採用面接の悩みに関する調査(中小企業の人事担当者対象) 

2018年09月05日

ONE(オーエヌイー)は、関東圏内の中小企業の人事担当を対象に、「採用面接の悩みに関するアンケート調査」を実施しました。

調査結果サマリー


  • 「早期離職」「自社とのミスマッチ」に悩む人事担当が多数
  • 「表情・目線」が印象に与える影響は大きい
  • 入社後に、ネガティブなギャップを感じる人事担当は75%
  • 自社のデメリットを伝えることで、入社後のギャップ軽減を図る
  • 面接では質疑応答のみ行う企業が大半

​調査結果


■「早期離職」「自社とのミスマッチ」に悩む人事担当が多数

面接において感じる悩みを聞いたところ、「早期離職の可能性が高そうな人を見極められない」が30%、「自社に合う人材を見極められない」が24%となりました。
それに次いで「本当のことを答えているのか見極められない」が20%。
「優秀な人材を採用したい」は13%にとどまり、それよりも「長期間働いてくれる」「自社に合う」人材を求めていることが分かりました。

採用する人材個人の能力よりも「環境への適用」「周囲との調和」などが重視されているようです。
その他には「面接のドタキャンに困っている」という回答も見受けられ、そもそも面接に至るまでに悩みを抱えている人事担当がいることも分かりました。

■「表情・目線」が印象に与える影響は大きい

面接で意識的にチェックしていることは何か聞いたところ、「表情(目線以外)」68%、「目線の動き」41%、「声のトーン」34%、「声の大きさ」31%となりました。
面接と言うと、話す内容や話し方などが重視されそうですが、この結果を見ると耳よりも目から入る情報が印象に与える影響は大きそうです。
また、「表情(目線以外)」68%に対し、「顔以外の身体の動き」は31%となりました。
このことから、目から入る情報の中でも、立ち居振る舞いや身振り手振りよりも「顔」から受け取る情報が多いことが分かりました。

■入社後に、ネガティブなギャップを感じる人事担当は75%

入社後に面接時とのギャップを感じたことがあるか聞いたところ、「非常にある・ある」と回答した方は50%でした。

ギャップは主に3種類に分類されます。
・ネガティブな方向のギャップ
・ポジティブな方向のギャップ
・自社には合わないというギャップ

▼「ネガティブな方向のギャップ」の回答(一部抜粋)
・「物わかりのよさそうな人だと思っていたが、0から100まで説明が必要なタイプだった。」
・「テキパキした人だと感じたが、入社後の仕事ぶりはマイペースだった。」
・「話していた経験と実際の仕事ぶりに差があった。」
・「誠実そうな印象だったが、実際はすぐに辞めてしまった。」
また、ネガティブな回答の中には、メンタル・体調に言及したものも見られました。

▼「体調・メンタルに関するギャップ」の回答(一部抜粋)
・「こちらから質問できない部分でのギャップ(病歴など)。」
・「病気を持っているなどの体調面。」
・「スポーツマンだったので、メンタルが強いと思ったが、そうではなかった。」
Q1で早期離職に悩まされていると言う結果が出ましたが、そういった意味でもメンタル面は気になるのかもしれません。

▼「ポジティブな方向のギャップ」の回答(一部抜粋)
・「面接の時とは違い、現場配属するといい意味で明るかった。」
・「この人大丈夫だろうか、と感じていた人が勤続3年。」
・「リスクを考えて、あまり良いイメージを持たないようにしているため、入社後に逆に良い部分で発見や気づきがある。」
ネガティブな回答の割合と比較するとかなり低くはなりますが、中にはうれしいギャップもあるようです。

▼「自社には合わないというギャップ」の回答(一部抜粋)
・「経験重視で採用したが、自社の仕事と合わなかった。」
・「経験者だと思っていたのに、やり方・情報などが過去のもので仕事を任せられない。」

即戦力になる経験者を採用できたことは、企業にとってプラスのイメージですが、「経験がある」だけでは採用成功とは言えないようです。
面接は、短時間で実施される上にお互いよく見せようとしてしまうため、ギャップが生まれやすいのでしょう。
企業・求職者ともに「目先の内定」を急ぐのではなく、本来の姿を見せ合った方が長い目で見るとお互いにとって最良ですが、なかなか難しいのが現実のようです。

■自社のデメリットを伝えることで、入社後のギャップ軽減を図る

入社後のギャップを軽減するために実施している策はあるか聞いたところ、回答で多かったのは以下の4点です。
・自社のデメリットもきちんと伝える
・できるだけフランクに会話する
・職場見学を実施する
・先輩社員との面談や座談会(新卒採用が中心)

▼「自社のデメリットもきちんと伝える」の回答(一部抜粋)
・「あえてネガティブな話題も出して応募者の考え方、受け止め方を見る(残業の話など)。」
・「設立間もないので、研修が充実していないことなどを伝える。」
・「働く上で大変なことを包み隠さず話す。」
中には、「自社についてまとめた資料を用意し面接時に渡す」という手間をかけた対策をしている人事担当もいました。

▼「できるだけフランクに会話する」の回答(一部抜粋)
・「入社後のギャップが双方にとって一番良くない事だ。と面接冒頭に伝え、“いつも通りの姿”を求職者様にも求める。」
・「できる限り自然体になるよう、雰囲気作りをする。」
・「業務面の話だけでなく、人となりがわかるような話をする。」
・「なるべく長く面接をする。人生観、私生活などを話してもらう。」
求職者の本来の姿を引き出すための雰囲気作りや、質問による誘導を行っている人事担当が多かったです。
仕事面以外の人柄や性格を把握することが目的のようです。

■​面接では質疑応答のみ行う企業が大半

面接で質疑応答以外に取り入れている手法を聞いたところ、「性格検査」が34%、「計算問題」21%、「一般常識問題」が16%となった。
しかし、最も多いのは「特になし」の47%。
Q1の結果では面接での見極めの難しさを感じている反面、質疑応答以外は実施していない人事担当が多いということが分かりました。

また、Q2では目から得る情報が多いという結果が出ましたが、面接に「心理学」を取り入れている人事担当は4%、「人相学」は1%とごくわずかでした。
面接で聞かれる質問はある程度決まっており、ネットでも質問集やそれに対する回答例などを簡単に見ることができ、対策することはさほど難しくありません。
そんな中、短い時間で初めて会う人の本質を見抜くことは非常に難しいですが、話す内容以外から受け取る印象や情報を有効に活用できれば、まだまだ面接の精度を高められる余地があることが伺えます。

調査概要


調査名称:採用面接の悩みに関するアンケート調査
調査対象:中小企業の人事担当者
調査期間:2018年6月26日~2018年8月6日
調査方法:顧客によるアンケート調査
有効回答数:106 サンプル
実施機関:株式会社ONE(オーエヌイー)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ONE]
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