「育児休業」についての調査(企業の人事担当者対象) 

2018年02月16日
エン・ジャパンが運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』上でサイトを利用している企業の人事担当者を対象に「育児休業」についてアンケート調査を実施。502社から回答を得ました。

【調査結果概要】

★ 育児休業の男女別取得実績。女性は76%、男性は18%の企業が「取得実績あり」と回答。
★ 育児休業取得可能な年齢、54%の企業が「1歳まで」と回答。
★ 2歳まで育休取得期間が延長できることの認知度は71%。74%の企業が「良い法改正」と見解を示す。
★ 育休取得社員の復職支援策、トップ3は「休業前の面談」「復職前の面談」「休業中の人事連絡」。困っていること、トップは休業者の代替要因確保。

【調査結果詳細】

1:育児休業の男女別取得実績。女性は76%、男性は18%の企業が「取得実績あり」と回答。(図1-a・図1-b)
企業の人事担当者に「育児休業の取得状況」を、男女別に伺いました。女性の育児休業は、76%の企業が「取得実績あり」と回答。男性の取得実績は、18%に留まりました。男女ともに企業規模が大きい企業ほど、取得率が上がることがうかがえます。

2:育児休業取得可能な年齢、54%の企業が「1歳まで」と回答。(図2・図3・図4)
育児休業制度(規定)は、9割の企業が「ある」と回答。取得可能な年齢は、「1歳(法定通り)」(54%)が最多。次いで、「1歳半以上2歳未満」(21%)でした。育児休業中の月齢賃金は、83%の企業が「支給しない」と回答したものの「一部支給する」という回答も14%見受けられました。

3:2歳まで育休取得期間が延長できることの認知度は71%。74%の企業が「良い法改正」と見解を示す。(図5・図6)
2017年10月から育児・介護休業法が改正され、保育園に入園できない等の事情がある場合、特例として子供が「最長2歳になるまで」育休期間の延長ができるようになりました。この法改正についての認知度を伺ったところ、71%の企業が「知っている」と回答。また「最長2歳まで延長できるようになったこと」への見解を聞くと、74%の企業が「良い(非常に良いと思う、まあ良いと思う)」と好意的な見解を示しました。良い、悪い、双方の具体的な企業コメントもご紹介します。

「非常に良いと思う」「まあ良いと思う」と回答された方の理由

◯有能な社員が復職できる可能性が高まるため。
◯現在も年度の途中で入園できるケースはほぼなく、4月入園しか見込みがない。育休が「最長2歳になるまで」延長できるようになったのは、どの生まれ月の子を抱える母親にとっても安心できて良かったと思う。
◯働くことを望む従業員が、子供が保育園に入園出来ないことを理由に止むを得ず育休を取得しなければならないケースは、特に都心では多いと思う。今回の法改正はその状況をしっかり反映させていると思うため。
◯産まれる月により、これまでの1年6か月では、受付をしてくれる保育園がほとんど無い状況を少しでも緩和することが出来るようになったため。

「良いと思わない」「あまり良いと思わない」と回答された方の理由

◯取得する側はいいと思うが、取得される側は正直2年ブランクがあいてしまうと即戦力として就業してもらうのが難しい。
◯保育園に入園できない場合は、個別に相談を受けて対応しています。一律に2歳までとするのは、延長ありきになるので、あまり良いとは思えません。
◯保育所に入れないことが理由の場合に限って言えば、期限が延ばせると思ったら本気で復職の準備をしない人が増えることを懸念する。復職できないなら延長、ではなく、復職を妨げる原因を解消するのが政治なのでは。

「分からない」と回答された方の理由

◯現状が最少人数で余裕が無い状態である。長期の育休を取った場合、新たに人を導入せざるをえなくなり、育休後に戻ってきた人の配置がどうなるか想定が出来ない。
◯2年もあると更に妊娠もする可能性もあり、そのまま産休に入る可能性も高まる。そうなると、本人が復帰したとき、会社の状況も大きく変わっている事も考えられるため、復帰までに本人に対してのフォロー体制も重要になると思う。なので、一概に良いとも悪いとも言えない。

4:育休取得社員の復職支援策、トップ3は「休業前の面談」「復職前の面談」「休業中の人事連絡」。困っていること、トップは休業者の代替要因確保。(図7・図8)
「育児休業社員の復職のために行なっている支援」を質問したところ、第1位「休業前に面談を実施」(53%)、第2位「復職前に面談を実施」(45%)、第3位「休業中に人事・総務部門からの定期的な連絡」(35%)となりました。「育児休業に関する悩みや懸念点」は「休業する社員の代替要員の確保とコスト」が67%で圧倒的に多い回答となりました。

「育児休業に関する悩みや懸念点」では、「原則、代替要員は補充しない方針なので、特に営業現場では周りのメンバーが補うため負担が増える」「ぎりぎりの人員で運営しているので、一人減ると臨時職員(派遣、アルバイト)を採用するしかないが、募集コストがかかる」などのコメントが寄せられました。


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査期間:2017年12月27日~2018年1月30日
回答企業数:『エン 人事のミカタ』を利用している企業502社

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[エン・ジャパン]
 マイページ TOP