「配送サービス」についての調査(20代~60代対象) 

2017年06月01日
千趣会が運営するベルメゾン生活スタイル研究所は、「配送サービス」についての調査を実施。

即日配達や商品のコンビニ受け取り、最寄り施設に設置された宅配BOXの利用などますます便利になるネット通販。
その一方でネット通販の増加による人手不足や再配達などの宅配便問題が今大きくクローズアップされています。この宅配便問題について利用者はどのように感じているのでしょうか。今回は、「ネット通販利用時の配送サービス」について聞いてみました。
2年前に実施した「ネット通販利用時の配送サービス」の調査結果と比較してレポートします。

●今回調査:実施時期2017年4月19日~5月10日、回答者数4655名(20代183名、30代1125名、40代1930名、50代1205名、60代207名)
●前回調査:実施時期2015年6月17日~7月1日、回答者数3100名(20代97名、30代870名、40代1361名、50代672名、60代100名)

【調査結果】

◆9割以上が「宅配便問題」に関心あり。

ネット通販の利用が増加する中、人手不足や再配達の負担など宅配便問題がクローズアップされていることについて、「非常に関心がある」29.1%、「関心がある」64.9%を合わせたほぼ全員の94.0%が関心を持っていることが分かりました。今や誰にとってもネットショッピングが毎日の暮らしの中で欠かせないものとなっているだけに、身近な問題として感じているようです。

Q)ネット通販などの普及で宅配便の配達個数が増加しています。それに伴って 、不在により配達が1度で済まない再配達の増加やスピード競争が、ドライバーの長時間労働、二酸化炭素(CO2)の排出などの問題となっています。あなたは、この問題についてどの程度関心がありますか?

自由回答形式でこの宅配問題についてどのように感じているのか、いくつかコメントを紹介します。

●今まで漠然と配達の仕事は不在宅が多そうで大変そうだと思っていたけど、ヤマト運輸のおかげで問題が明るみに出てきてある意味よかったと思う。ネット通販はとても便利だけれど、商品が届くまでの時間をそんなに早くする必要はないと思う。通販利用客としては配達員さんにはお礼の言葉しか伝えてないけど、しっかり守られた勤務で働いてほしいと思う。(38歳・ 主婦・愛知県)

●ネットショッピングを利用することが多いくせに、仕事をしている為【不在連絡票】が入っている頻度が多い私…。1回目の配達で受け取れなければ【不在連絡票】が入るから~ と気軽に考えている自分がいます。よって、今問題になっている再配達問題の原因の一端は、自分にも多いにあると自覚しています。(54歳・ 契約社員・北海道)

●夫がそのような仕事をしているため、働いている人間の負担については手に取るようにわかります。受け取る側が配達員の負担をもっと理解する必要があると思っています。(25歳・ アルバイト・愛知県)

●受け取る側の再配達に対する意識が低いことに問題があると思う。再配達が無料で何度もしてもらえることに罪悪感さえもたない人もいる。一方的に送られてくるものならともかく、ネット通販は自分で日時を指定できるのだから指定した時間には在宅することが礼儀だと思う。コンビニなどでも受け取れるようになったのだから、不在の場合は受け取り可能な時間や方法を連絡するまで再配達しない、連絡した時間に不在の場合は有料などでもいいと思う。(45歳・ 主婦・埼玉県)

●時間指定をしておいて家にいないのがおかしいと思う。自分で指定して置いたら他に予定は入れない、もしくは時間変更はネットでもできるし、宅配業者の営業所での受け取りも変更できるから、それは責任をもって自分でできるだけのことはやらなければいけないと思う。(42歳・ 主婦・愛知県)

●私は某宅配の会員登録をしているので、日時指定をしていない時でも配達メールが届きます。そのメールで配達希望日時の変更ができますので自分の買い物で再配達をお願いすることはほとんどありませんが、他の宅配業者から送られてくるときは時には不在で、再配達をお願いします。購買者も気を付ける必要はあると思いますが、販売者もできるだけ期日指定を設けるべきだと思いますが、配送料無料だと期日指定できないことが多いですね。(64歳・ 主婦・岡山県)

●消費者の目を引くために、即日配送など、スピードを重視し過ぎるネットショップに問題があると思います。(44歳・ 主婦・岡山県)

●ドライバーさんの負担が増えている部分に関しては何とかしないといけないのではと感じ、自分がネットで買い物をする際も再配達にならないよう一度で受け取れるように自分で出来る事はするように心掛けています。ただ、最近個人の宅配の荷物が150円~200円値上げの予定とニュースで見て、正直そこには納得がいっていません。ネットなどで配送料無料をうたっている所も多く、まずはそちらから大幅に見直すべきだと思います。大手の大口の顧客にも値上げ交渉を行っているともありましたが、まずは取りやすい所から取る感じがして凄く嫌です。実際、ネット通販の利用が増えた事で起きている問題ですし、そちらの料金をどうにかする方が先だと思います。(43歳・ 派遣社員・埼玉県)

●これまで、翌日配達や配送料無料というのは、こちらが受け取ることのできるサービスとしか考えていませんでした。正直、これらの問題は消費者側の問題というよりも、荷主と配送業者間、もしくは、配送業者の企業体質の問題の方が大きく、あたかも消費者側のモラルの低下というニュアンスの報道がなされていることに違和感を覚えています。もちろん、消費者側として工夫出来ることは意識改善していきたいです。(45歳・ 主婦・広島県)

●配達してもらっても不在や在宅中でもタイミングが悪くて受け取れないことがあり、そのことについてはドライバーの皆さんに申し訳ない気持ちもありますが、再配達のサービスを宅配業者が設けている限り、再配達してもらうのは当然の権利だと思っています。再配達の問題を利用者ばかりに押し付ける現在の風潮には疑問があります。再配達によるドライバーの負担が大きいのならば、その問題を解決するのは宅配業者の問題だと思います。利用者に求められるのは、ある程度のマナーや気遣い程度ではないでしょうか。(24歳・ その他 ・北海道)

◆「再配達の問題を解決するために協力できることがある」と4人に3人が回答。

宅配便の再配達の問題解決に協力できることが「ある」と回答したのは、74.9%でした。
年代別の違いはみられず、多くの人が再配達の問題解決に何らかの協力をしたいと考えています。

フリーアンサーで「どのような協力が出来るか」訪ねたところ、
●「なるべく時間指定して、確実に一度で受け取れるように協力したい」(34歳・主婦・愛知県)
●「注文時に日時指定ができない通販事業者や配送事業者は、できるだけ避ける。」(44歳・正社員・千葉県)
など「時間指定の利用」のコメントが多く挙がりました。

また不在で自宅での受け取りが難しい場合には、
●「コンビニ受け取りなどを考えて行きたい」(42歳・正社員・神奈川県)
●「宅配BOXに入れるようあらかじめ指示する」(60歳・アルバイト・神奈川県)
など自宅以外での受け取り場所の利用についても多くのコメントが挙がりました。

そのほか次のようなコメントもありました。
●「宅配BOXの設置を考える」(44歳・正社員・青森県)
●「宅配業者のメンバー会員に登録して、メールで配達日時の確認や変更する」(31歳・主婦・東京)
●「まとめて配達できるように、注文もなるべくまとめてする」(42歳・自営業・秋田県)
●「宅配便での通販利用をこれまでより少なくする」(38歳・正社員・埼玉県)

◆「再配達の費用は、利用者が負担するべき」が2人に1人。
初回配達と再配達の送料は誰が負担するのがよいかと尋ねたところ、初回配達では「通販事業者」の35.1%が最も多く、次いで「通販業者と利用者」の25.4%でした。「利用者」の回答は10.5%に留まりました。しかし、再配達では「利用者」が47.0%と圧倒的に多く、2位の「通販業者と利用者」16.6%と大きな差が表れました。
年代別に見ると、初回配達では、「通販業者」が20代で最も低く26.1%、60代が最も高い41.5%と年代が高いほど「通販業者」の負担と考えています。
一方、再配達では、「利用者」が20代で最も低く39.9%、50代が最も高い52.4%と40代以降では「利用者」の負担と考えています。

宅配問題についてのフリーアンサーから
●「日時指定している荷物の再配達については、お金が発生してもいいと思います」(31歳・正社員・兵庫県)
●「再配達はデメリットでしかない。まずは個人が確実に受け取ることを意識しないといけないと思う。再配達には追加料金を課すくらいのペナルティがあっても良いかもしれない」(43歳・主婦・宮崎県)
●「日時を指定しておきながら(やむをえない場合もあるかと思いますが)留守にするのは失礼な事だと思います。その場合は、再配達に際して別料金をとってもいいのではないでしょうか」(60歳・主婦・福岡県)
など利用者のモラルの問題とするコメントも多数ありました。

◆「不在で商品を受け取れなかった」66.2%、2年前より7.1ポイント減少。

今回の調査では、不在で商品を受け取れないことが「よくある」17.9%、「たまにある」48.3%と合わせて66.2%でした。前回の「よくある」22.7%、「たまにある」50.6%を合わせた73.3%から7.1ポイントの減少となりました。年代別でみると、全ての年代で「よくある」の回答が前回より減少しています。また、「よくある」と「たまにある」の合計も前回より減少しています。

◆不在配達時、9割近くが「再配達の依頼を連絡する」

不在配達の時は、ほとんどの人88.9%が「再配達の依頼を連絡する」と回答。「宅配BOXに入れてもらっている」は15.9%に留まりました。前回から大きな変化は見られずほぼ同じ結果となりました。

◆宅配BOXの設置、「持ち家集合住宅」で7割弱、 「持ち家戸建て住宅」ではほぼ皆無。

宅配BOXが設置されている人は持ち家集合住宅の67.9%に対し、賃貸の集合住宅では13.0%と設置状況は大きく異なります。さらに持ち家戸建て住宅では、1.9%とほぼ皆無に近い状態でした。
宅配BOXが設置されている人に宅配BOXで商品を受け取ることがあるかどうか尋ねると、「よくある」61.4%、「たまにある」28.6%。両方を合わせると90%が宅配BOXで商品を受け取ることがあると回答し、宅配BOXの利用度が高いことが分かりました。

◆宅配BOXの設置意向、「持ち家集合住宅」は7割、「持ち家戸建て住宅」で4割

賃貸や集合住宅では個人の意向だけで宅配BOXの設置は出来ませんが、宅配BOXが設置されていない人に今後は設置したいかどうか尋ねると、「設置したいと思う」が、持ち家戸建て住宅41.4%、賃貸戸建て住宅50.7%に対して、持ち家集合住宅74.7%、賃貸集合住宅70.8%と、戸建て住宅より集合住宅の方が設置意向が高い結果となりました。

「宅配問題」についてのフリーアンサーからも、
●「今は宅配BOXが増えているが、昔の戸建てやアパートではないので、補助などしながら設置をしてもらう取り組みがあると良いと思う」(37歳・ 主婦・東京都)
●「やっぱり宅配BOXがあるとドライバーさんも助かるし、こちらも受け取る手間が減るからいいのかなぁと思いますが、わざわざ設置と費用もかかるしなぁと思うので難しいところですね」(38歳・正社員・大阪府)
●「マンションだけでなく戸建用にも宅配BOXをたくさん売り出して欲しいです」(57歳・主婦・埼玉県)
など宅配便問題の解消策として宅配BOXの関心は高いです。

◆「日時指定」配達の利用は2人に1人、2年前よりわずかに増加。

今回の調査では、「いつも日時を指定して注文する」16.9%、「日時を指定して注文することが多い」37.3%を合わせると54.2%でした。前回の「いつも指定する」16.6%、「指定して注文することが多い」35.3%を合わせた51.9%から2.3ポイント増加しました。年代別でみると、全ての年代で「いつも指定する」と「指定することが多い」の合計値が増加しています。

◆3人に2人は「最短の届け日」を指定。

「いつも日時を指定して注文する」と「日時を指定して注文することが多い」の回答者に、日時指定をしても指定通りに商品が届かないことがあるかどうか尋ねると(Q1)、「よくある」2.7%、「たまにある」27.4%を合わせた30.1%の方が「指定通りに商品が届かない」と回答しました。また、日時指定をしたにもかかわらず、指定したことを忘れたり、急用で不在にしてしまうことがあるかどうか尋ねると(Q2)、「よくある」2.7%、「たまにある」25.2%を合わせて27.9%となりました。さらに、商品のお届け日を指定する場合、最短の届け日を指定するかどうかについても尋ねると(Q3)、「よくある」28.7%、「たまにある」65.5%の方が最短の届け日を指定する結果になりました。
年代別に見ると、30代は3つの質問で「よくある」「たまにある」の合計が高く、50代・60代では低い傾向が見られます。最短の届け日の指定の質問(Q3)では最短の届け日を指定するのは20代の74.3%(「よくある」34.3%と「たまにある」40.0%の合計)が最も高く、最も低いのが60代の55.1%(「よくある」17.2%と「たまにある」37.9%の合計)で、年代が高くなるにつれて最短の届け日の指定は少なくなっています。

(「いつも指定してする」「指定してすることが多い」の回答者)

◆「日時指定」配達の利用意向は、2年前より微増。

今後日時指定サービスを「利用すると思う」38.0%、「多分利用すると思う」41.2%を合わせると、79.3%が今後日時指定サービスを利用したいと考えていることがわかりました。前回と比べて「利用する」は2.3ポイント減少し、「多分利用する」が5.1%ポイント増加した結果、「利用する」「多分利用する」を合わせた合計では2.9%の微増となりました。
年代別に見ると、全ての年代で「利用する」が前回より減少したのに対し、「多分利用する」が増加した結果、「利用する」「多分利用する」を合わせた合計では前回よりも増加となりました。

◆「即日配達」2年前より8.5ポイント増加、20代の4割が「即日配達」を利用。

即日配達を利用したのは27.0%、前回の18.5%から8.5ポイントの増加となりました。
年代別に見ると、全ての年代で即日配達の利用は増加しています。特に、20代15.2ポイント、30代12.7ポイントの増加と若い世代で大きく増加していますが、50代5.9ポイント、60代2.8ポイント増加と年代が高くなるにつれて増加幅は小さくなっています。

◆「即日配達」の利用意向は、2年前より7.2ポイント減少して35.9%

今後即日配達サービスを「利用すると思う」10.5%、「多分利用すると思う」25.4%を合わせると、35.9%でした。前回の「利用すると思う」12.0%、「多分利用すると思う」31.1%を合わせた43.1%から7.2ポイント減少しました。
年代別に見ると、「利用する」「多分利用する」を合わせた合計が全ての年代で減少しています。特に50代8.3ポイント、60代12.0ポイント減少と高い世代で大きく減少しているのに対し、20代4.1ポイント、30代3.2ポイント減少と若い世代では減少幅は小さくなっています。

「宅配問題」についてのフリーアンサーでも
●「利用者としては便利な世の中だけど、運送会社とドライバーさんの事を考えると負担がかなりあると思う」(36歳・主婦・大阪府)
●「即日配達や翌日配達などは企業のサービス競争で、正直言って必要ないと思う」(53歳・主婦・千葉県)などサービス過剰と捉えるコメントもあり
●当日配達や翌日配達などは、郵便の速達料金のように割増料金を取ってもいいと思う」(44歳・主婦・山形県)
など今回の宅配便問題をきっかけに配送スピードについてあらためて考えた結果、前回よりも利用意向が減少したと考えられます。

◆3人に1人が「店舗受け取り」を利用。

「店舗受け取り」サービスが利用できるネット通販の増加によって、「店舗受け取り」サービスを利用した方が32.4%、前回の23.3%から9.1ポイントの増加となりました。年代別に見ると、全ての年代で「店舗受け取り」サービスの利用は増加しています。20代から50代の幅広い世代全体で10ポイント程度増加しています。

◆「店舗受け取り」の利用意向は、2年前より12.4ポイント増加して39.1%

今後「店舗受け取り」のサービスを「利用すると思う」11.7%、「多分利用すると思う」27.4%を合わせると、39.1%でした。前回の「利用すると思う」7.4%、「多分利用すると思う」19.3%を合わせた26.7%から12.4ポイントの大きな増加となりました。
年代別に見ると「利用すると思う」「多分利用すると思う」を合わせた人の割合が、全ての年代で増加しています。特に20代は前回から25.0ポイントの大きな増加となり、他の年代でも10ポイント以上の増加となっています。

「宅配問題」についてのフリーアンサーでも
●「コンビニなどや郵便局などで受け取りができるなら家に何度も来てもらわなくていいから利用したい」(40歳・パート・長野県)
●「駅やコンビニに宅配BOXがあれば間違いなく使います。そういうものを設置してほしい」(34歳・正社員・北海道)
などコンビニをはじめ店舗や駅での受け取りには好意的なコメントが多い一方で
●「店舗で受け取るというものがありますが、その店舗で働いている方はどうでしょうか。本来の仕事に加え、引き渡す業務作業が増えるのではないでしょうか。もしも配達に何らかのトラブルがあればその責任対応も取らざるをえなくなるでしょう」(50歳・ 正社員・福岡県)
●「コンビニ受け取りもいいが、コンビニ側の負担が増えるし個人情報がそこから漏洩しそう」 (41歳・主婦・三重県)
以上のようなコメントもありました。

◆駅や郵便局など「宅配受け取り専用BOX」の利用は、まだ少数。

駅や郵便局などの「宅配受け取り専用BOX」で商品を受け取ったことがあるのは3.6%と少数に留まり、前回の2.3%とほぼ変わらない結果となりました。
年代別に見ると、全ての年代で「店舗受け取り」サービスの利用は増加しています。20代から50代の幅広い世代で前回より10ポイント程度増加しています。

◆今後、駅や郵便局など「宅配受け取り専用BOX」の利用意向は 15.5ポイント増加の26.1%

今後、駅や郵便局などの宅配受け取り専用BOXの利用意向は、「利用すると思う」7.7%、「多分利用すると思う」18.4%を合わせると26.1%でした。前回の「利用すると思う」2.6%、「多分利用すると思う」8.0%を合わせた10.6%から15.5ポイントの大きな増加となりました。
年代別を見ると、「利用すると思う」と「多分利用すると思う」を合わせた割合では、全ての年代で10ポイント以上増加しています。特に、20代30代の利用意向が大きく増加しています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ベルメゾン生活スタイル研究所]
 マイページ TOP