果的であると言えるのではないだろうか。

■旅行中に行きたい飲食店を6割が「旅行中」に決めている

日本を旅行中に行きたい飲食店をどのタイミングで決めるか、という質問に対し、62%が「旅行中」と回答した。「旅行前」と答えたのは21%で旅行中と答えた人数の3分の1の割合であった。
この結果から事前に行きたい飲食店を選ぶよりも、旅行中に目的地や現在地に応じて選ぶ傾向にあることがわかる。

■ショッピングするお店は半数が「旅行中」に決める

ショッピングをする店はどのタイミングで決めたか?という質問に対して「旅行前」と回答したのは48%、「旅行中」と答えたのは41%と半分ずつに分かれる結果となった。
しかし、年齢別でみてみると、30代だけが77.8%という圧倒的な割合で「旅行中」と回答した。他の年代は平均して「旅行前」との回答が比較的多い結果となった。旅慣れたリピーター客が増えてきていることもあり、訪れたいエリアだけ事前に決めておいて、細かいプランはその場で調べたり歩きながらフラッと気になった店に入店するようなスタイルで旅している人が多くなってきているようだ。

■旅行中フラッと入るお店は「見たことある、聞いたことある」が選定基準

旅行中「場所だけ決めてフラッとお店に入る」と答えた旅行者に、フラッとお店に入る基準は何か?という質問をしてみたところ。「見たことある、聞いた事がある店」と53%の人が答えた。また「知名度がある店」と答えたのがが38%とそれぞれを合計すると90%近くにのぼった。「事前に知っている」「見たことがある、聞いたことがある」とは意思決定の際の大きな判断基準になる。訪日客の流れは知名度に大きく左右されており、中国国内向けのプロモーションの重要さがわかる結果となっている。

当調査は、中国の大型連休である「春節」シーズンに都内4か所(銀座、新宿、渋谷、羽田空港)で実施。訪日中国人旅行者がよく持っていると言われている“旅行リスト”を、もうほとんどの人が持ち歩いていないことや、「中国人旅行者=クーポンが好き」という日本のニュースメディアでよく見かける前提も崩れつつあるのでは、と考えられる回答も調査の中で得ることができた。


【調査概要】
調査の目的:旅行に関する「意思決定のタイミングと場所」を知る
調査方法:街頭アンケート
調査対象地域:銀座、渋谷、新宿、羽田空港
調査対象者:訪日中国人旅行者
有効回答数:108名
調査日:2017年2月1日

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