2017年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第6回調査 

2018年02月14日
日本生産性本部 サービス産業生産性協議会は、2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」第6回調査として5業種(家電量販店、ドラッグストア、近郊鉄道、フィットネスクラブ、住設機器サービス)および特別調査として3業種(電力小売、ガス小売、パ・リーグ野球観戦)、のべ79企業もしくはブランド(以下 企業・ブランド)の満足度等を発表しました。


■各業種の顧客満足1位企業・ブランド ※は特別調査

・ヨドバシカメラ【家電量販店】~8年連続の顧客満足1位~

・コスモス薬品【ドラッグストア】~7年連続の顧客満足1位~

・阪急電鉄【近郊鉄道】~9年連続の顧客満足1位~

・カーブス【フィットネスクラブ】~4年連続の顧客満足1位~

・ケーズデンキ【住設機器サービス】~2回連続の顧客満足1位~

・東京ガス【電力小売(※)】~初の顧客満足1位~

・大阪ガス【ガス小売(※)】~顧客満足1位~

・ソフトバンクホークス【パ・リーグ野球観戦(※)】~顧客満足1位~

【I.調査結果】

<JCSI業種・業態別の顧客満足分布(2017年度第6回調査結果まで)>

◎棒グラフの上端にその業種において最も顧客満足が高い企業・ブランド、下端に最も低い企業・ブランドが位置します。

◎矢印>は、各業種の調査対象企業・ブランドを順番に並べた際、ちょうど中間に位置づけられる業種中央値です(業種内の企業数が7社であれば4番目、8社であれば4番目と5番目の中間が中央値)。

第6回調査の対象業種を比較すると、最高点は「住設機器サービス」と「パ・リーグ野球観戦」が同点で最も高くなりました。中央値は「住設機器サービス」「パ・リーグ野球観戦」の順に高くなっています。

【II.調査結果(業種別)】

業種中央値以上の企業・ブランドの順位を公開します。

■家電量販店
~「ヨドバシカメラ」が8年連続顧客満足1位~

家電量販店は「ヨドバシカメラ」が8年連続の顧客満足1位となりました。顧客満足を含めた全6指標で1位となっています。ついで、「ケーズデンキ」が顧客満足を含めた全6指標で2位となっています。顧客満足3位は「ビックカメラ」となりました。上位3社が全指標を占める結果となりました。

<顧客満足>
1位:ヨドバシカメラ(78.0)
2位:ケーズデンキ (74.1)
3位:ビックカメラ (71.8)

家電量販店は上位の順位は変わらないものの、前年度に比べ、上位2社のスコアが大きく上昇しています。また、最下位企業のスコアが下がり、業種全体のスコアの幅が大きくなっています。

■ドラッグストア
~「コスモス薬品」が7年連続の顧客満足1位~

ドラッグストアは「コスモス薬品」が7年連続の顧客満足1位となりました。顧客満足を含めた全6指標で1位となっています。顧客満足2位は「CREATE」で、顧客期待で同点1位となっています。「カワチ薬品」は全6指標で3位となりました。

<顧客満足>
1位:コスモス薬品(77.2)
2位:CREATE   (75.7)
3位:カワチ薬品 (72.5)
4位:サンドラッグ(71.7)
5位:welcia   (70.3)

ドラッグストアのスコアの幅は前年度と比べ、ほぼ変わりありませんが中央値がやや下がっています。

■近郊鉄道
~「阪急電鉄」が9年連続の顧客満足1位~

近郊鉄道は「阪急電鉄」が9年連続の顧客満足1位となりました。顧客満足を含めた全6指標でも1位になっています。顧客満足2位は「京阪電車」で、顧客期待・知覚品質でも高い評価を得ています。顧客満足3位の「西日本鉄道」は推奨意向・ロイヤルティでも高い評価となりました。

<顧客満足>
1位:阪急電鉄    (76.7)
2位:京阪電車    (72.9)
3位:西日本鉄道   (72.6)
4位:京王電鉄    (72.4)
5位:東京メトロ   (71.0)
6位:京浜急行電鉄  (70.6)
7位:東急電鉄    (70.1)
8位:阪神電車    (69.8)
9位:名古屋市営地下鉄(68.6)
10位:相模鉄道    (68.3)
11位:西武鉄道    (67.3)
12位:小田急電鉄   (67.0)

近郊鉄道は直近5年間で顧客満足のスコアの幅が最も小さくなっています。また2位から4位のスコアが僅差で拮抗しています。

■フィットネスクラブ
~「カーブス」が4年連続の顧客満足1位~

フィットネスクラブは「カーブス」が4年連続の顧客満足1位となりました。顧客満足のほか顧客期待・知覚品質・推奨意向でも1位になっています。顧客満足2位は「ルネサンス」で、知覚価値で1位となっています。顧客満足3位は「セントラルスポーツ」で、ロイヤルティが1位となりました。

<顧客満足>
1位:カーブス     (70.4)
2位:ルネサンス    (70.3)
3位:セントラルスポーツ(69.8)

フィットネスクラブは中央値以上の顧客満足スコアの差が小さくなる傾向にあり、差別化が難しくなっていることが推測されます。

■住設機器サービス
~「ケーズデンキ」が2回連続の顧客満足1位~

住設機器サービスは、給湯器やエアコンなどの白物家電やガス・電化製品などの購入後の自宅取り付けや、修理訪問でのサービス経験について調査をしている業種で、2011年度の調査以来、隔年での調査を行い、4回目の調査となります。「ケーズデンキ」が2015年度に続き、顧客満足1位となり、他3指標でも1位となりました。また、顧客期待は「パナソニックの店」、知覚品質は「東京ガス」が1位となりました。

<顧客満足>
1位:ケーズデンキ  (79.8)
2位:東京ガス    (77.2)
3位:エディオン   (76.9)
4位:パナソニックの店(76.7)

2017年度の住設機器業種は、「ケーズデンキ」の評価が2015年度の評価が高まり、他社との差が広がりました。また、「東京ガス」の評価も高まっています。

■電力小売(特別調査)
~「東京ガス」が初の顧客満足1位~

電力小売は今回が2回目の調査で、「東京ガス」が初の顧客満足1位となりました。その他、顧客期待・知覚品質・推奨意向・ロイヤルティでも1位となりました。顧客満足2位の「ENEOSでんき」は、知覚価値で1位となっています。顧客満足3位は「大阪ガス」となり、上位3社が全指標を占めました。

<顧客満足>
1位:東京ガス  (74.5)
2位:ENEOSでんき(73.3)
3位:大阪ガス  (72.0)

電力小売は、スコア幅が小さくなり各企業間の差が小さくなっていることがわかります。また、1位と中央値のスコア差も小さくなっています。

■ガス小売(特別調査)
~「大阪ガス」が顧客満足1位~

ガス小売は、2017年4月より開始されたガス小売自由化を受け、新規参入企業と既存ガス会社の計8社を対象に調査を行いました。「大阪ガス」が顧客満足1位となり、「東京ガス」が続きました。顧客満足3位は、新規参入企業である「中部電力」となりました。顧客期待・知覚品質・知覚価値でも「大阪ガス」が1位となりましたが、推奨意向・ロイヤルティでは「中部電力」が1位となりました。

<顧客満足>
1位:大阪ガス(67.5)
2位:東京ガス(67.4)
3位:中部電力(66.8)

■パ・リーグ野球観戦(特別調査)
~「ソフトバンクホークス」が顧客満足1位~

特別調査として、本拠地球場での野球観戦の満足度調査を行いました。「ソフトバンク」が、顧客満足を含む6指標で1位となりました。顧客満足2位の「西武」は、知覚価値も高い評価となっています。顧客満足3位は「日本ハム」と「楽天」が同点となりました

<顧客満足>
1位:ソフトバンク (79.8)
2位:西武     (76.3)
3位:日本ハム/楽天(74.9)(同点3位)


【「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」調査とは】

この調査は、統計的な手法による総計12万人以上の利用者からの回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査で、業種・業態(以下 業種)横断での比較・分析ができ、かつ、6つの指標で顧客満足度構造とポジショニングをチェックすることが可能です。本年度は年6回に分け、30業種超、約400の企業・ブランドの調査を行いました。「顧客の評価を起点とした業種を超えた競争」を促すことで、付加価値や顧客満足を高める経営が日本全体に広がり、企業の成長と国際競争力の強化に役立てることを狙いとし、2009年度から発表を行っています。JCSI(日本版顧客満足度指数)の詳細・特徴については、「参考資料1」をご参照ください。

【今回調査2017年度第6回、通算第47回調査)の概要】

1.対象業種/企業・ブランド:家電量販店、ドラッグストア、近郊鉄道、フィットネスクラブ、住設機器サービス
 [特別調査]
 電力小売、ガス小売、パ・リーグ野球観戦
2.調査期間:2017年11月29日~12月30日
3.調査方法:インターネット・モニターを用いた調査(2段階にて回答を依頼)
4.回答者数:24,570人 (順位に含む69企業・ブランドの回答者は22,150人)
5.質問数:約110問(「参考資料2」参照)
6.指数化の方法:下記の顧客満足をはじめとした6つの指標の各指数(詳細は「参考資料1」参照)は、それぞれ7または10点満点の複数の設問で構成され、その回答から100点満点になるように算出されます。複数の設問を「すべてを満点とした」場合は100点、「すべてを最低点とした」場合は0点となります。

※(1) 1次回答:調査会社のモニターを用いて、性別・年代別・地域別の人口構成に配慮した形で利用経験の有無についての回答を依頼し、今回は約22万人より回答を得ています。

 (2) 2次回答:上記の1次回答が、選定条件に当てはまる方から無作為に抽出し、サービスに対する具体的な評価について、各対象460~620人程度に回答を依頼しました(※一部例外有り)。回答依頼は、回答者1人につき1企業・ブランドのみです。順位に含めた企業・ブランドは、300人以上の回答を確保しています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本生産性本部 サービス産業生産性協議会]
 マイページ TOP